目次
- 【動画付き】雨樋が詰まったらどうする?自分で掃除していいの?
- そもそも「雨樋」とは?その役割を知ろう
- 雨樋がないと、家はどうなるの?
- 雨樋掃除の方法を考える前に確認!詰まりを放置すると起こる家への悪影響
- 雨樋掃除の方法を考える前に|詰まりが起こる主な原因を把握しよう
- 雨樋掃除に必要な道具と使用方法
- 雨樋掃除の方法は?清掃の正しい手順
- 雨樋掃除は危険を伴う作業|2階以上の掃除方法は業者に相談を
- 雨樋掃除の方法を考える前に知っておきたい費用相場と点検頻度
- 雨樋掃除の頻度を減らす方法|詰まりを防ぐ便利グッズ
- 住宅全体の保護にもつながる!雨樋の寿命を延ばす方法は?
- まとめ:高所の雨樋掃除はプロに依頼を。詰まりの予防には「落ち葉よけシート」が効果的
【動画付き】雨樋が詰まったらどうする?自分で掃除していいの?

雨樋の詰まりにどう対処する方がいいのか?について紹介します。
雨樋の詰まりは建物の損傷や雨漏りの原因となるため、専門業者による清掃が推奨されています。
忙しい方は動画を視聴すると、以下について知見を深めることができます。
- 雨樋詰まりを放置する危険性
- 雨樋掃除を業者に依頼するときの費用相場
- 詰まりを防止する通販グッズ
雨樋詰まりの放置が危険な理由について「雨樋詰まりの放置が実は…危険な理由。」の動画でも詳しく解説しています。
そもそも「雨樋」とは?その役割を知ろう
「とい・雨樋」とは、屋根面を流れる雨水を集めて地上や下水へ計画的に導くための設備です。

主な構成としては、「軒樋(のきどい)」と「縦樋(たてどい)」の2種類があります。
- 軒樋:屋根の軒下に設置され、屋根からの雨水を集めて流す役割
- 縦樋:軒樋に集まった雨水を地面まで流す役割
家を建てるときに、雨樋についての話しがほとんどないので、雨樋の重要性を認識されていない方は多いと思います。
雨樋がないと、家はどうなるの?

