屋根材の特徴や価格が丸わかり!あなたの最適を選ぶポイント6つ紹介

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、創業150年老舗で、リフォーム工事・屋根工事を行っています。
    建築業界誌「日経ホームビルダー」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

屋根材の特徴や価格が知りたい
瓦は屋根材として良いのか知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「屋根材の特徴や価格が知りたい」「瓦は屋根材として良いのか知りたい」という方に向けて書かれています。

屋根材にはそれぞれ特徴があり、何を重要視するのかで選ぶべき屋根材が変わります。あなたのライフスタイルにあった屋根材を選ぶためのポイント6つも紹介しています。

この記事を通して、あなたにあった屋根材を見つけてみてください。昔から人気のある瓦屋根についても詳しく解説しているので、ぜひ最後までお読みください。

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屋根材を選ぶときのポイント6つ

ここでは、屋根材を選ぶときの6つのポイントを紹介します。

どのポイントを重視するかは、あなた次第です。

あなたのライフスタイルや好みにあった屋根材を選ぶ参考にしてください。

  1. 価格
  2. メンテナンス費用
  3. デザイン
  4. 耐用年数
  5. 生活への影響 →防音性や断熱性
  6. 災害耐性

ここで、それぞれの項目について、解説します!

①価格

屋根材によって、もっとも安価なもの(6,000円/㎡)~高価なもの(12,000円/㎡)とおよそ2倍になります。

一般的住宅の屋根面積・100㎡で比較とすると、60万円~120万円となります。

初期費用の価格を重視するなら、スレート屋根・アスファルトシングル屋根がおススメです。

②メンテナンス費用

意外と見落としがちで、後で発生して、後悔するのがメンテナンス費用です。

初期費用の差よりも大きな差となるので、ぜひ、気にしてほしいポイントです。

住宅ローンの35年間のメンテナンス費用合計で比較してみますと、0円~200万円(100㎡)となります。

メンテナンス費用を重視するなら、瓦屋根がおススメです。

③デザイン

デザインは、各屋根材とも、色種や形状などがたくさん用意されています。

屋根の形状によって、適した屋根材を選ぶことが重要となります。

デザインの自由度の高さで選ぶなら、金属屋根(ガルバリウム鋼板)がおススメです。

④耐用年数

耐用年数は、表面塗装の耐用年数と屋根材自体の耐用年数を気にしてください。

塗装の耐用年数としては10年程度で、その都度、塗り替えが必要です。

屋根材自体の耐用年数として、瓦以外の屋根材は30年程度となります。

耐用年数を重視するなら、瓦屋根がおススメです。

⑤生活への影響

生活への影響は、夏の暑さと雨音があります。

これらは、住んでみて、はじめて体験できるものですが、意外と気になるものです。

夏の暑さ・雨音を低減する面を重視するなら、瓦屋根・石付金属屋根・樹脂繊維セメントがおススメです。

⑥災害耐性

年々、大きな自然災害が発生しているので、災害への耐性も屋根材には求められています。

これは、屋根材とともに施工の品質も影響しています。

また、屋根材を留め付けている野地板(屋根の下地)を劣化させないことも重要です。

災害耐性を重視するなら、樹脂繊維セメント屋根材がおススメです。

 

屋根材の種類7つ

ここでは、屋根材の種類を紹介します。

屋根材には種類があり、それぞれ特徴がありますので、自分にあった屋根材を探すことが重要です。

この記事では以下の7つを紹介します。

  1. 瓦(粘土製)
  2. セメント製(モニエル)
  3. スレート(セメント製)
  4. アスファルトシングル(防水紙)
  5. ガルバリウム鋼板
  6. 石付金属屋根
  7. 樹脂繊維セメント屋根材(樹脂セメント製)

上記のような屋根材には、それぞれメリットデメリットがあります。

自分にあったものを選ぶためにも、どの屋根材にどんな特徴があるのかを知っておきましょう。

ちなみに、日本屋根経済新聞社の住宅用屋根材使用比率の統計では、瓦屋根:スレート屋根:金属屋根=1:1:1となっています。

平成30年間ずっと住宅用屋根材第1位は粘土瓦です!

