目次
忙しい方用に動画でも解説しています👇
そもそも雨樋の「とい(樋)」ってなに?
「とい」とは、簡単にいうと屋根面を流れる雨水を集め地上あるいは下水に導くための装置、設備です!
パーツとしては大きく2種類あり、「軒とい」と「縦とい」です。
軒といは軒下に敷設して屋根からの水を集めて流す役割。
縦といは軒といによって集められた水を地面に下ろす役割。
をしています。
以前、お客様よりこんな質問を受けたことがあります。
・雨を集める役割だけなら、そんなに重要なの?雨樋って無くてもいいのでは?
・雨が降ればどこでも全面濡れるから、結局しずくが屋根から垂れるし、雨樋って必要ないんじゃない?
・住宅のデザインとしては、雨樋がない方がきれいでは?
と、言うように、
雨樋をはじめとする「とい」に対するみなさんの関心は、おおむね低いわけです。
ただ…
雨樋が詰まった時の現場を見てもらえればその大事さはお分かりいただけると思います。
雨樋が詰まりを放っておくと、家が大変なことに…。
被害例その1)敷地がプールのような状態になる。
まずは衝撃映像をご覧ください!
雨樋が詰まって、雨水がオーバーフローした様子を収めた動画です!
このまま溢れ出た水を放置しておくと…
敷地が5㎝以上水が溜まり、プール状態に….
エアコンの室外機や、ガス給湯器の配管から家屋の基礎内へ浸水するという大惨事に発展しそうな状態でした!
雨樋がある住宅設計では、雨水の排水は雨水枡へと設計されています。
要するに、雨樋が詰まってしまうと、屋根からの雨水が雨水桝に入らずに敷地に流れ込みます!
敷地がそのような大量の雨水を排水する仕組みになっていないと、このようなプール状態になってしまうわけです。
被害例その2)家屋の湿度が上がり「シロアリ被害」にも繋がる。
この動画の現場では、家屋の基礎内には浸入していなかったので、大事には至らなかったのですが…
もし、家屋の基礎内に雨水が流入したら
2次被害として「基礎内の高湿化」がすすみ、
さらに、それが引き金となって、「シロアリ被害」も考えられます!
溢れた雨水は樋の外側を伝わって流れ始め、縦樋を柱に留めている樋受け金物から柱部へ浸水する。
含水が増した柱は壁内の通気が悪いと乾かない状態が長く続いてシロアリや腐朽菌による生物劣化が発生するリスクが高まる。
柱に防腐剤を塗布する手法は一時的な効果に留まるので、雨樋に溜まった枯葉を日常的に清掃する等の浸水の原因を取り除く根本的な解決が求められる。
シロアリ被害については以下の記事で解説しています。
雨漏りによりルートができる!小屋裏でもシロアリを発見しました!
被害例その3)「壁の雨漏り」にもつながる。
また、雨樋から溢れ出た雨水が壁に大量にかかると、
壁から雨漏りするといった事態にも発展します。
実は雨漏りは「屋根」からだけではなく「壁」からも起きるんです。
壁から雨水を守るためにも、「雨樋」は重要な役割を果たしてくれているんですね。
外壁からの雨漏りに関して、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
なかなか直らない外壁からの雨漏り修理 併せて、外壁塗装でリフレッシュ【愛知県半田市】
被害例その4)「屋根の雨漏り」にもつながる。
雨樋を破損したままに放置しておくと屋根からの雨漏りも発生します。
2階屋根の雨樋からの排水経路である縦樋を1階屋根上で破損したまま放置したため、1階屋根から浸入して、1階和室天井から雨漏りすることもあります。
雨樋の破損を放置して家に被害があった事例について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
雨樋の破損が原因の屋根からの雨漏り 瓦屋根を部分修理【愛知県長久手市】
「雨樋の詰まり」はなぜ起きる?
原因その1)落ち葉等での雨樋詰まり
家屋の近くに大きな公園や寺社がある場合。
自然が豊かな地域にお住まいの場合に多いのがこのパターン。
落ち葉によるといの詰まりはこんな感じです!
