愛知県陶器瓦工業組合の技術委員会で、役物瓦の耐風試験を行いました。
役物瓦とは、屋根の上下左右の端に使用されている飾り瓦のことです。
瓦を安心して選択していただけるように、細かい役物瓦も試験を行い、いつでも成績書を提出できるように準備を進めています。
このように、役物瓦を架台に設置して実験を行います。
瓦用耐風試験機の全景です。(三河窯業試験場)
屋根架台を実際の施工部材を使いながら、下側に設置します。
上からワイヤーで試験体を引っ張り、一定の荷重で150回繰り返し引っ張る試験やどの荷重で破壊するかを計測することができます。
この瓦は万十(まんじゅう)といい、軒先(屋根の先端)に使用される瓦です。3か所でねじや釘を使用して野地に緊結しています。(赤丸)
試験は瓦の4か所を均等にワイヤーで真上に引っ張ります。
瓦の浮き(変位)を調べるセンサーが黄丸についています。
万十瓦は3か所留めしているために、試験機の最大荷重まで引っ張っても破壊しませんでした。
この瓦は袖(そで)といい、けらば(屋根の左右端)に使用される瓦です。
この瓦も3か所留めしているため、破壊しませんでした。
留め付けは、ねじ、釘、銅線などで一般的に行われます。
これは隅棟の軒先部を水平に切り出した架台です。試験機は真上に引っ張るために、試験架台は屋根を水平にした架台で行います。
この瓦は、万十切隅(まんじゅうきりすみ)といいます。3つのパーツを組み合わせて、施工しています。戦艦ヤマトの波動砲に似ている部分が隅巴(すみともえ)といい、この上に鬼瓦が施工されています。隅棟の軒先に使用する瓦です。
今回、強度試験は初体験となります。結果は、破壊しませんでした。
この瓦は、万十トンビ(まんじゅうとんび)といいます。万十切隅と同じ部分で使用します。こちらは3つのパーツが1つになった形になっています。
これも今回試験は初体験で、最大荷重まで破壊しないことがわかりました。
比較的他の屋根材と異なり、瓦は役物瓦を3か所留めすることが徹底されていますので、耐風被害は少ないといえます。
しかし、このように経験的に問題ないというだけでは、瓦の安心・安全を伝えることがむずかしいため、試験データを蓄積することが必要だと思います。
今回のデータを木造3階建て以上の構造計算が必要な建物にも瓦は安心・安全に使っていただけることを示していますので、多くの方にお伝えするように情報発信を今後も続けていきます。 (#⌒∇⌒#)ゞ
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