次章以降で、それぞれを詳しく解説します。

屋根材の種類①瓦

ここでは、瓦について紹介していきます。

瓦は日本古来から使われている屋根材で、重厚感あるデザインが人気です。

耐久性があるため、長く使いたい人やメンテナンス費用をおさえたい人にお勧めです。

瓦のメリット

瓦のメリットは以下の4つです。

・メンテナンス費用が安い

・重厚感あるデザイン

・色落ちしない

・防音性が高い

瓦のデメリット

瓦のデメリットは以下の4つです。

メリットだけではなくデメリットも把握しておくことで、後悔のない屋根材選びにしてくださいね。

・初期費用が高い

・寒冷地に向いていない

・重いため、建物をそれに合わせて少し強いものにする

・古い日本瓦屋根は風で飛散する

瓦のメンテナンス

瓦のメンテナンスポイントは以下の2つです。

・メンテナンスの必要性はかなり少ない

(ただし、古い日本瓦屋根の棟部は補強する必要があります。)

瓦の劣化はあまり気にする必要がないので、基本的にメンテナンスは不要です。

10年に1回程度の割合で、業者点検をすればOKだと思います。

・瓦の破損、雨漏りが発生しても部分補修が可能

部分補修が可能なので、補修費用を抑えることができます。

瓦のメンテナンス方法・頻度・参考価格

○割れ補修:割れ発生時。30,000円〜

○棟の積み直し:20〜30年に1度。35,000円/m

○葺き直し:50〜60年に1度。12,000円/㎡

(葺き直しは、古い瓦をそのまま使用する。)

○葺き替え:50〜60年に1度。15,000円/㎡

(葺き替えは、新しい瓦への取り替え。)

*足場設置費用(20~30万円)は含んでいない。

瓦は初期費用は高いですが、長く使えるのが特徴です。

瓦は台風や地震に弱いというイメージがある人もいるかもしれませんが、防災に強い「防災瓦」もありますし、最新の工法では災害の耐性も格段にアップしております。

さらに瓦の詳しい内容を知りたい人は、下記の記事も参考にしてください。

新築を検討中のご主人様へ お得な屋根の話があります!【屋根材選びで月7,000円節約できる】

台風で瓦屋根の修理が必要!自分でできるの?応急処置の費用は?

 

屋根材の種類②モニエル

ここでは、モニエルについて紹介していきます。

結論から言うと、モニエルは廃盤になっているため、利用はおススメしません。

現在、モニエルを使っている場合は葺き替えも検討してみてください。

メンテナンスでは塗装すると言う方法もありますが、あまりおススメしません。

なぜかと言うと自然災害などで、数枚の破損が発生しても補修するためのモニエルが手に入らないため、葺き替えする羽目になった人も多いからです。

 

セメント屋根材を探している方は、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

「モニエル瓦って、手に入りますか?」【お問い合わせ】 なんとかゲットしました!

セメント瓦はモニエルだけではない。割れた屋根材の問合せ先を紹介します!

 

屋根材の種類③スレート

スレートは工事費用が安く、耐震性が高いのが特徴の屋根材です。

初期費用を安価にしたい人にお勧めです。

スレートのメリット

スレートのメリットは以下の3つです。

・初期費用が安い

・シンプルなデザイン

・施工業者が多い

スレートのデメリット

スレートのデメリットは以下の3つです。

・割れやすい(踏み割れ)

・色落ちする

・メンテナンスが頻繁に必要

スレートのメンテナンス

スレートのメンテナンスポイントは以下の3つです。

・5年に1回は業者点検

割れやすい屋根材であることも考えて、5年に1回くらいは業者点検をお薦めします。

(保証期間内の点検は必須です!)