雨樋がない場合、家へのリスクについて紹介します。
雨樋がないと、屋根を流れてきた雨水が外壁を流れたり、基礎に当たったりするようになります。
屋根面を流れる雨水の量は、垂直な外壁面に当たって流れる量に比べてかなり多いです。
外壁・基礎に流れる雨水の量が増えると、雨漏りしたり、床下が湿気たりと不具合が発生して、家にダメージを与えるリスクとなります。
以前、お客様よりこんな質問を受けたことがあります。
・雨を集める役割だけなら、そんなに重要なの?雨樋って無くてもいいのでは?
・雨が降ればどこでも全面濡れるから、結局しずくが屋根から垂れるし、雨樋って必要ないんじゃない?
・住宅のデザインとしては、雨樋がない方がきれいでは?
と雨樋をはじめとする「とい」に対して、ネガティブなイメージをお持ちの方がいらっしゃいます。
しかし、実際には重要な役割を担っているので、これから解説していきます。
雨樋掃除の方法を考える前に確認!詰まりを放置すると起こる家への悪影響
雨樋の詰まりを放置すると起こり得る家への悪影響について解説します。
- 雨水がオーバーフローし敷地に流れ込み、プールのように水がたまる
- 家屋の基礎内に雨水が浸入し高温化するとシロアリが発生する恐れがある
- 雨水大量に壁にかかり、壁からの雨漏りにつながる恐れがある
- 屋根からの雨漏りにもつながる
それぞれの悪影響について事例を交えて紹介します。
敷地がプールのような状態になる
まずは衝撃映像をご覧ください!
雨樋が詰まって、雨水がオーバーフローした様子を収めた動画です!
このまま溢れ出た水を放置しておくと…
敷地が5㎝以上水が溜まり、プール状態に….
エアコンの室外機や、ガス給湯器の配管から家屋の基礎内へ浸水するという大惨事に発展しそうな状態でした!
雨樋がある住宅設計では、雨水の排水は雨水枡へと設計されています。
要するに、雨樋が詰まってしまうと、屋根からの雨水が雨水桝に入らずに敷地に流れ込みます!
敷地がそのような大量の雨水を排水する仕組みになっていないと、このようなプール状態になってしまうわけです。
家屋の湿度が上がり「シロアリ被害」にも繋がる
この動画の現場では、家屋の基礎内には浸入していなかったので、大事には至らなかったのですが…
もし、家屋の基礎内に雨水が流入したら
2次被害として「基礎内の高湿化」がすすみ、
さらに、それが引き金となって、「シロアリ被害」も考えられます!
溢れた雨水は樋の外側を伝わって流れ始め、縦樋を柱に留めている樋受け金物から柱部へ浸水する。
含水が増した柱は壁内の通気が悪いと乾かない状態が長く続いてシロアリや腐朽菌による生物劣化が発生するリスクが高まる。
柱に防腐剤を塗布する手法は一時的な効果に留まるので、雨樋に溜まった枯葉を日常的に清掃する等の浸水の原因を取り除く根本的な解決が求められる。
シロアリ被害については以下の記事で解説しています。
雨漏りによりルートができる!小屋裏でもシロアリを発見しました!
「壁の雨漏り」にもつながる
また、雨樋から溢れ出た雨水が壁に大量にかかると、
壁から雨漏りするといった事態にも発展します。
実は雨漏りは「屋根」からだけではなく「壁」からも起きるんです。
壁から雨水を守るためにも、「雨樋」は重要な役割を果たしてくれているんですね。
外壁からの雨漏りに関して、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
なかなか直らない外壁からの雨漏り修理 併せて、外壁塗装でリフレッシュ【愛知県半田市】
「屋根の雨漏り」にもつながる。
雨樋を破損したままに放置しておくと屋根からの雨漏りも発生します。
2階屋根の雨樋からの排水経路である縦樋を1階屋根上で破損したまま放置したため、1階屋根から浸入して、1階和室天井から雨漏りすることもあります。
雨樋の破損を放置して家に被害があった事例について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
雨樋の破損が原因の屋根からの雨漏り 瓦屋根を部分修理【愛知県長久手市】
雨樋掃除の方法を考える前に|詰まりが起こる主な原因を把握しよう
雨樋の詰まりが起こる主な原因について解説します。
- 落ち葉の詰まり
- 土・泥による詰まり
- 鳥などの巣による詰まり
落ち葉の詰まり
家屋の近くに大きな公園や寺社がある場合となります。
自然が豊かな地域にお住まいの場合に多いのがこのパターンです。
落ち葉による詰まりはこんな感じです。

雨樋の中に落ち葉がドッサリと詰まってます。
屋根より高い樹木がある場合、落ち葉によるとい詰まりが発生しやすく、毎年の掃除が必要となります。
土、泥による詰まり
塵も積もれば山となるとはよく言ったもので、大きな木が近くになくても長年点検をしていない雨樋に多いのがこのパターンです。
10年程度点検・掃除をしていないと縦といへの孔(落とし口)に土の詰まりが発生します。
土が繊維と混じってガッチガチに固まっており、これでは縦といへ排水できません。

この詰まりを掃除をするとこんな感じになります。

縦といへの落とし口の孔が出てきます。
鳥などの巣による詰まり

近くに木がない場合でも、詰まる場合があります。
鳥などが巣づくりするために集めた繊維状のものが屋根に落ちて、長年で詰まってしまうのです。
つまり、落ち葉以外でも土や繊維が絡まって詰まることがあるのです。
雨樋掃除に必要な道具と使用方法

