「軽量瓦」と「軽量屋根材」は別物。メンテナンス費に大きな差あり!

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経ホームビルダー」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

新築の屋根材を検討している人。

屋根のリフォームを検討している人。

軽量瓦を検討している人。

この記事で伝えたいこと

今回は、屋根材を選ぶポイントについて、書きたいと思います!
重量・デザイン・耐久性・メンテナンス費用など。
ポイントは多いのですが、とかく、重量比較に目が行きがちです。
しかし、その他のポイントはトータルコストに関係するので、実は押さえておきたいポイントなのです。
この比較をすっきりはっきり、分かりやすく解説していきます!
大切な我が家を守る屋根!
じっくり読んで、素敵な屋根と我が家を作ってください!

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軽量瓦と軽量屋根材の違いって?屋根屋がわかりやすくご紹介します!

一般的に、お客さまが屋根材を直接購入することは、ほとんどありません。

その理由は・・・

屋根材は単品で使用することはなく、工事を伴うからです!
さらに、工事には、工務店さん・工事店さんが介在します

そのため、ほとんどのお客さまは、屋根材に対して興味が薄く、知識も少ないと言えます

そんな状況ですが、

最近めずらしく、屋根材のテレビCMが流れることがあります。

その内容は「軽量屋根材」のCM・・・

果たして!

「軽量屋根材」とは、どんなものなのでしょうか??

 

今回は、一般の方では、ほぼ違いがわからない・・・

「軽量瓦」と「軽量屋根材」の違いとその注意点について、

わかりやすくご紹介いたします!

 

まず、「軽量瓦」とは、どんなものでしょうか?

消費者の方は「軽量瓦」と聞くと、

「軽い粘土を焼いた瓦」を想像されると思います。

実際、辞書を調べても、

「瓦」=建物の屋根をふくための土製焼物(ブリタニカ国際大百科事典)

となっています!

つまり、「軽量瓦」=「軽い粘土瓦」が正確な表現となります。

 

では、「軽量屋根材」とは、どんなものなのでしょうか?

テレビCMで「軽量屋根材」と宣伝しているのは、

樹脂繊維セメント混合材料の屋根材です。

もう少し分かりやすく説明すると、

昔からあるスレート系の素材に樹脂と繊維を複合して、塗装をした屋根材です。

つまり、「瓦」ではないのです。

 

屋根材ってどんなものがあるの?

日本では、屋根=瓦というイメージが昔からありますよね。

そこで、瓦の重量より軽い屋根材を「軽量屋根材」と呼んでいます。

具体的には、

瓦(焼き物)・・・約45㎏/㎡

この瓦の重量により軽い屋根材が「軽量屋根材」です

主なところをあげると、

化粧スレート屋根材(塗装品)・・・約20㎏/㎡

金属屋根材(塗装品)・・・約5㎏/㎡

樹脂繊維セメント複合材料(塗装品)・・・約20㎏/㎡

などがあります。

ちなみに、これらは、すべて塗装品です。

 

選ぶポイントをどこにするか?

以上のように、「軽量瓦」と「軽量屋根材」とは全く別物です!

どちらをお好みでしょうか?

しかし、

選ぶと言っても何を見て判断すればいいのか?

・・・普通、わからないですよね。

そこで、選ぶポイントをわかりやすく表現します。

「軽量瓦」は耐久性重視・・・耐久性が高く、メンテナンス費を抑えることができる瓦の中で比較的、軽い瓦。

「軽量屋根材」は軽さ重視・・・再塗装のメンテナンス費はかかるけど、とにかく軽さを重視するので、軽量の屋根材(塗装品)。

どうでしょうか?

何を重視するのか?で、選ぶ屋根材のリストが変わります。

以下、さらに具体的に示していきます!

 

「軽量瓦」をご希望の方はこちら!!

瓦の中で最軽量なのは・・・Cera-Mount(セラマウント)・・・34.8㎏/㎡

通常の瓦に比べて、21%減量の大幅な軽量化となっています!

屋根に施工したイメージでは・・・

かわいい感じの屋根になります!

→セラマウントに関して、詳しくはこちらをご覧ください!(製造元:三州野安(株))

続いて、日本瓦です。

一般的な日本瓦で最軽量なのは・・・軽量防災瓦。

通常の瓦に比べて、15%減量と、かなりの軽量化となっています!

日本瓦がいいけど、少しでも軽い屋根材を希望される方にお勧めです!

いぶし瓦で最軽量なのは・・・

創嘉瓦工業(株)の純いぶしライト・・・40.2㎏/㎡

通常の瓦に比べて、11%減量の軽量化となっています!

もちろん、施工すれば日本瓦屋根です!

伝統的かつ日本の原風景そのもの、まさに本物です!

