【実験したよ】価格の安さでラバーロックを勧めてくる屋根業者には注意して!

(※更新情報)

編集 2018年 7月30日
公開 2018年 4月17日

瓦屋根リフォームの見積で、「ラバーロック」と書いてあったら、その業者はやめましょう!

みなさま。こんにちは。

屋根から人の笑顔を作りたい!!!

創業150年、三州瓦の老舗・神清(カミセイ)のDr.神谷です。

瓦屋根(日本瓦)のリフォームにおいて、意味のない・役立たない・間違っている工法として、「ラバーロック」が残念ながら広く普及しています。

最近、日本瓦屋根の雨漏り補修現場に行ってみると、本当に多くの瓦屋根が「ラバーロック」されているので、正直、驚きを隠せません。

これまでは、悪徳訪問販売リフォーム業者が行っているだけだと思って相手にしていなかったのですが、ここまで、多くの屋根で見かけるようになると無視できないことだと感じています。

 

webで「ラバーロック」を検索してみた

この記事を読んでいる方は同様に「ラバーロック?」と何のことかわからず検索された方だと思います。

web上で「ラバーロック」と検索して1ページ目に出てくる10件の記事を読み、その会社を私なりに調べてみました。

不思議なことに、「ラバーロック・反対派」と「ラバーロック・擁護派」の2つに分かれているのです。

「ラバーロック」に警告を発しているのは、3社(弊社、(一社)全日本瓦工事業連盟、石川商店)で、「ラバーロック」以外のことに関しても、屋根について、正しい情報を発信し続けている3社と言えます。

その他6社は「ラバーロック」は悪徳と言われているけど、正しく施工すればいいので、正しく施工できる自分達にご連絡くださいという論調です。(私が見ると、屋根の専門家と言っているネット業者に見えますが・・・。電話するとその地域の下請けの工事店さんにまわす仕組みですね。下請けの工事店さんの品質はよくわかりません。)

いかにも、屋根の専門家として記事が作成されていて、6社とも同じように「正しく施工すればラバーロックはいいですよ」と発信されていると、一般の方は多数決で、こちらの「ラバーロック擁護派」の方が正しいと誤解されてしまうかも?!と私は危惧しています。

 

「ラバーロック」の性能を調べることにした!

そこで、このまま放置するわけにはいかないと考え、「ラバーロック」の性能評価試験を試みました。

この試験は、同じ考えを強くお持ちの東京の屋根屋・石川商店さんにご助言をいただきながら、共同研究という形で行いました。

その実験結果も踏まえ、「ラバーロック」の真実をご紹介します!

 

ラバーロックとは

瓦屋根(多くは日本瓦)が施工されている屋根において、瓦と瓦をシーリング材(接着剤)などで、連結させることをいいます。

主に、屋根の平部(屋根の面積の大きい部分)と棟部(屋根の頂点部分)で瓦同士を接着剤で連結させています。(赤→の部分に接着剤が塗ってあります。)

 

擁護派が主に述べている「ラバーロック」の効果

ラバーロックの擁護派がラバーロックを勧めている主な効果は以下となります。

①隙間埋め

②瓦のズレ防止

③耐風性能が向上する

④地震対策になる

⑤雨漏りがとまる

そして、結果、「ラバーロック=悪い施工ではない」という説明です。

 

そこで、この1つ1つを検証していきます。

①隙間埋め ⇒実はやってはいけないこと!

瓦屋根はもともと瓦同士では隙間があり、瓦同士の重なりで雨水の浸入を防ぐ構造となっています。

瓦は隙間があることで、瓦下を乾燥させることができ、優れた特長となっています。そのため、隙間埋めは瓦の優れた特長を無くしてしまうので、意味がないというか、やってはいけないことです。

中には、瓦が紫外線で歪むという全くありえないことを記載している記事もあり、瓦を知らない方が書いていることがバレバレですね。

 

②瓦のズレ防止 ⇒実は正しいこと!

瓦同士をシーリングするため、瓦1枚1枚がずれることは起きにくいです。1枚ごとの瓦のズレ防止効果はあると言えます。

 

⑤雨漏りがとまる ⇒実はうそ・間違いです!

瓦工事業者が瓦屋根の雨漏りを補修するには、瓦をめくり、瓦下の下地(ルーフィング等)を補修することが基本です。

瓦工事をできない業者(塗装屋、リフォーム屋等)が瓦の隙間を埋めると雨が浸入しないだろうと根拠なくラバーロックをしているのです。

瓦の隙間と部屋内の雨漏りしている場所が一致するとは限りません。

瓦から浸入した雨水は瓦下の下地を流れるため、瓦からの浸入口と室内への浸入口の位置が異なることが多いのです。

ラバーロックで瓦からの浸入口だけを塞いで雨漏りをとめようというのは、根本的に間違っていますので、ご注意ください。

また、費用的にも、瓦をめくって、下地を補修した方が安価な場合が多いです。

 

ここからが、今回、共同研究で実験した内容です。

少し丁寧にご説明いたします。

 

③耐風性能が向上する ⇒実はうそ!

台風の強風や突風対策になると言っていますが本当でしょうか?

瓦屋根の耐風性能は、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」で試験方法が決められています。

実際の試験はあいち産業科学技術総合センター・三河窯業試験場で、耐風圧性能試験(150サイクル法)で行いました。

瓦を14枚施工して、その内の9枚を繰返し引上げ荷重で引上げ、瓦が浮き上がり、破壊しないことを確認する試験です。

結果、ラバーロックの試験体は、最も弱い試験条件で行っても、全く耐えることはできませんでした。

台風の強風や突風に耐えることができるというのは、全くのうそでした。

試験の内容について詳しくはこちらをご覧ください!

