【ルーガ】樹脂繊維セメント屋根材のメリットデメリットとは? 

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!
    神清(かみせい)のDr.神谷です。

    屋根材は大きく5種類(金属屋根、スレート屋根、瓦、樹脂繊維セメント屋根「ルーガ」、アスファルトシングル)あります。
    空気層があり、重厚感のあるデザインが特徴なのは、瓦と樹脂繊維セメント屋根「ルーガ」の2つです。
    お客様が選びやすいように、簡単に比較してみます!

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樹脂繊維セメント屋根材とは?

時々、お客様からお問い合わせいただいている軽量の屋根材です。

上の写真は弊社が工事した樹脂繊維セメント屋根材「ルーガ(雅)」です。

一般の方が見ると瓦と思うほど、デザイン的には瓦と似た商品です。

お客様にとっては、大変わかりにくい屋根を、私としては、屋根プロの視点から大事な違いを少しでもわかりやすくお伝えしています。

そして、「大切な住宅を長期にわたって守る屋根」を納得して、選んでいただきたいと思っています。

今回は、デザインがよく似ている瓦と樹脂繊維セメント屋根材を比較して、メリットデメリットをご紹介します!

なぜ、瓦と樹脂繊維セメント屋根材を比較するのか?

なぜ、瓦と樹脂繊維セメント屋根材を比較する記事を書くのか?と言いますと、お客様の中には、同じ粘土瓦だと誤解されている方も多いからです。

樹脂繊維セメント屋根材を「新しい軽量瓦」として、説明している業者さんがいるという話も・・・

実際に、カタログにも、

「屋根として高い基本性能を持つ複合素材の瓦。」と記載されています!

「同じ瓦なら、費用が高くても、重量が半分の軽い瓦(樹脂繊維セメント屋根材)がいい。」

このお客様の気持ちはよくわかります!

ただ、屋根プロから見ると樹脂繊維セメント屋根材は粘土瓦ではないのです。

この違いによるメリットデメリットをわかりやすくご紹介します!

 

樹脂繊維セメント屋根材のメリット

厚くて軽い

従来の瓦と変わらない厚さ25㎜なのに、重さは半分以下。

軽さの秘密は、樹脂の壁をもつ無数の気泡。

素材内の無数の気泡が、一般的な陶器平板瓦の半分以下の軽さを実現。

しかも、気泡は樹脂膜によって被膜され、気泡への水の浸入による劣化を抑えます。

(ケイミュー(株):ホームページ記事より)

色あせしにくい

釉薬瓦並の耐候性を実現。

(ケイミュー(株):カタログより)

風雨に強い

ROOGAは裏面への漏水量「少」 陶器瓦は裏面への漏水量「多」

陶器瓦は風速60m/sで「飛散」

(ケイミュー(株):カタログより)

断熱性が高い

熱伝導率 ROOGAは「0.2」 陶器瓦は「0.9」

(ケイミュー(株):カタログより)

 

瓦と比較すると、樹脂繊維セメント屋根材のメリットは多いですね!

じゃあ、樹脂繊維セメント屋根材で決定!?

ちょっと、お待ちください。

瓦と比較しての樹脂繊維セメント屋根材の心配なポイントも公平に、お伝えします。

 

樹脂繊維セメント屋根材のデメリット

耐久性に不安がある

このグラフは、凍結融解試験(寒暖差を意識した屋根材のいじめ試験で、凍らしたり、融かしたりする試験)を行ったときの屋根材重量変化を調べた結果です。

信頼性を高めるために、愛知県陶器瓦工業組合(三州瓦)が外部の第3者試験機関に依頼した試験です。

住宅建材の凍害(寒冷地で起きる建材のはくり・はがれ・亀裂)に関して、長年研究されている、北海道旭川市の地方独立行政法人北海道立総合研究機構建築研究本部北方建築総合研究所に於いて、凍結融解試験を依頼しました。

試験回数としては、300回(サイクル)で実施しました。(JIS A 1435)

詳しくは、こちらの愛知県陶器瓦工業組合の記事をご覧ください。

⇒凍結融解試験から分かる三州瓦の品質

300回で三州瓦、スレート屋根、樹脂繊維セメント屋根材とも、外観上の破損・亀裂はなく、試験としてはどれも合格でした。

亀裂の有無以外に、試験体の重量変化を調べたのが、上のグラフです。

300回で、三州瓦(赤)は0.5%も変化がなく、やっぱり抜群に強い!

踏み割れや色の変化、劣化が問題となっている化粧スレート(青)でも5%以下の変化で、ある程度横ばい。

それに比べて、樹脂繊維セメント屋根材の(緑)は11%以上の重量変化で、問題となっているスレートと比べても3倍の変化、瓦と比べるとなんと20倍以上変化しています。

さらに、300回を経過しても、右肩上がりでどんどん変化しています。

このまま試験を続けて、900回まで持てば?、重量変化が1.3倍となってしまう状態です。

本当に大丈夫??

いままで、セメント系・樹脂系・繊維入り系の数十種類の屋根材が消えてなくなっています!(実際に、被害にあわれた方も多いと思います。)

かわらUパミールブルック、ナチュール、フルベスト、モニエルなど数多くのセメント系屋根材が市場から撤退しています。

心配なのは、これらの屋根材も試験室での凍結融解試験としては合格していたのです。

合格していても、実環境では、凍害等によるひび割れ・はがれ・剥離等で、

大きなクレーム・問題となっています。

これらのセメント系屋根材は、およそ5~15年で予期せぬ大きな不具合が発生してしまったのです。

樹脂繊維セメント屋根材もまだ市場にでて、若い屋根材であるので、耐久性については十分見極めた方がより安心ではないでしょうか?

逆に、耐久性試験の結果をもっとわかりやすく公表していただけると安心して、使用できると思います。

そうは言っても塗装品なので、30年単位ではメンテナンスが必要!

メリットの部分で「色あせしにくい」とご紹介しましたが、

そうは言っても、樹脂繊維セメント屋根材は塗装品です。

いつかは、紫外線劣化などでメンテナンスが必要となります!

一方、瓦は焼き物で、食器・お茶碗などと同じで、釉薬で発色しているので、

何十年と持ちます。(塗装品ではありません。)

 

金属屋根材にない良さが瓦、樹脂繊維セメント屋根材にはあります!

最近は、金属屋根材が急増しています!

外観はシャープなデザインとなり、人気ですが、下地を含めた屋根全体としての耐久性はちょっと、物足りないです。

私としては、粘土瓦と樹脂繊維セメント屋根材は屋根材下に空気層があり、

雨漏りや結露防止に強く、屋根下地全体として、耐久性が高いという特徴があると考えています。

また、雨音が全く気にならないというメリットがあります!

長寿命な住宅の屋根には、瓦や樹脂繊維セメント屋根材などの空気層があり、

重厚感のある屋根・デザインがもっと人気がでることを期待しています。

なぜかというと、屋根自体の長寿命化が住宅の維持管理費を抑えるという、

大きなコストメリットをお客様に提供するからです!

その上で、何十年にも渡って、メンテナンス費を極力、抑えたい方には、「瓦」をおススメします!

重量の軽さを求める方には、「樹脂繊維セメント屋根材」をおススメします!

 

図解 屋根に関するQ&Aでは、よく聞かれる屋根の質問にお答えしています。

【屋根用語・Q&A集】屋根の用語・疑問を図解でやさしくお答えしています!

屋根のご相談等がありましたら、ご連絡くださいね。

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