目次
瓦とは?
瓦とは?・・・粘土製のもの。
瓦とは?・・・粘土を一定の形に固めて焼いたもの。主に、屋根にふくもの。
3,000年以上前に、西洋・東洋でそれぞれ、発祥しました。
西洋の瓦
西洋はギリシャで、発祥。平板形状となっています。
東洋の瓦
東洋は中国で、発祥。上丸瓦と下丸瓦を交互に組み合わせて使用します。
日本の瓦は?
日本では、「瓦、1,400年の歴史」と言われています。
元興寺(がんこうじ)(奈良県)に1,400年前の瓦が現存し、現役として使用されています。
中央に写っている黒い瓦が1,400年前のものと言われています。(200枚以上現存)
この形状は、東洋式(上丸瓦と下丸瓦の組み合わせ)です。
江戸時代の建てられた各地の寺院では、ほとんどこの瓦(東洋式)が使用されています。(約200年前)
現在も多くの寺院で、現役で使用されています。
日本の瓦
日本で生まれた瓦の形状は、江戸時代に開発されたものがあります。
上丸瓦と下丸瓦を一体させた「日本瓦(和瓦・J形瓦)」です。
民家でも100年以上前の瓦が現存しています。
このように、瓦とは、「粘土製の屋根材・耐久性が高い」という特徴があります。
瓦はどんな種類があるの?
瓦の種類は、形状で3種類(F形瓦・J形瓦・S形瓦)に分類されています。
F形瓦・・・シェア約80%
F形瓦(エフガタ)が新築の約80%に採用されています。
F形瓦の特徴は、以下のことがあります。
・瓦の大きさが3.3㎡あたり40枚使用するもの。(もっとも大きい)
・材工価格は、瓦の種類の中で、もっとも安価である。(8,000円/㎡~)
・防災瓦で、全数くぎ留めするため、巨大台風・巨大地震にも大丈夫。
・主に、3種類に細分される。(フルフラットタイプ・Uタイプ・Mタイプ)
現在、もっとも多く採用されています。
屋根面がフラットになり、すっきりしたデザインの屋根になります。
35年以上の実績があり、F形の代表的な瓦です。
F形のMタイプと、分類はややこしいですが、2つの山がある瓦です。
南欧風のデザイン住宅に合い、色種も豊富です。
J形瓦・・・シェア約15%
日本の原風景を演出している波形状の瓦です。
J形(ジェイガタ)瓦・日本瓦・和瓦(わがわら)と色々な呼び名があります。
J形瓦の特徴は、以下のことがあります。
・瓦の大きさは、3.3㎡あたり53枚と小さい。
・軒瓦(のきがわら)・棟瓦(むねがわら)に多種なデザインの瓦がある。
・棟部(むねぶ)には、のし瓦を高く積み、鬼瓦を使用する屋根もある。
・地域により、瓦の色や形状が異なる文化的な面もある。
・材工価格は、瓦の中でもっとも高い。(9,000円/㎡~)
・いぶし瓦(社寺仏閣で使われている銀色の瓦)と陶器瓦の2種類がある。
日本瓦屋根の瓦の種類を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
S形瓦・・・シェア約3%
S形瓦(エスガタ)は、洋風デザインの建物や店舗のパラペット部によく使われた瓦です。
山の高さが、J形瓦よりも高くなっています。
S形瓦の特徴は、以下のことがあります。
・瓦の大きさは、3.3㎡あたり49枚と中間。
・色種が豊富である。
・材工価格は、瓦の中でもっとも高い。(9,000円/㎡~)
・大型物件で、多く採用されている。
その他の素材の屋根材は瓦ではありません。
昔は、瓦屋根の採用が多かったために、「瓦」=「屋根材」という意味でも、言葉を使われていました。
そのため、粘土製の瓦以外でも、「○○瓦」と呼んでいました。
間違った呼び方を訂正しておきます。
●セメント瓦⇒セメント屋根材
●スレート瓦⇒スレート屋根材
●金属瓦⇒金属屋根材
瓦の産地はどこがありますか?
昔は、全国各地で、地元の瓦が生産されていました。
現在は、集約されて、三州瓦(愛知県)、石州瓦(島根県)、淡路瓦(兵庫県)の3大産地で生産された瓦が全国の95%程度の比率となっています。
とくに、三州瓦は全国の70%程度を生産しています。
沖縄から北海道まで、住宅の屋根に使用されています。
瓦は不燃材と認定されています。
屋根材は、不燃材であることが求められています。
ときどき、瓦の不燃番号の問合せをいただくことがあります。
下記の告示第1178号において、瓦は不燃材料と定めれています。
瓦のメリット・デメリット
瓦のメリットはコストパフォーマンスが高いことです!