・10~15年に1回は塗装&周辺部材のメンテナンス

10~15年くらいの周期で、塗装が必要と考えておいた方がいいです。

多くは屋根の一番上の棟をカバーする板金の劣化で、塗装や交換が必要です。

スレートのメンテナンス方法・頻度・参考価格

○割れ補修:割れ発生時。40,000円〜

○棟板金の交換:10〜15年に1度。5,000円/m

○塗装:10~15年に1度。3,000円/㎡

○カバー工法:30年に1度。11,000円/㎡

 (カバー工法とは、古いスレートをはがさずに、スレートの上からガルバリウム鋼板屋根材を重ね葺きすること)

○葺き替え:30年に1度。12,000円/㎡

 (カバー工法をせず、新しいスレートへ葺き替え)

*足場設置費用(20~30万円)は含んでいない。

 

スレートは、初期費用が安いので手軽に利用できる屋根材です。

しかし、割れやすい性質があり、こまめなメンテナンスをすることを考えるとトータルではかなりの費用がかかります。

費用の安い屋根材をお探しなら、初期費用だけでなく、維持費も含めたトータルの費用で考えることも忘れないでください。

(ちなみに、トータル費用の安さで選ぶなら瓦がお勧めです。)

さらにスレートの詳しい内容を知りたい人は、下記の記事も参考にしてください。

スレート屋根は劣化すると、腐海(ふかい)のようだ。メンテナンスしましょう!

スレートのカバー工法屋根の葺き替え カバー工法を勧めない理由を解説!

 

屋根材の種類④アスファルトシングル

アスファルトシングルは、柔らかい屋根材なので割れにくいのが特徴です。

可愛らしく柔らかい印象の屋根にしたい人におすすめの屋根材です。

アスファルトシングルのメリット

アスファルトシングルのメリットは以下の4つです。

・割れにくい

・曲面にも設置可能

・デザインが可愛い

・錆びない

アスファルトシングルのデメリット

アスファルトシングルのデメリットは以下の3つです。

・強風に飛ばされやすい

・砂が落ちてくる

・メンテナンスサイクルが短い

アスファルトシングルのメンテナンス

アスファルトシングルのメンテナンスポイントは以下の2つです。

・めくれを発見したら業者に補修を依頼

柔らかい屋根材なので、接着剤の劣化や施工不良があると強風でめくれてしまいます。

どんどんめくれる前に、補修しましょう!

・5~10年ごとに業者点検

接着剤の劣化を確認できるプロの業者に点検してもらいましょう。

屋根からの落下事故が絶えないため、プロに点検を任せた方が安心です。

アスファルトシングルのメンテナンス方法・頻度・参考価格

○接着補修:はがれ発生時。40,000円〜

○カバー工法:15~20年に1度。8,000円/㎡

 (カバー工法とは、古いアスファルトシングルをはがさずに、その上からアスファルトシングルを重ね葺きすること)

○葺き替え:15~20年に1度。12,000円/㎡

 (アスファルトシングルから別の屋根材に替えたい場合は、カバー工法をせず、新しいスレートへの葺き替えがおススメです。)

*足場設置費用(20~30万円)は含んでいない。

 

アスファルトシングルは剥がれやめくれが発生しやすいですが、可愛らしいデザインが人気です。

メンテナンスをしっかりしていれば15〜20年ほどは持ちますので、点検とメンテナンスをしっかり行ってくださいね。

さらにアスファルトシングルの詳しい内容を知りたい人は、下記の記事も参考にしてください。

アスファルトシングルは経年でどうなるの?雨どいに石粒がびっしりでした!

