パラペット付屋根(陸屋根)の劣化リスクって何? 

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パラペット付屋根(陸屋根)の劣化リスクって何?

こんにちは〜。

 

屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。

 

最近、パラペット付屋根(陸屋根・バルコニーも含む)の建物が増えています。

 

その陸屋根・バルコニーでの漏水・結露による事故事例は多いのですが、その対策が明確になっていません。

 

 

そこで、以前パラペット付屋根の解体実態調査現場がありましたので、ご紹介いたします。

 

金属縦葺きの屋根で勾配は0.5寸でした。

屋根の全周にパラペットが設置されていました。

 

 

解体した日は12月で、9時頃の様子です。

東・南面の軒先部はパラペットの影となり、日射が屋根材表面に当たっていないため霜の水分が残っています。

 

南面の軒先部は1年中、パラペットが日射を遮るためほとんど日陰となります。

金属屋根材を剥がしてみるとケラバの捨て水切りと防水紙は17kg

アスファルトフェルトが設置されていました。

赤色側が軒先部、青色側がケラバ部となっています。

 

 

ケラバ部をみますと捨て水切り板金・防水紙が有っても、雨水浸入の痕が野地合板、広小舞に見られます。

 

全面を剥がして確認しますと、南側のコーナー部分に木材の腐朽が見られました。

 

コーナー部分が劣化する事例は多く見かけます。

 

軒先からとケラバからの両方の雨水浸入の影響により劣化しています。

 

 

 

しかし、この現場では北側のコーナー部分は木材の腐朽までは至りませんでした。

 

屋根形状からほぼフラットのため、方位による雨水浸入度合の違いよりも日射があたるかどうかの違いにより、北側と南側の腐朽の違いができたと考えられます。

 

つまり、パラペット付屋根の南側はずっと日陰のため、木材が乾燥しにくいと言えます。

 

それ以外の部分は日射があたると野地合板は温度が上昇して乾燥します。

 

一方、日陰の南側軒先部分は日陰で温度が低いために、湿気が流入して高湿化します。

 

同じ屋根面での湿気の移動より、このように部分的な木材の腐朽が発生します。

 

これが軒先部・ケラバ部で発生しますとパラペット付屋根でよく使用される金属屋根材は強風による飛散のおそれがあります。

 

金属屋根材は軒先・ケラバの唐草板金により耐風性能を維持しているためです。

 

この現象は、陸屋根・バルコニーでも同様に発生しますので、日陰部が高湿とならないような対策が必要です。

 

つまり、雨水浸入防止および全面的な通気・換気・透湿による排湿を行うことが必要です。

金属屋根材は屋根材同士の隙間がないため、湿気の排湿がむずかしいため、特に対策が必須ですのでご注意ください。  \(^o^)/

 

 

 

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