屋根の結露・腐朽に影響を与える!わずかな天井断熱・防湿の欠損とは?

天井断熱・防湿は正しく施工してもらいましょう!

みなさま。こんにちは。

屋根から人の笑顔を作りたい!!!

神清(かみせい)のDr.神谷です。

屋根の結露・木部の腐朽を防ぐためには、屋根換気・通気が重要だとご紹介しました。

屋根換気・通気不足による結露トラブルとは? 屋根プロが絶対外せないポイントをまとめました!【換気棟】

内容がどうしても専門的になってしまうので、わからない所もあるかと思います。

内容を理解するよりも「屋根換気・通気をしっかりお願いします」と工務店さんに言うだけで、リスクを軽減できると思っていますのでご紹介しました。

同様に屋根の結露・腐朽のリスク軽減につながるものとして、「天井断熱・防湿をしっかりお願いします」と言ってもらうことがあります。

こちらもわかりにくいので、重要だという事をなんとなく知っていただければと思います。

 

天井断熱・防湿とは?

現在の新築住宅では、国の省エネルギー政策の流れを受けて、ほとんど高気密高断熱住宅となっています。

関東以西の温暖地域では、高気密高断熱の施工において、まだまだ不具合が発生する事例もありますので、ご自宅がそうならないように注意を払いましょう。

 

天井には断熱材を施工します。

その場合は、断熱材への湿気の流入を抑えるため、室内側に防湿シートを設けるのが基本となっています。

防湿シートとは、シートの厚みが厚いほど防湿効果が高くなります。

防湿性能は透湿抵抗で示され、値が大きいほど防湿性能が高くなります。

寒冷地で使用される別張り防湿シートは厚み0.2㎜で、透湿抵抗は約1000(㎡h㎜Hg/g)、温暖地域では袋入り断熱材に使用されている防湿シートは厚み0.02㎜で約80(㎡h㎜Hg/g)となっています。

防湿シートに穴や施工不良などの欠損がありますと、そこから室内の湿気が流入して結露が発生するリスクがあります。

 

以下に、実物件での天井断熱・防湿シートの欠損事例をご紹介いたします。

ダウンライト周辺部

上写真は天井上の断熱材を撮ったものですが、赤丸は天井に設置されたダウンライトの周辺部です。

袋入り断熱材・防湿シート・透湿シートを破いて、ダウンライトが施工されています。

このような施工では、ダウンライト周辺から湿気が天井上の小屋裏に浸入してしまうので、屋根結露の水分源となってしまいます。

電気配線による欠損

こちらの写真では、天井上の電気配線によって、袋入り断熱材がめくれ上がっています。

袋入り断熱材では、白色側が防湿シート、グレー色が透湿シートになっています。

天井上に断熱材を大工さんが施工した後で、電気屋さんが電気配線を行います。

電気屋さんは断熱材の知識・配慮がなく、このような欠損のままにしてしまったと考えられます。

断熱欠損の熱画像

天井の熱画像ですが、赤い部分が断熱材の施工不良による欠損となっています。

熱的欠損に加え、袋入り断熱材の場合、防湿欠損にもなっています。

 

天井断熱・防湿の欠損があるとどうなる?

下図は、天井断熱・防湿に欠損がある場合の小屋裏への湿気流入イメージを表したものです。

防湿シートの小さな穴から小屋裏に入った水蒸気は同心円状に拡散していくことを表現しています。

そこで、防湿シートの穴の影響を試算したシミュレーションがあります。

室内が18℃、90%、外気が0℃、80%のときに、透湿抵抗が1000の防湿シートに穴が開いたときの野地合板の相対湿度を示したものです。

欠損がないときは相対湿度74%ですが、穴が大きくなるにつれて高くなり、わずか直径18㎜で相対湿度100%となり、結露状態に達します。

 

下の表は、防湿シートに穴が開いたときの透湿抵抗の低下を示したものです。

透湿抵抗が1000(寒冷地仕様)に直径10㎜の穴が開いた場合、透湿抵抗は50となり、温暖地域の袋入り断熱材の防湿シートよりも低下します。

また、透湿抵抗80の防湿シートに長さ1mに渡って、幅1㎜の隙間がある状態の面積は直径36㎜の穴に相当します。

このとき、透湿抵抗は5となり、昔の断熱・防湿されていない住宅と同程度になります。

このとき、70㎡の天井から1日あたり約2.5リットルの水分が小屋裏へ浸入していることになります。

野地合板を結露・劣化させるのに、十分な水分量となっています。

 

天井断熱・防湿の欠損の注意点

①防湿シートに穴・施工不良などの欠損がありますと、そこから湿気が浸入して、結露発生リスクとなります。

②袋入り断熱材の防湿シートで、幅1㎜、長さ1mに渡る欠損がありますと、透湿抵抗は昔の住宅と同程度になり、大幅に湿気が小屋裏へ流入します。

③欠損が発生しないように、細心の注意を払うとともに、欠損が多少生じても結露しないよう屋根換気・通気を設置することが重要となります。

 

余談ですが、雨漏り調査・リフォームなどで小屋裏に入ることが多くあります。

断熱材・防湿の欠損をよく見かけますが、中には、もっと残念な物件を見ることもあります。

欠損というよりは、完全な手抜き工事です。

天井ボードの上に施工されているはずの断熱材が、天井上に梱包状態のまま、置いてありました。

屋根は無断熱状態で、とても冬寒く、夏暑い家だったことでしょう。

さらに、冷暖房の燃費も悪く、お施主さまにはホントに気の毒だったと思います!

こんな目に合わないような防御策として、「天井断熱・防湿はしっかりお願いします」ということが大事ですよ!

 

まとめ:天井断熱・防湿を正しく施工してもらいましょう!

ごくわずかな防湿シートの穴や施工不良などによる欠損でも、小屋裏の結露リスクを高めます。

そのため、欠損が発生しない細心の注意とともに、欠損が発生する前提での安全側の屋根換気・通気の対策も必要です。

さらに、ルーフィングを壁と同様に透湿系のものを選ぶと安心ですよ!

 

専門用語もあり、わかりにくい所もあったかと思います。

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Dr.神谷
神清のまとめ役。
学者肌で数々の「産学官」の連携研究事業を行い、業界内でも数少ない技術派です。その知恵で若いスタッフを指導しています。

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