アスファルトシングルってなに? 屋根の用語・Q&A

 

屋根材の種類⑤ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板(アルミ亜鉛合金メッキ鋼板)は、割れにくく防水性が高いのが特徴の屋根材です。

耐久性も優れており20〜30年ほど持ちますよ。

ガルバリウム鋼板のメリット

ガルバリウム鋼板のメリットは以下の3つです。

・割れにくい

・防水性が高い

・軽いため地震に有利

ガルバリウム鋼板のデメリット

ガルバリウム鋼板のデメリットは以下の4つです。

・錆びる(カラー鉄板に比べたら、錆びにくいが、やがて錆びる)

・雨音がひびく

・風で飛散する

・断熱性が低い

ガルバリウム鋼板のメンテナンス

ガルバリウム鋼板のメンテナンスポイントは以下の2つです。

・10年前後で塗装が必要

塗膜で金属本体を守っている屋根材です。

10年前後で、塗膜は劣化してきます。

放置すると錆びてしまうので、塗装が必要です。

・30年前後で交換が必要

経年により、裏面からの錆びが進行します。

メンテナンスができないため、交換が必要となります。

ガルバリウム鋼板のメンテナンス方法・頻度・参考価格

○塗装:10年に1度。3,000円/㎡

○葺き替え:20~30年に1度。12,000円/㎡

 (ガルバリウム鋼板屋根の野地板は、結露等で腐朽している可能性があり、カバー工法をせず、新しい金属屋根への葺き替え)

*足場設置費用(20~30万円)は含んでいない。

 

ガルバリウム鋼板は、塗装のメンテナンスをすれば30年ほど持つ丈夫な屋根材です。

しかし、30年以上経過すると裏面からの錆びが発生するため、どうしても葺き替えが必要となります。

(30年以上使いたい場合は、瓦が良いでしょう。)

さらにガルバリウム鋼板の詳しい内容を知りたい人は、下記の記事も参考にしてください。

【教えて!!】屋根はガルバリウム鋼板?知っておきたいメリット・デメリット!

 

屋根材の種類⑥石付金属屋根

石付金属屋根は、重厚感のあるデザインが特徴的な屋根材です。

30年ほど持ちますし、割れにくいため耐久性が魅力です。

(ガルバリウム鋼板に似た、ジンカリウム鋼板の表面に石粒が付いた屋根材です。

外国製の屋根材で、韓国、ニュージーランド、ベルギーなどから輸入された商品です。)

石付金属屋根のメリット

石付金属屋根のメリットは以下の4つです。

・重厚感がある

・変色が目立たない

・割れない

・軽いため地震に有利

石付金属屋根のデメリット

石付金属屋根のデメリットは以下の4つです。

・初期費用が高い

・錆びる

・小石などが落ちてくる

・風で飛散する

石付金属屋根のメンテナンス

石付金属屋根のメンテナンスポイントは以下の2つです。

・30年前後で交換が必要

経年により、裏面からの錆びが進行します。

メンテナンスができないため、交換が必要となります。

・塗装をする必要はない

石付金属屋根のメンテナンス方法・頻度・参考価格

○葺き替え:30年に1度。12,000円~/㎡

 (カバー工法をせず、新しい金属屋根への葺き替え)

*足場設置費用(20~30万円)は含んでいない。

石付金属屋根はメンテナンスの手間や費用がかからない屋根材です。

ただ、海外から輸入されており、もしかすると今後の保証に不安が出る可能性もあります。

通常は30年ほど持ちますが、台風などの被害にあうと葺き替えることになるので注意が必要です。

さらに石付金属屋根の詳しい内容を知りたい人は、下記の記事も参考にしてください。

石粒付きジンカリウム鋼板屋根材のデメリット 台風による飛散事例を紹介します!

屋根材の種類⑦樹脂繊維セメント屋根材

樹脂繊維セメント屋根材は、瓦のようなデザインを持ちながら、割れにくいという性質を持った屋根材です。

「瓦のデザインが好きだけど、重くて地震に弱いのが気になる」という人にお勧めです。

上の写真は樹脂繊維セメント製(商品名ルーガ・雅)の屋根です。(※瓦ではありません。)