雨樋掃除に必要な道具について解説します。
- ホウキ:軒樋にたまった落ち葉や泥を集めるために使う
- ハンドスコップ:細かいゴミや泥をすくい取るのに便利
- トング:縦樋の落とし口に詰まった落ち葉や泥をつかみ出すために使う
- ちりとり:集めたゴミをまとめて回収する際に使用
- 防水手袋:手を汚さず安全に作業するため便利
- ゴミ袋(土のう袋):集めた落ち葉や泥を入れて捨てるのに使う
- パイプクリーナー(ワイヤー式):縦樋の奥の詰まりを解消するための道具
- 長いホース:水を流して詰まり具合の確認や洗い流すために使用
絶対に必要なのは、防水手袋です。
縦樋の落とし口は軒樋をカットして孔をあけているので、指や手を切りやすくなっています。
手袋なしでの掃除はケガをするのでNGです。
ゴミ袋は土のう袋がオススメとなります。
土が水分を含んでいる場合があり、土のう袋であれば排水でき、排水分だけ屋根から降ろす袋の重さを軽くすることができます。
落とし口の奥が詰まっているとトングを突っ込んでも詰まりを解消できないです。
この場合は、曲がりくねった奥まで強度のあるパイプクリーナー(ワイヤー式)を入れこんで、詰まり部を貫通させることが有効です。
雨樋掃除の方法は?清掃の正しい手順

雨樋掃除の正しい手順について紹介します。
- ホウキで落ち葉や泥を集める:軒樋にたまったゴミをホウキで手前に集めます
- 手袋をして大きなゴミを取り除く:詰まりの原因になる落ち葉や泥のかたまりを手でつかんで土のう袋に入れこみます
- 細かいゴミをスコップやちりとりで掻き出す:砂ぼこりや小枝などはスコップやちりとりで取り除きます
- 落とし口の詰まりを確認する:落とし口の奥の部分はパイプクリーナー(ワイヤー式)を送り込んで詰まりを解消します
- 水を流して最終チェック:ホースで水を流し、スムーズに排水できるか確認します。
ホースで水を流した時に以下の症状がある場合は、軒樋に不具合が発生しています。
- 軒樋の一部で水が溜まる
- 軒樋のつなぎ目が水漏れする
- 雨樋の一部で割れから水漏れする
これらの不具合は専門業者による修理が必要となります。
雨樋の掃除方法について「金属屋根の内どいは屋根の上から掃除が可能です。」の動画でも紹介しています。
雨樋掃除は危険を伴う作業|2階以上の掃除方法は業者に相談を
2階以上の雨樋掃除は大変危険な作業となります。
雨樋の掃除は高所での作業となるため、1階の屋根上の作業でも基本的には危険と隣り合わせであるということは、認識しておいた方がよいでしょう。
特に、2階以上の建物では、屋根の専門家に相談することをオススメします。
過去の台風時には屋根や雨どいの修理中に高所から落下し、事故に至った事例も存在しています。
2019年の千葉台風の時に落ちた転落事故のニュースがあります。
雨樋掃除ではなかったのですが、
屋根上作業の経験が浅い一般の方が、屋根の上に登ってブルーシートをかける時に「落下する事故」がいくつもおきました。
台風15号で被災した千葉県で、家屋修理の際に屋根などから転落した事故が相次ぎ、少なくとも3人が死亡、101人が重軽傷を負ったことが19日までに消防への取材で分かった。県は屋根の修理は専門業者に依頼するよう呼び掛けている。同県内では19日正午時点で約2万9千戸の停電が続いている。
消防によると、千葉県君津市で10日、自宅屋根を修理中の男性(61)が転落して死亡。いすみ市では17日、自宅の屋根瓦を修復していた男性(94)が転落し、搬送先の病院で死亡が確認された。
このほか、市原市では11日、1階の屋根の上で男性が死亡しているのが見つかった。消防は修理をしていた2階屋根から落下したとみている。雨どいの修理や、高所作業中にはしごから転落し、負傷する人もいた。
雨樋掃除の安全確保について「雨樋掃除をDIYする前に「作業の安全確保」ができるか、きちんと確認しよう。」の記事で詳しく解説しています。
雨樋掃除の方法を考える前に知っておきたい費用相場と点検頻度

2階以上の雨樋掃除の費用相場について紹介します。
雨樋掃除の費用相場は25,000~30,000円程度です。(屋根の規模や高さによって異なる)
また、3階以上や急勾配屋根などで、足場や高所作業車が必要な場合は追加となります。
雨樋の点検頻度は屋根近くの落ち葉の量によってもことなります。(全く、屋根に落ち葉が載らない地域では、点検間隔を少し長くすることが可能となります。)
基本的な雨樋の点検頻度としては、年1回の点検となります。
雨樋掃除の頻度を減らす方法|詰まりを防ぐ便利グッズ
雨樋詰まりを防ぐ便利グッズについて紹介します。
- 落ち葉よけネット
- 落ち葉よけシート
落ち葉よけネット
古くから販売されている「落ち葉よけネット」があります。
雨樋の中にネットを入れて、中に大きな落ち葉が入り込むのを防ぐというものになります!

