金属屋根の問題点は「軒先で排水できないこと!」。解決策は「通気構法」があります!

みなさま。こんにちは。

屋根から人の笑顔を作りたい!!!

神清(かみせい)のDr.神谷です。

最近、金属屋根の問題点は「軒先からの雨水浸入だ。」と話を聞くことがあります。

瓦屋からすると正直、何か違和感を感じました。

そこで、建築研究所で行われた築38年の金属屋根試験棟・解体現場の記録写真を見返しました。

すると、金属屋根の問題点は別にあるように感じています。

ここ数年急増している金属屋根・立平葺き片流れ屋根にも通じる問題点なので、ご紹介します!

建築研究所築38年の金属屋根解体現場写真から気付くこと。

38年経過した建築研究所の金属屋根暴露試験の解体調査は国総研(こくそうけん)の共同研究で行われました。

屋根業界・防水業界をはじめ、大学関係など多くの方が参加しました。

その内容について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

多数の「金属屋根の暴露試験解体調査」に触れて、初めて気付いた驚きの共通点!(ガルバリウム鋼板でも)

 

今回はアルミ製金属屋根の架台を注目しました。

その理由としては、カラー鋼板製金属屋根の劣化が激しく、検証するにも複雑になるためです。

38年経過したアルミ製金属屋根架台はこんな感じです。

アルミ製屋根材としては、著しい色むら、孔開きなどもなく38年経過したとは思えない状態でした。(屋根材としては、芯木有瓦棒葺き屋根です。)

金属屋根の劣化は軒先部です!

問題はこの屋根材の下です。

屋根材をはがしてみると、

赤丸で囲まれた部分、野地合板の軒先がひどく劣化しています。

黒く変色して、芯木の下に位置している部分の野地合板に孔が開いています。

やはり、金属屋根の軒先部は問題ありですね!

屋根材は全然変化がないのに、野地合板がこんな状態はビックリですね!

金属屋根が強風で飛散してしまう原因の1つだと言えます!

よく見ると棟部から雨水浸入しています!

ここからが、今回気付いた部分です。

あまり劣化していないように感じた野地合板の上部をよく見ると棟部からの雨水浸入痕がありました。

芯木に沿って雨水が流れているのがわかります。

棟側からも雨が入っているのです。

他のアルミ製金属屋根の架台でも確認してみました。

同様に軒先がひどく黒ずんでいます。

問題は浸入した雨水が軒先から排水できないのです!

こちらも上部を注目してみると、

棟側から雨水が流れている痕がハッキリわかります。

もう少し言うと、棟側から雨水が入っても軒先側に流れるようにはなっていて、大きな劣化にはつながっていないのです。

屋根は雨が入っても、傾いているので、排水できれば大きな劣化にはつながらないのです。

しかし、軒先で排水ができないために、軒先が劣化しているのです。

瓦屋根では、瓦から入って雨は軒先を流れ、雨どいへ排水できるようになっています。

金属屋根は雨が入らないと思っているので、排水する工夫がされていないのです。

さらに言うと、軒先から入ってもすぐに排水する構造にした方がより安全です!

軒先から入らないようにする議論よりも軒先から排水できるようにする議論の方が大事だと思います!

金属屋根は雨が入らないのでしょうか?

暴露試験架台は棟部から入っています!

暴露試験架台の棟部はこんな感じでした。

アルミ製の金属屋根の棟部です。

著しい変形・ピンホールもないのですが、先程の野地合板を見れば、雨水浸入していることがわかります。

カラー鋼板製の金属屋根の棟部はこんな感じでした。

これは芯木なし瓦棒葺きの屋根ですが、棟の端部はピンホールができています。

シーリングが塗りたくってありますが、劣化して孔が開いています。

これでは雨は入りますね!

これは昔の工法だから今は違うのでしょうか?

実際のガルバリウム鋼板屋根でも入ります!

実際の切妻屋根の棟部の写真です。

棟の頂点で折り曲げているので、口がパックリ開いています。

シーリングされていますが、劣化して亀裂・ピンホールができていました。

この屋根の軒先部は雨水浸入のせいか、赤錆が発生していました。

最近流行りの立平葺きでも入ります!

最近流行りのガルバリウム鋼板立平葺きの屋根を見てみますと、

こちらもパックリと口が開いています。

雨が入ってしまいますね!

基本的には、暴露試験架台となんら変わっていないのです。

 

金属屋根の問題点は「軒先から排水できないこと」です!

金属屋根の問題点は「軒先からの雨水浸入」ではなく、「軒先から排水できないこと」です。

屋根・雨仕舞の基本である、「入っても出す」という考え方ではないことです。

瓦屋根は耐久性を考えて、「入っても出す」を工夫しています!

瓦屋根は耐久性を考えて、いかに滞留させずに排水するのか、縦桟木や排水溝付き瓦桟木、捨て水切り、軒先水切りなど常に工夫しています。

その工夫により、長寿命住宅に見合う耐久性のある屋根となっています。

 

金属屋根の材料が長寿命になるだけではダメ!

金属屋根は昔はカラー鋼板だったけど、今はガルバリウム鋼板になったので、40年以上持つと言われる金属屋根屋さんもいるようですが、屋根として長寿命となるように工夫が必要ではないでしょうか?

「軒先から入れない」のではなく、「軒先から排水できる」工夫が必要です。

実際に、暴露試験でのアルミ製の芯木有瓦棒葺きは材料としては、38年持っているのですが、屋根としては劣化しています。

これから温暖化で台風の大型化が心配される中、軒先が劣化しては、屋根全面で立平葺きが飛散するリスクになります。

 

問題点の解決方法の1例としては、「通気構法」です!

金属屋根の問題点の解決方法の1例としては、「通気する仕様」とすることです。

「軒先からの排水」と「通気」は関係あるの?と思われた方もいると思いますが、

共同研究で実施した「通気下地屋根構法」、「通気野地」、「通気マット」などは、金属屋根と野地合板との間に通気する空間があるので、排水することが容易なのです。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

海外の長寿命住宅を参考に、金属屋根の通気を考えてみた! 検討して損なし!!

 

まとめ:金属屋根の問題点は「軒先で排水できる仕様」とすることで解決できます!

38年の暴露試験架台結果を観察すると、金属屋根の問題点が見えてきました。

金属屋根の問題点は「軒先からの雨水浸入」ではなく、「軒先から排水できないこと」なのです。

なぜなら、金属屋根でも棟部から雨水浸入するので、軒先からの雨水浸入を防ぐだけでは、不十分なのです!

その解決策の1例としては、金属屋根の「通気する仕様」があります。

現在急増中の片流れ屋根/ガルバリウム鋼板・立平葺きは何か工夫を検討してみてくださいね!

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Dr.神谷
神清のまとめ役。
学者肌で数々の「産学官」の連携研究事業を行い、業界内でも数少ない技術派です。その知恵で若いスタッフを指導しています。

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