樹脂繊維セメント屋根材のメリット

樹脂繊維セメント屋根材のメリットは下記の4つがあります。

・割れにくい

・瓦のようなデザイン

・瓦の重量の1/2と軽い

・遮音性がある

樹脂繊維セメント屋根材のデメリット

樹脂繊維セメント屋根材のデメリットは下記の3つがあります。

・初期費用が高い

・紫外線劣化する

・まだ実績が浅い

樹脂繊維セメント屋根材のメンテナンス

・30年前後で塗装が必要

塗装は30年ごとで良いですが、予期せぬ劣化や災害ダメージを受けている可能性もあるので10年ごとの点検をお勧めします。

樹脂繊維セメント屋根材のメンテナンス方法・頻度・参考価格

○塗装:30年に1度。その後は10年毎。3,000円/㎡

○葺き替え:30年に1度。20,000円/㎡

(材料の劣化が発生した場合は、塗装せずに、新しい樹脂繊維セメント屋根材への葺き替え)

*足場設置費用(20~30万円)は含んでいない。

 

樹脂繊維セメント屋根材は瓦のようなデザインを持ちつつも、割れにくさを持った屋根材です。

ただ、開発されて日が浅いため、経年劣化などに対するデータが少ないのも現状です。メンテナンスに関しては、未知な部分があることをご承知おきください。

さらに樹脂繊維セメント屋根材の詳しい内容を知りたい人は、下記の記事も参考にしてください。

【ルーガ】樹脂繊維セメント屋根材のメリットデメリットとは?

 

知っておきたい瓦屋根のシェア

現在の国内の屋根材市場のシェアは、金属屋根が急増して約60%程度、残りの約30%程度がセメント系屋根材や粘土瓦となっています。

また、昔から最近までは粘土瓦がもっとも多かったので、既存住宅の約50%は瓦屋根となっています。

瓦屋根のシェアとしては、三州瓦(愛知県三河地方)、石州瓦(せきしゅうがわら・島根県石見地方)、淡路瓦(兵庫県淡路島)の3大瓦で全国の瓦流通量の95%を占めています。

その中でも三州瓦のシェアは多く75%を超えています。

 

粘土瓦の種類

粘土瓦の主な種類としては、焼き上げる前に釉薬(ゆうやく)を使用する「陶器瓦」と釉薬を使わずに瓦の焼き上げの最後にいぶして、色を出す「いぶし瓦」があります。

陶器瓦は釉薬の調合を変更することで、何十種類もの色の瓦があります。(裏面は素焼き色:朱色となっています。)

主流としては、銀、グレー、黒、茶、緑、青、赤などで和風から洋風の様々な家のデザインにマッチする色があります。

いぶし瓦は社寺仏閣の屋根に使われている銀色の瓦のことで、和風住宅の屋根に使用されることが多いです。

 

粘土瓦自体の強度も向上しており、粘土瓦自体は数十年前の瓦に比べて1枚の重量が軽くなり、形状的にも強風に耐えることができる「軽量防災瓦」に進化しています。

また、「軽量(粘土)瓦」と「軽量屋根材(形状は粘土瓦のように見えるセメント系屋根材)」とは、耐久性・メンテンナンス費用において別物です。

「軽量瓦」と「軽量屋根材」について詳しくはこちらの記事で解説しています。

「軽量瓦」と「軽量屋根材」は別物。メンテナンス費に大きな差あり!

 

瓦の形状別分類

瓦は形状別に分類することも可能で、形状ごと特徴を紹介します。

  1. 日本瓦(J形瓦)
  2. 平板瓦(F形瓦)
  3. 洋瓦(S形瓦)

 

①日本瓦(J形瓦)

日本瓦とは波形状の瓦で、既存住宅ではもっとも多く見かける瓦です。

特徴としては、棟部(屋根の頂部)にのし瓦積みと呼ばれる高さのある棟部を施工することとその棟部の端部に鬼瓦を設置することです。

また、屋根の軒・けらば部には役物瓦(やくものかわら)と呼ばれるデザインが異なる瓦が用意されており、高級感を演出できるようになっています。

家紋を軒瓦1枚ずつに入れることも可能ですし、鬼瓦に金焼きの家紋を入れることもできます。

釉薬瓦・いぶし瓦・素焼き瓦のどれでも日本瓦はあります。

令和4年に建築基準法告示の改訂があり、現在はガイドライン工法と呼ばれる耐震・耐風工法が標準となっており、自然災害にも耐える仕様です。

一方で、令和3年以前では日本瓦屋根は旧工法となっている可能性があり、耐震・耐風性能の点検を行う必要があります。

 