 

新商品の瓦系屋根で最軽量なのは・・・中空陶板製

(株)鶴弥のスーパートライ美軽(みがる)・・・27.3㎏/㎡

通常の瓦に比べて、40%減量の超軽量化となっています!

今までの瓦の概念を大きく変えた商品です。

(断熱樹脂マットを併用しているので、ある程度高価な商品ですが、とにかく凄い軽量化です!)

中空の陶板製品です!

「軽量瓦」の注意点・・・

軽量瓦は、通常の瓦と比較すると軽量にはなっていますが、素材としては焼き物です。

他の軽量屋根材と比較すれば、やはり重いです。

新築時、重い屋根としての壁量(建物の強さ)が求められます。(通常の瓦と同じ扱いとなります。)

その分、建物の強さは強くなり、イニシャルコストは少し高くなります。

イニシャルコストを低くしたい方には、不向きかも。

(後で説明しますが、メンテナンス費を抑えたい方には、軽量瓦はおススメです!)

 

「軽量屋根材」をご希望の方はこちら!!

「軽量屋根材」は、種類がいろいろあるので、私の主観も交えて特徴付けしていきます。

「初期費用が安い!」で選ぶなら、化粧スレート屋根材(塗装品)

よく見る屋根ですよね~!

ズバリ!初期費用だけは安価です!(初期費用だけは!メンテナンス費用はかかります。)

 

軽さ1番なら、ガルバリウム鋼板屋根材(塗装品)

金属屋根なので、軽さは1番です。

価格は瓦と同じぐらいですかね?(ちょっと安いかな?)

 

スレート屋根のリフォームなら、ガルバリウム鋼板屋根材(横葺き)

スレート屋根のリフォームには、ガルバリウム鋼板・横葺きも適しています!

カバー工法であっても、葺き替え工法であっても、重量的にも問題なし!

デザイン・施工性も上々です!

MFシルキー(硬質発泡ウレタンフォーム吹付品)という商品は、

鋼板の裏面に断熱材を取り付け、金属屋根で気になる雨音を軽減しています!

価格は、同じ鋼板素材の立平葺きよりも高くなります!

 

瓦をまねたデザインを好むなら、樹脂繊維セメント複合材(塗装品)

右が瓦で、左が樹脂繊維セメント混合屋根材。

重量は瓦の半分。価格は瓦の2倍程度。

本物と偽物の耐久性の違いについては、下記の促進試験の重量変化がわかりやすいです。

凍害試験では、JIS規格の試験をクリアしていますが、重量増加が続いている現象が報告されています。(緑:樹脂繊維混合材)(以前は、重量減少と誤って表記しており、お詫びして訂正いたします。)

一方、瓦(赤)・スレート(青)は安定しています。

この部分の耐久性に関しては、少し心配ですね!

大切なご自宅なので、素材の耐久性が高いことは、とても重要だと思います!

上のグラフは、愛知県陶器瓦工業組合が依頼して、北海道旭川市の地方独立行政法人北海道立総合研究機構建築研究本部北方建築総合研究所に於いて実施した凍結融解試験での質量変化率です。( JIS A 1435 )

詳しくはこちらをご覧ください。(愛知県陶器瓦工業組合公式サイト:耐寒性能より)

凍結融解試験から分かる三州瓦の品質

 

「軽量屋根材」の注意点・・・

軽量屋根材は、軽さは魅力なのですが、どれも塗装品です。

塗装品には、宿命があります!

塗装品=10年以降に再塗装のメンテナンスが必要なのです!

瓦と塗装品(スレート・金属屋根等)は明らかに性能が違いますね!(紫外線劣化促進試験)

屋根の再塗装費用は、必ず足場が必要となるので、約90万円程度かかります!

施工時より1.5倍以上高価・・・

さらに、再塗装・足場費用も10年毎にやってくる!

屋根の場合は、軽さも大事ですが、継続的にかかるメンテナンス費用も無視できない。

これも、屋根材選びには、重要なポイントです!

 

メンテナンス費か重量か?お悩みなら神清にご相談ください!

「軽量瓦」・・・

メンテナンス費がかからない瓦の中で、軽量なもの。トータル、安価!

「軽量屋根材」・・・

軽さ重視の屋根材。再塗装が必要!トータル、高価!

トータル価格重視か?軽さ重視か?の選択ポイントになります。

実際、なかなか、悩ましいところです。

でも、よく考えてみれば、大切なご自宅を守る屋根ですので、屋根材をどうするのか、悩む価値ありです!

屋根材の重さ以外にも、性能を比較したい方は、こちらをご参考にしてください!

【初心者向け】屋根材種類別メリットデメリット! どの屋根材を選んだらいいの?

 

専門用語もあり、わかりにくい所もあったかと思います。

もう少し、詳しく知りたいという方は、お気軽に神清までご相談ください!

お電話でも大丈夫ですよ!(担当:神谷あきのり)

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