ラバーロックの耐風性能を調べました!「耐風性能が向上する」は迷信でした!

 

瓦をいくら連結しても、建物に留め付けられていなければ、面としてめくり上がってしまいます。

瓦が留め付けられていないのに、瓦同士をシーリングで連結しても、結局、強風に耐えるには、自重だけの抵抗力しかなく、現在の標準的な瓦屋根の約1/7程度の抵抗力しかありませんでした。

ちなみ、現在の瓦屋根施工では、どの瓦も釘・ビスで留め付けられていますので、台風にも耐えることができます。

ラバーロックをするよりはそのままメンテナンスせずに、不具合が発生したときに併せて正しいメンテナンスをされることをお勧めします!

 

④地震対策になる ⇒実はうそ!

地震の揺れで、瓦がズレることを予防できると言っていますが本当でしょうか?

瓦屋根の耐震性能は、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」で試験方法が決められています。

実際の試験はあいち産業科学技術総合センター・三河窯業試験場で、棟部耐震性能試験(鉛直回転法)で行いました。

試験架台に瓦屋根を施工して、試験架台自体を垂直に起こして、10回転をさせて脱落の有無を確認するというものです。

阪神大震災から1G(重力)の力が掛かっても、脱落しない耐震性能を瓦屋根では求められています。

そこで、実際に試験架台に棟部と平部を施工して、ラバーロックで補強した試験体で耐震試験を行いました。

結果、棟部・平部とも10回転中の1回転を耐えることができず、脱落しました。

地震に耐えることができるというのは、全くのうそでした。

試験の内容について詳しくはこちらをご覧ください!

ラバーロックの耐震性能を調べました!「耐震性能が向上する」は迷信でした!

 

さらに、問題なのは、瓦同士がシーリングで連結しているので、瓦が一塊となって脱落したことです。

実際の地震でも、ラバーロックした屋根は同様に巨大なかたまりとなって脱落することが起こり得えます。

ラバーロックは地震対策としては、効果がないというよりも、ラバーロックにより危険度が増大する可能性が確認されました。

瓦屋根の耐震補強はラバーロックではなく、ガイドライン工法に葺き替える必要があると明確になりました。

 

今回の耐風性能・耐震性能検証をもとに、ラバーロック=悪い施工であることが実証できました。

 

大阪府北部地震において実棟検証⇒被害を受けていた!

2018年6月18日に発生した大阪府北部地震の屋根調査で、ラバーロック工法されていた屋根を数棟確認することができました。

そのラバーロックされた屋根は、全て地震被害を受けていて、ブルーシートが掛かっていました!

耐震実験と同様で、実棟検証でもラバーロック工法の耐震性が低いことを確認しました!

 

では、なぜ、他社はラバーロックを擁護するのか?

ここからは推測ですが、恐らく、瓦屋根のことを知らないからだと思います。

各社ライターさん(記事を書いている方)が、web上でラバーロック=悪い施工ではないと誰かが言ったことに便乗したのではないでしょうか?

または、1枚1枚の瓦が連結すれば、強くなるのでは?と安易にイメージしてしまったかもです。

残念ながら、誰も全く評価試験することなく、無責任にラバーロックによるリフォームをweb上で現在も一般の方に勧めているのです。

 

今回の実験でわかったこと

今回の実験は「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に基づいたもので、現在の新築の瓦屋根では、全てこの試験に合格した施工方法が採用されているます。

瓦屋根の性能を正しく評価できる試験で「ラバーロック」の性能試験を行ったところ、

1.ラバーロックでは、瓦屋根の耐風性能を向上できない。

2.ラバーロックでは、瓦屋根の耐震性能を向上できない。

ということが確認できました!

 

ラバーロックのデメリットをおさらいします。

念のため、ラバーロックのデメリットもご紹介します!

雨漏りの原因となる

瓦は重なりにより、雨漏りをしない構造となっているので、不用意な場所をシーリングで塞いでしまうと浸入した雨水が排水できず、かえって雨漏りが生じることとなります。

 

瓦下に湿気が溜まりやすくなる

瓦は瓦同士の隙間から瓦下空間と外気が通気をしています。
シーリングで隙間を塞いでしまうと瓦下の湿気を排出することができず、瓦桟木・野地板などを腐朽させることにつながります。

 

費用対効果が悪い

ラバーロックは200,000円~/棟が多くなっていますが、効果があるのは、瓦のズレ防止だけです。
同等の金額で、瓦屋根の部分補修などを行うことは可能です。
同じ金額を掛けるなら、しっかり補修したいですよね!

 

まとめ:瓦屋根のラバーロックによるリフォームはやめましょう!

瓦屋根のメンテナンスで見積を取ったときに、「ラバーロック」と記載してあったら、その業者はやめましょう!(ラバー工法、ラバーカバー、・・・似たような名前もありますので、ご注意ください。)

瓦屋根のことは瓦屋さんが間違いありません!地元の瓦屋根工事店さんにご相談してください。

不安に思われたら、弊社にお問い合わせください。

遠方の方はご助言だけになりますが、少しはお役立ちできると思います!

専門用語もあるので、わかりにくい所もあったかと思います。

お気軽にお問い合わせくださいね!

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また、愛知の方はより詳しくご相談をお受けできますよ!

関東の方は、石川商店さんにご相談されることをお勧めいたします!

 

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Dr.神谷
神清のまとめ役。
学者肌で数々の「産学官」の連携研究事業を行い、業界内でも数少ない技術派です。その知恵で若いスタッフを指導しています。

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