②平板瓦(F形瓦)

平板瓦とはほぼ平らな形状の瓦で、現在の新築では主流に使用されている瓦です。

日本瓦とは意匠性が大きく異なるので、粘土瓦と認識されていない方も多いようです。

ほとんどが釉薬瓦となっていて、多くの住宅会社に採用されており、住宅展示場の粘土瓦は平板瓦をよく見かけます。

20年以上前の平板瓦は旧工法の可能性がありますので、点検が必要です。

 

③洋瓦(S形瓦)

洋瓦とは大きな山のある形状の瓦です。

以前は洋風住宅などでよく使用された瓦ですが、現在は大型物件などが多いようです。

釉薬瓦がほとんどで、多くの色種があります。

 

瓦工事をするなら知っておくべき5つの瓦の単価について詳しくはこちらの記事で解説しています。

瓦工事をするなら知っておくべき5つの瓦の単価を屋根屋が解説

 

瓦屋根の寿命とリフォーム費用

瓦屋根の寿命は60年以上と言われています。(日本建築学会JASS12屋根工事)

上記でも紹介しましたが、雨漏りしても部分修理が可能だからです。

瓦自体は焼き物のため、100年以上経過した瓦も数多くあります。

瓦屋根としては、築20年以内の場合は60~80年程度が寿命とお考えください。

築20年以上経過した旧工法の屋根は留め付けが不十分のため、一度、点検・メンテナンスをお考えください。

瓦屋根のメンテナンスとしては、葺き替えor葺き直しであり、カバー工法や塗装はNGです。

瓦屋根を葺き替えする費用の目安は以下となります。

瓦屋根を葺き直しする費用の目安は以下となります。(葺き直しとは既存の瓦を再利用して屋根下地から直す方法です。)

屋根全面メンテナンスするときは、瓦屋根の葺き替えをオススメします。

瓦自体の性能がここ20年ぐらいで大きく向上しているからです。

 

瓦屋根のメンテナンスについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

瓦屋根の4つのメンテナンスとは?費用目安や注意点も徹底解説

 

屋根材を選ぶときの注意点

ここまで、屋根材を紹介してきました。お気に入りの屋根材は見つかったでしょうか?

ただ、屋根材を選ぶときには注意してほしいことが1点あります。というのも、屋根材によって、使える屋根の勾配が決まっているのです。

屋根の勾配(こうばい)とは、屋根の角度のことです。屋根の勾配(角度)が緩やかな場合、雨が流れにくくなるため、屋根材からの雨漏りにつながります。

そのため、屋根からの雨漏りを防ぐため、屋根材によって最低限必要な勾配が定められているのです。

勾配は「寸」という単位で表されます。

屋根材ごとの最低勾配は以下の通りです。

・瓦・・・4寸(通常品)・2寸(緩勾配仕様)

・スレート・・・3寸(通常品)・2.5寸(緩勾配仕様)

・アスファルトシングル・・・3.5寸(通常品)・2.5寸(緩勾配仕様)  

・ガルバリウム鋼板・・・0.5寸(立平葺き)

・石付金属屋根・・・2.5寸

・樹脂繊維セメント屋根材・・・3寸

新築をお考えの場合は、屋根の勾配を変更することが可能ですが、リフォームではそうもいきません。

現在の屋根の勾配が幾つなのか、どの屋根材なら使用可能なのかをきちんとチェックするようにしてください。

どんな屋根勾配がおススメなの? 3寸~6寸だと思います!

