海外の長寿命住宅を参考に、金属屋根の通気を考えてみた! 検討して損なし!!

流行りの金属屋根は今のままでいいのか?

みなさま。こんにちは。

屋根から人の笑顔を作りたい!!!

神清(カミセイ)のDr.神谷です。

最近、金属屋根の住宅を温暖地域でも、よく見かけるようになりました。

「軽い」「安価」と2大セールスポイントがあり、今後も増加が予想されています。

そこで、そんな人気の金属屋根を採用しようと検討しているお施主さまに対して、あえて問題点を指摘したいと思います。

「耐久性は大丈夫?」です。

焼き物である瓦と同等の耐久性までは期待しないとしても、せめて、住宅ローンが残っている間には、交換をしたくないですよね!

そんなあなたに、海外の長寿命住宅を参考に、金属屋根の耐久性が向上する一案をご紹介いたします!

 

日本の金属屋根の現状は?

金属屋根の葺き替え現場で、必ずと言っていいほど目にするのが、軒先部の劣化です。

具体的には、金属裏面の錆と木部の腐れです。

この金属屋根の軒先部劣化について、詳しくはこちらをご覧ください!

金属屋根材の暴露試験体解体調査から気付いたこと!ガルバリウム鋼板もご用心!

 

この劣化は住宅ローンを完済する前に起きてしまうのです。

日本の住宅の寿命

えー?って感じですよね。

そんなに早く劣化するなら問題になっているのでは?

と不思議な感じを持たれた方もいらっしゃるでしょう。

実は、日本の住宅の寿命自体が今までは短かったのです。

上グラフは国土交通省の資料ですが、日本の住宅寿命は30年と外国の半分程度なのです。

そこで、日本も最近になって、長寿命住宅へとシフトが始まりましたが、国の方針を簡単に示します。

・本格的な少子高齢・人口減少社会が到来する中、住宅の「量」は充足する一方で、住宅および住環境の「質」は依然として低水準にあり、豊かな住生活が実感できていない。

・そこで、国は、今から10年程前に「住生活基本法」を定めて、住宅の大量供給から良質なストック形成への本格的な政策転換した。

・さらに、平成21年6月には「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」によって、「良いものをつくり、きちんと手入れして、長く大切に使う」ストック対策を示した。

・平成25年、住宅総数6,062万戸に対して、空き家数819万戸となっていて、なんと13.5%の空き家率となっていて、大量に余っている。

・高い費用をかけて購入した住宅の利用期間が短いということは、住む人にとって1年あたりの住宅費の負担が大きいといえる。

・つまり、住宅の長寿命化とは、住まい手が負担する住宅費(新築~メンテナンス~解体)を少なくするためである。

・若い人達の所得が増えない中、住宅費を長い年数で分割することで、1年あたりの負担を軽くすることができる。

・そのためには、住宅性能の維持保全とともに、その新築~メンテナンス~解体までトータルの住宅費の把握が重要である。

こんな流れの中で、これからの住宅・屋根は長寿命化・耐久性向上が必須となってきています。

 

海外の金属屋根はどうなってるの?

立て平葺き(たてひらぶき)

海外の金属屋根(立て平葺き)はこんな感じです。

金属屋根の下にある黒いものは網状体(もうじょうたい)いわゆるスペーサーと呼ばれるものです。

わかりにくいので、断面図で説明します。

金属屋根材とルーフィング・野地板の間に網状体(厚み約10mm)が入っています。

この網状体の役割は、いくつかあります。

①排水できる

金属屋根材とルーフィングの間に浸入した雨水や結露水を棟側から軒先側へと流れる排水経路となります。

②通気できる

金属屋根材とルーフィングの間を通気することができ、金属屋根材の裏面を乾燥させます。

③熱を伝えにくい

約10mmの空気層が金属屋根材とルーフィング・野地板の間でできるため、断熱効果があります。

特に、①の排水効果により、金属屋根材裏面の錆を軽減できます。

ちなみに、先程の写真のように、日本では金属屋根材はルーフィング・野地板に密着しているため、排水・乾燥することができず、金属屋根材の軒先が錆びてしまうのです。

 

横葺き(よこぶき)

海外の金属屋根(横葺き)はこんな感じです。

バトンと呼ばれる木に金属屋根材(横葺き)を留めていきます。

日本の瓦屋根に近いイメージで、金属屋根材とルーフィング・野地板の間にバトンが入るため、空間ができ、排水・通気(乾燥)・断熱の効果があります。

金属屋根材の劣化の軽減につながります。

 

日本でも創意工夫が始まっています!

日本でも金属屋根の耐久性向上の創意工夫が始まっています。

事例1

国の研究機関である国土交通省国土技術政策総合研究所の5年間の共同研究で、通気下地屋根構法が開発されました。

詳しくは、こちらをご覧ください!

【新築・リフォーム/後悔しない家造り】住まい手のためのガイドラインが公開!

 

事例2

日本でも、海外の網状体を国産化した商品(エアーギャップシート)もあります。

詳しくは、こちらをご覧ください!

エアーギャップシート

金属屋根の通気工法 エアーギャップシートのご紹介!

 

 

事例3

あらかじめクロス状に杉板を接着している通気パネルを野地板に用いることでも、金属屋根下で通気・排水が可能となり、金属屋根の耐久性向上を実現できます。

詳しくは、こちらをご覧ください!

長期優良住宅には、通気野地板という考え方。ありだと思います!

 

金属屋根材の裏面を乾燥状態にすることで、裏面からの錆を抑制して、30年間以上は葺き替えなしを実現できます。(表面の再塗装は必要です。)

 

まとめ:長寿命住宅の金属屋根には、通気構法が必要です!

「軽い」「安価」の金属屋根でも、これからは「耐久性」も求められます。

長持ちさせることで、イニシャルコスト~維持管理費も含めた費用を軽減することができます。

海外の金属屋根と同様に、日本でも通気構法が開発されています。

これからの長寿命住宅の金属屋根では、通気構法仕様もご検討ください!

 

専門用語もあり、わかりにくい所もあったかと思います。

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Dr.神谷
神清のまとめ役。
学者肌で数々の「産学官」の連携研究事業を行い、業界内でも数少ない技術派です。その知恵で若いスタッフを指導しています。

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