スレート屋根における雨漏り(雨水浸入)の原因はこれだ! 屋根屋しか知らない秘密!

スレート屋根 雨漏り(雨水浸入)の原因を解明!

スレート屋根から雨漏り(雨水浸入)するのか?

基本的なことを調べるために、築25年過ぎのスレート屋根の現場調査を行いました。

その結果、釘穴からの雨水浸入率が約25%だったことがわかりました。

:スレート釘孔からの雨水浸入痕 〇:スレート釘孔からの雨水浸入無
:ステープルからの雨水浸入痕

の比率が約25%で、4本に1本の割合で漏れています。

これに対して、ルーフィング(防水材)の釘孔シール性を高める議論があります。

しかし、どんなに高級なシール性の高いルーフィングを使用しても、改善できない現象であることを発見しましたので、簡単にご紹介いたします!

遅くなりましたが、

屋根から人の笑顔を作りたい!!!

神清(かみせい)のDr.神谷が、マニアックに説明いたします!

 

 

スレート屋根の施工方法とは?

スレート屋根の施工はとても単純化されています。

そのため、施工費が安価となり、新築ではもっとも安い屋根というメリットがあります!(材料代は瓦より高い)

スレート屋根は上写真のように厚さ5mmの薄い屋根材を野地合板に直接置いて、釘4本で留め付けて施工します。

屋根材の上下・左右に目印がありますので、それを下・隣の屋根材の目印に合わせて施工します。

詳細には上の三角の凹みを下の目印に合わせて施工します。

そのため、瓦屋根のように、桟木を使ったり、糸を張って、隅打ちをすることもなくどんどん施工でき、省施工となっています。

 

スレート屋根は釘孔が弱点!

残念ながら、スレート屋根は釘孔の位置で、水が滞留するという致命的な構造となっています!

スレート屋根の断面を見ながら説明します。

スレート屋根は半分以上重ねて施工する屋根材です。

上写真のように屋根材1枚につき、4本の釘で留めつけます。

スレート留め釘は右側(下側)の屋根材の端部に隣接する位置で留め付けられます。

右側の屋根材の端部はルーフィングにピッタリと密着しています。

そのため、雨がスレート屋根材の下部へ浸入するとここで滞留します。

つまり、雨が滞留する位置で、ルーフィングに釘孔を開けてしまうのです!

イメージ図はこんな感じです!

 

実際、スレート屋根の漏水試験を行って、屋根材を剥がしてみると、

赤丸の釘孔部分に水が浸入していることがわかります。

屋根材から雨水浸入するとこの釘孔部分に5mmの水溜まりが発生します。

屋根材の形状的にこの水が流れにくいので、釘孔に5mmの水圧が長時間かかる構造となっています。

そのため、ルーフィングの釘孔止水性が重要視される理由です。

 

 省施工が罠!

構造的な要因以外に、スレート屋根の施工方法から来る、省施工の罠が潜んでいます!

それはスレート屋根を葺く場合に行われる葺き足調整という作業によるものです。

先程も述べたように、スレート屋根は施工単価が安価なため、瓦屋根での施工で行われる墨打ち作業は行いません。

スレート屋根材を1枚ごとにある下と横の目印を合わせながら施工します。

しかし、釘打ちを行うと位置が少しずれることがあります。

屋根材の幅は910mmありますので、0.3%ずれても3mm程度のずれとなります。

そのズレを調整して施工することを「葺き足調整」と呼びます。

葺き足調整とは?

釘を4本打ち終えた後で、3㎜程度ズレに気付くことがよくあります。

上図は3mmのずれを分かりやすく赤線で記入してあります。

その3mmを調整するために、金槌でトントンして、3㎜ズレた位置を修正します。

比較的簡単にずらすことができるため、施工時に墨打ちをせず、このように微調整してきれいに施工することができます。

この葺き足調整は作業効率があがり、低コストになりますので、ほとんどの職人さんが行っています。

 

葺き足調整の問題点

しかし、葺き足調整には大きな問題点があります!

上の写真は葺き足調整後の断面写真です。

1)釘が調整前に比べ左側に傾いています。

2)釘頭が屋根材表面と並行ではなくなり、屋根材表面から少し浮いています。

 

2)はここでは、詳しく説明しませんが、多発して大問題となっているスレート踏み割れに直結します!

 

釘の傾きが雨水浸入の原因

1)は本題の雨水浸入につながります!

より見やすくするために、釘が動かないようにして、上のスレートを砕き、釘を露出させました。

この断面でわかりやすいのが、下スレートの端部はルーフィングにしっかり密着しています。

さらに下のスレートを取り去ると、

矢印の部分に釘と下葺き材との隙間が見えます。

葺き足調整する前は、このようになっていないのですが、釘が左側に傾いた分だけ、下葺き材の穴が拡がった状態になります。

つまり、下葺き材の止水性を評価する釘穴シール試験とは異なる環境が実施工では発生していることになります。

どんなに下葺材の止水性を高めても、拡がった孔を埋める機能はありません。

確認するために、簡単な止水試験を行いました。

スレート端部で水が溜まる5mmの高さの水圧がかかるように、この釘周りに水を溜めてみました。

するとすぐに水が下葺き材から漏れ、野地合板が濡れました。

 

 

スレート屋根の葺き足調整を行うことで、下葺き材の釘穴が拡がります。

そのため、高級な下葺き材でも、釘穴シール性は発揮されず、雨水浸入することが確認できました。

職人さんに話を聞くとスレートの葺き足調整は、実施工では3、4枚に1回は行うそうです。

冒頭の実態調査で確認された約25%の雨水浸入の1つの原因と考えても、合理的な頻度だと思います。

また、漏水痕が釘孔中心に楕円状に拡がることも再現できました。(屋根勾配があるのに、楕円状に拡がるのが不思議でした。)

 

まとめ:スレート屋根は省施工のメリットはあるが、漏水の原因とも言える!

スレート屋根では 隅打ちを行わないために、省施工となります。

しかし、同時に葺き足調整を行うため、雨水浸入と踏み割れの原因にもなります。

スレート屋根の場合、下葺き材を高価にして、釘穴シール性を高めても、施工方法の改善を行わないと野地合板への雨水浸入をなくすことはむずかしいと言えますね。

スレート屋根の雨漏り(雨水浸入)には、ご注意ください!

 

専門用語もあり、わかりにくい所もあったかと思います。

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Dr.神谷
神清のまとめ役。
学者肌で数々の「産学官」の連携研究事業を行い、業界内でも数少ない技術派です。その知恵で若いスタッフを指導しています。

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