雨樋の中に落ち葉がドッサリと詰まってます。
特に屋根より高い樹木がある場合は落ち葉によるとい詰まりが発生しやすいでしょう。
原因その2)土、泥での雨樋詰まり
塵も積もれば山となるとはよく言ったもので、長年点検をしていない雨樋に多いのがこのパターン。
10年以上点検、掃除をしないと写真のような問いに土の詰まり詰まりが発生します。
土がガッチガチに固まっていますね。
掃除をするとこんな感じ。
穴がきちんとあったんですね。
この事例についての詳細はこちらの記事でご紹介しています。
~台風シーズン前に注意することはなに?Q083~ 図解 屋根に関するQ&A
原因その3)野鳥などの巣づくりの名残が詰まる。
近くに大きな木などないのに、急に雨樋から水が溢れる場合もあります。
その場合は、野鳥が関係しているかも。
鳥などが雨樋付近に巣を作り始めた結果、
運ばれてきた葉っぱや泥などが雨樋に詰まってしまうという事例は結構あります。
上記事例について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
雨樋掃除をDIYする前に「作業の安全確保」ができるか、きちんと確認しよう。
雨樋掃除の道具と手順
それでは、雨樋詰まりを解消する方法を解説していきます。
雨樋掃除に必要な道具
弊社の方で使っている道具は以下になります。
・ホウキ
・ハンドスコップ
・ちりとり
・水に強い手袋
・集めたゴミを入れる袋
・パイプクリーナー
・雨樋に水を流すための長いホース
雨樋掃除の作業手順
雨樋掃除の手順は以下になります。
雨樋掃除のポイントはズバリ!縦といへの落とし口部分です!
1)ホウキを使用して、落ち葉や土などを集める。
2)手袋をはめて、つまりの原因となるものを手でとり出す。
3)砂ぼこりなど、細かいものはスコップやちりとりを使って掻き出す。
4)雨樋の落とし口の詰まりなど、見えない部分は手で堀り出す。
水を流して確認し、雨樋の奥にゴミが詰まっている場合はパイプクリーナーなどで掃除。
5)雨樋の中に「割れ」など無いかをチェックし、水を流して確認し終了。
作業中の動画も参照ください
↓
「雨樋掃除」は高所作業で危険!二階以上は屋根屋に相談してほしい。
まず、みなさんに知っておいて欲しい大事なこと。
それは、雨樋掃除は、危険な高所作業であるということ。
屋根上の作業というのは基本危険と隣り合わせであるということは、認識しておいた方がよいでしょう。
「屋根からの転落事故」は大怪我につながります。
事実として、
2019年の千葉台風の時に落ちた転落事故のニュースがあります。
雨樋掃除ではなかったのですが、
屋根上作業の経験が浅い一般の方が、屋根の上に登ってブルーシートをかける時に「落下する事故」がいくつもおきました。
台風15号で被災した千葉県で、家屋修理の際に屋根などから転落した事故が相次ぎ、少なくとも3人が死亡、101人が重軽傷を負ったことが19日までに消防への取材で分かった。県は屋根の修理は専門業者に依頼するよう呼び掛けている。同県内では19日正午時点で約2万9千戸の停電が続いている。
消防によると、千葉県君津市で10日、自宅屋根を修理中の男性(61)が転落して死亡。いすみ市では17日、自宅の屋根瓦を修復していた男性(94)が転落し、搬送先の病院で死亡が確認された。
このほか、市原市では11日、1階の屋根の上で男性が死亡しているのが見つかった。消防は修理をしていた2階屋根から落下したとみている。雨どいの修理や、高所作業中にはしごから転落し、負傷する人もいた。
この例からみてもわかるように、
神清としては、屋根上の作業は一般の方にはおすすめはできません。
雨樋掃除の相場感は25000円〜。清掃は年に1回ペースでOK。
雨樋が詰まっているかどうかを調べるには、年に1回点検することが基本です。
先ほどお伝えした通り、
安全第一を考えると二階以上の雨樋掃除を一般の方が行うのはおすすめできません。
二階以上の樋詰まりの掃除は、一旦、屋根業者にご相談ください。
もちろん弊社にご相談いただいても大丈夫です。
雨樋掃除の相場感は
一回の掃除につき「25,000円~」
といったところですので参考にしていただければと思います。
雨樋詰まりを防ぐための「対策グッズ」
上記で紹介したように「年一回の清掃」が必要な雨樋ですが、
できれば、この出費も抑えたいという方もいらっしゃると思います。
そのような方は「雨樋の詰まり防止グッズ」を検討してみるのもいいかもしれません。
対策グッズその1)設置数NO.1「落ち葉よけネット」
まずは、現状一番設置されているのを見かける「落ち葉よけネット」があります!