ネットの網目で落ち葉を引っ掛けて、雨はといの中に入れるというシンプルな構造です。
●落ち葉よけネットのメリット
古くからある落ち葉よけネットには、いくつかの商品があります。
メリットとしては、種類が多く、比較的安価です。
●落ち葉よけネットのデメリット
デメリットとしては、広葉樹などの大きな葉っぱはシャットアウトできるのですが、土や泥、細かい葉や枝などは入ってしまいます。
写真はネットを設置して3年目の雨樋です。

放置しておくと、落ち葉よけネットの中に堆積している腐葉土から草が生えることもあり、結局、掃除が必要です。

落ち葉よけシート
落ち葉よけネットのデメリットを改良した商品として落ち葉よけシートがあります。
ネットのようにあながないので、土や針葉樹、細い枝などの侵入を防ぐものです。
シートには凹凸があり、雨水は表面張力でシートの凹の部分を流れて、シートの端部へ伝わり軒樋の中へ入り込みます。(※シート両端部は樋の中へ向けて設置)

落ち葉は凸に引っかかるので、といの中には入りません!
こちらも単純な構造ですが、落ち葉よけネットよりも「細かいゴミ」による詰まりを防ぐことができます。!
●落ち葉よけシートのメリット
ネットと異なり、雨水だけを軒樋へ入れ、細い葉・枝や土ぼこりもブロックします。
屋根に載っている落ち葉は経年観察でも一定以上は増えないことから、自然の風による飛散効果があり、屋根面の掃除も省略できます。(※屋根形状・落ち葉の量で異なる可能性あり)

実際の水の流れはこんな感じです!

●落ち葉よけシートのデメリット
落ち葉よけネットに比べて、シートが特殊なため、割高となります。
落ち葉よけシートの設置方法について「落ち葉よけシートをDIYで試しに設置してみました!(雨樋用)」の記事で詳しく解説しています。
☆雨どいの詰まり防止グッズ「落ち葉よけシート(税込3,000円/販売価格2,500円)」は「カミセイショップ PRO」で購入できます。
テラス・カーポート用の小さい雨樋に設置したい場合は、「カーポート・テラス用落ち葉よけシートをDIYで設置してみた!」の記事で詳しく解説しています。
住宅全体の保護にもつながる!雨樋の寿命を延ばす方法は?

住宅全体の保護にもつながる雨樋の寿命を延ばす方法について解説します。
雨樋の寿命は、雨樋の詰まりを防ぐことで延ばすことができます。
逆に、雨樋が詰まると雨水が軒樋に滞留したままとなるので、雨樋の樋吊り金具が変形したり、雨樋のつなぎ目に水圧がかかって水漏れしたりするので、寿命を縮めてしまいます。
雨樋の寿命を延ばす方法は以下となります。
- 定期的な点検と修理をおこたらない
- 落ち葉よけシートを設置する
雨樋の点検を毎年行うことで、雨樋の詰まりを防ぐことができます。
また、雨樋の寿命を延ばし、結果として住宅全体を保護することにもつながります。
まとめ:高所の雨樋掃除はプロに依頼を。詰まりの予防には「落ち葉よけシート」が効果的
一見、カンタンそうな「雨樋掃除」ですが、二階以上の作業はおすすめしません。
「一般人の方が屋根の修理作業中に転落した。」
という事故をニュースで聞くと、屋根業者として本当に胸が締め付けられる思いになります。
なので、雨樋や屋根のトラブルもふくめ、高所の作業は、ひとまずプロに相談するのを強くおすすめします。
また、
雨樋詰まりのメンテナンス費用や時間を浮かすには「予防グッズ」を設置するのも良いでしょう。
神清の一番のおすすめは「落ち葉よけシート」です。
こちらの設置にご興味がある方は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。
神清からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
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私たちは、日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。今後のご参考にさせて頂きますのでご協力よろしくお願いいたします。
雨樋詰まり防止には「落ち葉よけシート」

