屋根材はどこまで緩勾配に対応しているの?緩勾配瓦はあるの?

 

屋根材選びが終わったら!屋根業者を選ぼう

屋根材が決まったら、次は工事をしてくれる屋根業者を選ぶことになります。

屋根業者の選び方によっては、費用や仕上がりに差が出てきますので、優良な業者を選ぶことが大切です。

屋根業者を選ぶときのポイントは2つあります。

  1. 複数業者から見積もりをとること
  2. 専門業者に依頼すること

①複数業者から見積もりをとる

屋根業者を選ぶときには、希望の屋根材などを伝えて、複数の業者から見積もりをとりましょう。

複数の業者から見積もりを取ればわかりますが、施工に対する向き合い方や工法の選び方などに差があるからです。

瓦屋根では、工事内容も異なることがありますので、金額の比較だけではなく、工事内容も確認しましょう!

場合によっては、工事に見合わない高額な見積もりを出してくる業者もいますので、複数の業者に見積もりをとって最適な業者を選んでください。

②専門業者に依頼する

業者によって見積もり額に差が出ることはお伝えしましたが、価格は屋根業者の大きさにも左右されます。

特に、大手業者は下請けがいることが多いため、同じ施工であっても料金が高くなり傾向があります。

逆に、当社神清のように屋根を専門に扱っている業者であれば、間に業者が入りませんので、より良心的な価格でサービス提供が可能です。

「料金が安く、質の高いサービスを受けたい」という人は、専門業者を選ぶようにしてください。

 

【まとめ】屋根材は自分にあったものを選びましょう

屋根材の種類と選び方について紹介してきました。

紹介した屋根材とそれぞれの特徴は以下の通りです。

 新規施工費重さ耐久性
9,000~円38~㎏50年以上
セメント製(モニエル)8,000~円42㎏30年
スレート6,000~円21㎏30年
アスファルトシングル6,000~円12㎏15~年
ガルバリウム鋼板8,000~円4~㎏20~年
石付金属屋根9,000~円7㎏30年
樹脂繊維セメント12,000~円20㎏30年
 メリットデメリットメンテナンス
◎一番長持ち
色の劣化なし
遮音性高い
初期費用が高い
×重い
10年業者点検
◎必要性は少ない
セメント製(モニエル)重厚感がある
遮音性高い
退色する
重い
×廃盤品
5~10年業者点検
塗装が必要
×在庫品がない
スレート◎安い
軽い
×割れやすい
退色する
昔はアスベスト
5年業者点検
×塗装が必要
アスファルトシングル◎割れない
錆びない
柔らかい
×飛散する
小石が落ちる
5~10年業者点検
重ね張りする
ガルバリウム鋼板◎最も軽い
防水性が高い
割れない
飛散する
×雨音が響く
退色する
5~10年業者点検
×塗装が必要
石付金属屋根軽い
◎重厚感がある
割れない
×飛散する
初期費用が高い
小石が落ちる
5~10年業者点検
30年で大改修
樹脂繊維セメント◎軽い
重厚感がある
割れにくい
初期費用が高い
紫外線劣化する
×実績が短い
10年業者点検
30年で大改修

また、屋根材の選び方のポイントとして6つを紹介しました。

  1. 価格
  2. メンテナンス費用
  3. デザイン
  4. 耐用年数
  5. 生活への影響 
  6. 災害耐性

どのポイントを重視するかは、あなた次第です。あなたのライフスタイルや好みに合わせて選んでください。

屋根材を選び終えたら施工してくれる業者を選ぶ必要があります。業者によって施工に対する態度や価格が異なるため、しっかりと選ぶことが重要です。

専門業者なら仲介料が発生しないため、より安い料金で質の高いサービスを受けることが可能です。

当社神清は、屋根材の施工だけではなく、家が安全で、長持ちするための屋根全体の仕様についても、屋根のプロとして、プラスの提案をさせていただいております。

 

屋根に関してもう少し聞きたいとか、お悩みごとがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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