目次
- 新築におすすめの屋根材:瓦(粘土瓦)
- 新築におすすめの屋根材、粘土瓦のメリット・デメリット
- 新築におすすめの屋根材:アスファルトシングル
- 新築におすすめの屋根材、アスファルトシングルのメリット・デメリット
- 新築におすすめの屋根材:ガルバリウム鋼板
- 新築におすすめの屋根材、ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット
- 新築におすすめの屋根材:スレート屋根(化粧スレート)
- 新築におすすめの屋根材、スレート屋根(化粧スレート)のメリット・デメリット
- 新築におすすめの屋根材:ジンカリウム鋼板
- 新築におすすめの屋根材、ジンカリウム鋼板のメリット・デメリット
- 新築住宅でも注目される屋根材:樹脂繊維セメント屋根材「ルーガ/ROOGA(雅)」
- 新築住宅でも注目される屋根材、ルーガ/ROOGA(雅)のメリット・デメリット
- 新築におすすめの屋根材を選ぶポイント
- 新築におすすめの屋根材を比較しよう
- 【まとめ】新築におすすめの屋根材はニーズで選ぼう!
新築におすすめの屋根材:瓦(粘土瓦)
新築におすすめの屋根として瓦(粘土瓦)について紹介します。
原料の粘土を1100℃以上の高温で焼いて製造された屋根材です。
- 瓦自体の耐久性は100年以上持つ
- 瓦は塗装品ではないので、塗装メンテナンスはしない
- 瓦屋根としては60年以上の耐用年数となっており、他の屋根材の2倍以上である
- 瓦屋根は防音性・断熱材に優れている
- 瓦屋根の留め付けの法律が変わり、台風・地震にも耐える施工となっている
瓦屋根としては60年以上の耐用年数となっており、他の屋根材の2倍以上長持ちします。※日本建築学会 建築工事標準仕様書JASS12屋根工事において定めれています。
お皿やコーヒーカップと同じ釉薬で着色しているので、褪色が目立ちにくく、塗装メンテナンスも行いません。
そのため、瓦(粘土瓦)は長く使いたい人やメンテナンス費用をおさえたい人におすすめ屋根材です。
瓦(粘土瓦)は形状・色種が多く、デザイン性も高いうえ、最近では特に洋瓦(F形瓦)が人気となっています。
F形瓦はスッキリしたデザインの屋根となり、和風から洋風のデザインの建物にも使用されています。
防災機能も付与されており、耐震性能・耐風性能の高い屋根です。
施工性も優れており、粘土瓦の中ではもっとも安価となります。
他の屋根材と比較すると中ぐらいの価格であり、最近、再び人気が上昇しています。
新築におすすめの屋根材、粘土瓦のメリット・デメリット
新築におすすめの屋根材、粘土瓦のメリット・デメリットについて紹介します。
メリット
- 寿命が長く、劣化しにくい
- 塗装の必要がなく、維持費を削減できる
- デザインの自由度が高い
- 防音性が高い
- 経済性に優れている(屋根のライフサイクルコストが最も安価)
瓦自体の高い耐久性に加えて、部分補修可能な施工方法であるため、屋根材の中で唯一の60年以上持つ屋根となります。
そのため、35年以上の屋根のライフサイクルコスト(初期費用+メンテナンスコスト)がもっとも安価となり、コストパフォーマンスが高い屋根材です。
瓦屋根は2022年に施工方法が基準法で厳格化されたので、職人の手抜き施工のリスクが軽減され、安全性の高い屋根材と言えます。
デメリット
- 初期費用が中程度(最安ではない)
- 寒い地域には適していない
- 重量があるため、それに見合った建物の強度が必要となる
- 古い瓦屋根は強風で飛ばされる可能性がある
初期費用を最も安価にしたい人には不向きな屋根材です。
新築では瓦の重量に見合った建物の強度で建設されるため、耐震性は他の屋根材と同等です。
瓦について詳しくはこちらの記事で解説しています。
【瓦とは?】現在、F形瓦が80%、安全・安価へ進化しています。
新築におすすめの屋根材:アスファルトシングル
新築におすすめの屋根材としてアスファルトシングルを紹介します。
防水シートの原料であるアスファルトの表面に焼き付け着色した石粒を接着している屋根材で、塗装品ではないので塗装メンテナンスは必要ありません。
アスファルトシングルは軽量で柔らかくて割れにくく、カーブのある屋根にも対応できる屋根材です。
アスファルトとガラス繊維、石粒などの非金属材料でできているので、サビることがありません。
施工性に優れており、初期費用が安価な屋根材です。
新築時の初期費用やメンテナンス費用を抑えたい人のおすすめです。
新築におすすめの屋根材、アスファルトシングルのメリット・デメリット
新築におすすめの屋根材・アスファルトシングルのメリット、デメリットを紹介します。
メリット
- 初期費用が安い
- 踏み割れない・サビない
- 褪色が目立ちにくい
- 金属屋根以外ではもっとも軽い
- カーブした面にも対応できる
スレート屋根の弱点の踏み割れ・褪色とガルバリウム鋼板屋根の弱点のサビを克服した軽量の屋根材です。
初期費用が安価で、塗装メンテナンスを省くことができるので、コストパフォーマンスが高い屋根材です。
30年後の大規模改修でカバー工法することができることもメリットです。