◎屋根材では、確実に一番長持ちする。
先ほどもご紹介しましたが、奈良の元興寺では、1400年以上前の瓦が現役という話しです。
これは特殊なお話しとしても、一般の長寿命住宅(75~90年)から考えれば、瓦はピッタリな耐久性があると言えます。(瓦も60~100年)
◎コストパフォーマンスがもっとも高い。
他の屋根材はメンテナンス費用がかかるので、新築から35年間の経済性で考えると瓦屋根がもっとも安価となる。
各屋根材のメンテナンス計画通りの総費用で比較すると、35年間に、370万円ほど、瓦は安くなる!!
◎表面の色が劣化しない。
色が剥げることはありません。
塗装製品ではないため、再塗装の心配をする必要がありません。
これは、メンテナンスコストを考えるとかなり大きなメリットです。
「釉薬」には、たくさんの色種があります。
上の写真は粘土瓦屋根です。(釉薬によって、豊かなバリエーションとなっています。)
◎洋風住宅にも合うデザインが増えてきた。
甍(いらか)の波形の商品からフラットな商品まで、多くのデザインがあります。
上の写真は、フラットな形状で、F形瓦(エフガタ)の屋根です。
現在では、F形瓦のシェアが80%以上となり、瓦の主流となっています。
寺社仏閣で見るような瓦から、最近の洋風デザインの住宅に合う瓦まで、ラインナップも多く選択肢が豊富です。
◎遮音性や断熱性が高く、住み心地が良い。
瓦本体は、密度の高い屋根材です。
また、瓦屋根の構造として、屋根と屋根材の間に空気層があります。
これらの要因から、雨音を抑えられたり、熱を通しにくくなっています。
住み心地の良い住宅につながります。
◎結露しにくい。
上の理由と同じですが、家の寿命を縮める「結露」が起こりにくいメリットもあります。
瓦のデメリットは初期費用が高いことです!
△まれに凍害(とうがい)が起きる。(寒冷地)
瓦の生産地によっては、使用される土地の風土に合わない場合があります。
冬季に凍る→溶けるを繰り返すような地域(寒冷地)の方は、工務店や瓦メーカーに相談するとよいです。
△初期費用が高い。(イニシャルコスト)
屋根材の中では、価格が高い方です。
また、施工には専門的な技術を持った瓦屋根施工者が必要です。
そのため、全体的に初めにかかるイニシャルコストが高くなります。
△比較的、重い。
瓦は、1枚で2~3㎏あります。
使う枚数も多いので、屋根にかなり重さがかかります。
その分、住宅の躯体は頑丈に作られています。
新築時、瓦でない家に、あとから瓦を葺くことはあまりお勧めできません。
瓦に必要なメンテナンスは少ないです!
□メンテナンスの必要性はかなり少ない。
瓦の劣化はあまり気にする必要がないので、基本的にメンテナンスは不要です。
10年に1回程度の割合で、業者点検をすればOKだと思います。
もし何かぶつかって割れた場合でも、1枚から交換が可能です。
ただし、雨漏り・ズレ・破損など、異常がある場合は早急に対応が必要です。
□周辺部材は劣化する。
漆喰(しっくい)と呼ばれる土や屋根の継ぎ目に使われる板金などは、経年劣化します。
それも含めて、10年に1回くらいはプロに見てもらった方がよいと思います。
J形瓦の古い瓦屋根がたくさん健在していますが・・・
瓦=J形瓦をイメージされる方がほとんだと思います。
既存住宅を考えると、築30年を超えるJ形瓦の屋根がまだまだ、たくさん健在しているからだと思います。
そのため、瓦=古いというイメージにもつながる所でもあります。
しかし、瓦も変化していて、現在では、F形瓦が瓦の主流なのです。
防災瓦で、耐震・耐風性も高く、耐久性は言うまでもなく、60~100年以上は持ちます。
そして、安価でもあり、瓦の中の3冠王とも言えます。
瓦とは? ⇒ F形瓦に進化
瓦は、長い歴史の中で、徐々に瓦の形状や施工方法も進化しています。
東洋式⇒日本瓦⇒F形瓦と進化していますので、ご承知おきください。
図解 屋根に関するQ&Aでは、よく聞かれる屋根の質問にお答えしています。
屋根のご相談等がありましたら、ご連絡くださいね。
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