雨樋の中にネットを丸めて、中に落ち葉が入り込むのを防ぐというものになります!
ネットの網目で落ち葉を引っ掛けて、雨はといの中に入れるというシンプルな構造です。
「落ち葉よけのネット」のデメリット。「細かいゴミ」は通してしまう。
広葉樹などの大きな葉っぱはシャットアウトできるのですが、
泥や土、細い葉っぱは雨樋の中に入ってしまいます。
実は、ネットの中を見るとこんな感じ。
写真はネットを設置して3年目の雨樋です。
枝や針葉樹の葉、土ほこりなど大量に堆積していました。
もちろん、ネットがないよりは掃除の回数を減らすことはできますが、数年に1度は掃除が必要になります。
対策グッズその2)ネットの欠点をカバーした「落ち葉よけシート」
弊社のおすすめはこちら!「落ち葉よけシート」。
こちらも雨樋の中に入れて使う対策グッズですね。
ネットと同じ樹脂製品で、シートに凹凸があります。
アップで見るとこんな感じ。
雨は凹を流れて、といの中に入ります!
落ち葉は凸に引っかかるので、といの中には入りません!
こちらも単純な構造ですが、落ち葉よけネットよりも「細かいゴミ」による詰まりを防ぐことができます。!
「落ち葉よけシート」は「土やホコリ」などの細かいゴミの進入も防げる。
ネットと違い、雨水だけ雨樋の中に通す仕組みですので、細い葉もや土ホコリもブロックします。
実際の水の流れはこんな感じです!
雨樋詰まり対策グッズの高所の設置は、業者に依頼する。
落ち葉よけグッズをDIYで設置できるのは、1階の屋根だけとお考えください。
脚立を使っての高所作業では、雨樋全体に設置するのは大変危険を伴います。
ただ、落ち葉よけシートを、
比較的低所の「カーポート」や「テラス」の雨樋に設置したい。という声も過去ありましたので、以下の記事に設置方法をまとめておきました。
ご参考いただければと思います。
落ち葉よけシートをDIYで試しに設置してみました!(雨樋用)
カーポート・テラス用落ち葉よけシートをDIYで設置してみた!
まとめ:高所の雨樋掃除は業者に相談。詰まりの予防には「落ち葉よけシート」が良し。
一見、カンタンそうな「雨樋掃除」ですが、二階以上の作業はおすすめしません。
「一般人の方が屋根の修理作業中に転落した。」
という事故をニュースで聞くと、屋根業者として本当に胸が締め付けられる思いになります。
なので、雨樋や屋根のトラブルもふくめ、高所の作業は、ひとまずプロに相談するのを強くおすすめします。
また、
雨樋詰まりのメンテナンス費用や時間を浮かすには「予防グッズ」を設置するのも良いでしょう。
神清の一番のおすすめは「落ち葉よけシート」です。
こちらの設置にご興味がある方は、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。
また、
DIY用に、こちらからもご購入いただけます。
神清からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
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私たちは、日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。今後のご参考にさせて頂きますのでご協力よろしくお願いいたします。