デメリット
- 強風で飛散やすい
- 石粒が剥がれ落ちやすい
- メンテナンスサイクルが短いものがある(約20~30年)
アスファルトシングルでは、グレードによって強度が異なります。
標準グレードのアスファルトシングルでは、強風で破れて飛散しやすいです。
高グレードのアスファルトシングルはベースとなるガラス繊維が高強度となっており、破れにくく強風にも耐える仕様となっています。
新築におすすめなのは、高グレードのアスファルトシングルとなります。
アスファルトシングルについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
北米で人気の屋根材!アスファルトシングルのメリットとデメリットを解説
新築におすすめの屋根材:ガルバリウム鋼板
新築におすすめの屋根材としてガルバリウム鋼板を紹介します。
ガルバリウム鋼板はトタンよりもサビにくいめっき層(アルミ亜鉛合金メッキ鋼板)が特徴です。
ガルバリウム鋼板は、もっとも軽量で、耐久性もそこそこある金属屋根材です。
ガルバリウム鋼板屋根の耐用年数は30~40年です。(ただし、定期的な塗装メンテナンスを行う条件において)
また、形状を複雑に加工できるので、防水性が高いタイプもあります。
縦葺きなどは0.5寸~と緩い勾配屋根にも使用できることも特徴です。
軽い屋根にしたい方、緩い屋根にしたい方におすすめの屋根材です。
新築におすすめの屋根材、ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット
新築におすすめの屋根材として、ガルバリウム鋼板のメリット・デメリットについて紹介します。
メリット
- 軽量で、地震に有利
- ひび割れにくい・破れにくい
- 平部の防水性は高い
- 屋根の傾斜が緩くても設置可能
- 複雑な形状の屋根にも対応できる
他の屋根材では対応不可な緩い傾斜屋根・複雑な形状の屋根でも施工できます。
デメリット
- サビやすい(特に塗装が剥がれた場合)
- 塗装品なので、塗装メンテナンスが必要である
- 雨音がうるさい
- 強風で飛ばされやすい(経年劣化で)
- 初期費用は中程度(最も安価ではない)
トタンに比べるとサビにくいですが、放置すればやがてサビます。
耐用年数を向上させるには、定期的な塗装メンテナンスが必要です。
ガルバリウム鋼板屋根材の種類や特徴について詳しくはこちらの記事で解説しています。
ガルバリウム鋼板屋根の特徴とは?メリットやデメリット・費用を解説
新築におすすめの屋根材:スレート屋根(化粧スレート)
新築におすすめの屋根としてスレート屋根(化粧スレート)について紹介します。
化粧スレートはセメント、骨材と繊維を混ぜて成形した薄い板形状(厚さ約5~6mm)で、表面を塗装した屋根材です。
スレート屋根は施工費用が安く、イニシャルコストが安価となっています。
50年以上の実績があり、スレート屋根の耐用年数は30年程度です。
1枚の大きさが幅900mm程度で狭小地でも施工可能で、シンプルなデザインが特徴の屋根材です。
新築では、初期費用をおさえたい方、狭小地にもおすすめ屋根材です。
新築におすすめの屋根材、スレート屋根(化粧スレート)のメリット・デメリット
新築におすすめの屋根材として、スレート屋根(化粧スレート)のメリット・デメリットについて紹介します。
メリット
- 新築時屋根の費用が安価
- 多様な建築様式に調和するシンプルな外観
- 施工業者が多い
- 都市部などの狭小地でも施工可能
スレート屋根は新築時の屋根にかかる費用がもっとも安価な屋根材の1つです。
デメリット
- 踏み割れしやすい
- 退色しやすく、10年ごとの再塗装が必須
- 頻繁なメンテナンスが求められる
スレート屋根は35年以上のライフサイクルコスト(初期費用+メンテナンスコスト)は高価となり、コストパフォーマンスは低下します。
スレートについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
スレート瓦とは?他の屋根材との違いは?スレート屋根を詳しく解説
新築におすすめの屋根材:ジンカリウム鋼板
新築におすすめの屋根としてジンカリウム屋根について紹介します。
ジンカリウム鋼板は焼き付け着色した石粒がついたプレス成型した凹凸のある金属屋根です。
塗装品ではないので、塗装メンテナンスを行う必要はありません。
ジンカリウム鋼板屋根の耐用年数は30年程度です。
新築時のイニシャルコストは高額となるので、瓦のような凹凸のあるデザインで軽量な屋根材を好む方におすすめの屋根材です。
新築におすすめの屋根材、ジンカリウム鋼板のメリット・デメリット
新築におすすめの屋根材として、ジンカリウム屋根のメリット・デメリットについて紹介します。
メリット
- 重厚感のあるデザイン
- 褪色が目立ちにくい
- 軽量である
デメリット
- 初期費用が高額である(粘土瓦より高価)
- やがてサビる
- 石粒が剥がれ落ちることがある
- 輸入品であり、商品ごとの屋根性能が異なる
- 凹凸のあるデザインのため、30年後はカバー工法できない
初期費用が高額で、30年後にカバー工法ではなく葺き替えとなるので、35年以上のライフサイクルコストは高めとなり、コストパフォーマンスは低い屋根材です。
新築住宅でも注目される屋根材:樹脂繊維セメント屋根材「ルーガ/ROOGA(雅)」
新築住宅でも注目される屋根材:樹脂繊維セメント屋根材「ルーガ」について紹介します。
ルーガとは大阪市に本社を置くケイミュー株式会社が販売する樹脂繊維セメント屋根材で、「かわらU」「ブルック」などの凹凸のある塗装セメント成形品の流れを継ぐ製品です。
軽量瓦として販売している会社もありますが、粘土瓦とは全く違う製品です。
粘土瓦のような重厚感があり、粘土瓦の1/2程度の重さで軽量な屋根材の1つとなります。
高耐久塗装を使用しているようで、30年程度塗装メンテナンスは必要なく、30年後に葺き替えする屋根材です。
新築住宅でも注目される屋根材、ルーガ/ROOGA(雅)のメリット・デメリット
新築住宅でも注目される屋根材:「ルーガ」についてメリット・デメリットを紹介します。
メリット
- 伝統的な瓦と変わらない厚25㎜でありながら重さは半分以下で軽く、建物への負担が少ない
- 風雨に強く、色あせしにくい
- 通常の瓦に比べて断熱効果に優れる
デメリット
- 比較的新しい素材のため、長期的な耐久性は不明(寒冷地では凍害するらしい)
- 紫外線による劣化などで多少のメンテナンスが必要
- 初期費用が高額である(粘土瓦より高価)
- 瓦のように見えるが、焼物ではなく塗装セメント製品
販売して10年は経過しているものの、30年持つかについては未知数のため、そのリスクを理解したうえで新築時の採用を検討してほしい屋根材です。(セメント系屋根材は多くの不具合を起こしてきた歴史があります。)
初期費用が高額で、30年後にカバー工法ではなく葺き替えとなるので、35年以上のライフサイクルコストは高めとなり、コストパフォーマンスは低い屋根材です。
ルーガについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
新築におすすめの屋根材を選ぶポイント
新築におすすめの屋根材を選ぶポイントについて紹介します。
新築におすすめの屋根材を選ぶポイントは、以下の6点が重要です。
- 価格
- メンテナンス費用
- 耐用年数
- 生活への影響
- 災害耐性
- デザイン
屋根材はそれぞれ長所と短所があるため、特性を理解して、新築の立地・デザイン・予算・ライフプランなどのニーズに合った屋根材を選ぶべきです。
新築におすすめの屋根材を比較しよう
新築におすすめの屋根材を一覧で比較しておきます。
新築におすすめの屋根材比較表:種類別
新築におすすめの屋根材を種類別で表にしました。
屋根材 | 初期費用 | メンテナンス頻度 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
瓦 | 中 | 少ない | 60年 | 耐久性が高い 経済性に優れている |
アスファルトシングル | 低 | 少ない | 20年 30年(高グレード) | 曲面にも施工可能 褪色が目立たない 高グレード品は強風にも耐える |
ガルバリウム鋼板 | 中 高(断熱材付) | 10~15年ごとに塗装 | 40年(塗装すれば) | 軽量 塗装が必要 雨音がうるさい |
スレート | 低 | 10年ごとに塗装 | 30年 | シンプルなデザイン |
ジンカリウム鋼板 | 高 | 少ない | 30年 | 変色・雨音が少ない |
新築の寿命をどの程度と考えるのかによって、屋根材選びが変わってくると思います。
新築におすすめの屋根材:ニーズ別
新築におすすめの屋根材をニーズ別で表にしました。
重視したいポイント | おすすめの屋根材 |
---|---|
長く使用したい | 瓦屋根 |
メンテナンス費を減らしたい | 瓦屋根、アスファルトシングル |
新築時の屋根の予算をを抑える | スレート屋根、アスファルトシングル |
瓦のような重厚感で軽量にしたい | ジンカリウム鋼板、ルーガ |
緩い傾斜の屋根にしたい | ガルバリウム鋼板(縦葺き) |
とにかく軽くしたい | ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板、アスファルトシングル |
自分に合ったニーズの屋根材にするか、平均点的な屋根材にするか、マイナスのない屋根材を選ぶのか、悩ましい所だと思います。
屋根のメンテナンスは住みだしてから頭が痛くなるものですので、新築時にしっかりと検討することをおすすめします。
【まとめ】新築におすすめの屋根材はニーズで選ぼう!
新築におすすめの屋根材を紹介しました。
自分の家の屋根として納得できるのは、自分のニーズに合った屋根を選ぶことだと思います。
屋根材は将来のメンテナンス費が大きく異なるものなので、外壁や内装よりもしっかりと検討されることをおすすめします。
屋根材に悩んだら実績豊富な専門業者に相談し、自宅にぴったりの屋根を選びましょう。
神清からのお願い
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