目次
- 屋根材の種類と価格相場-瓦(焼成品)
- 瓦(焼成品)のメリット・デメリット
- 瓦(焼成品)のメンテナンス性
- 屋根材の種類と価格相場-スレート(セメント製)
- スレート(セメント製)のメリット・デメリット
- スレート(セメント製)のメンテナンス性
- 屋根材の種類と価格相場-アスファルトシングル
- アスファルトシングルのメリット・デメリット
- アスファルトシングルのメンテナンス性
- 屋根材の種類と価格相場-ガルバリウム鋼板
- ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット
- ガルバリウム鋼板のメンテナンス性
- 屋根材の種類と価格相場-石付金属屋根
- 石付金属屋根のメリット・デメリット
- 石付金属屋根のメンテナンス性
- 屋根材の種類と価格相場-樹脂繊維セメント屋根材(樹脂セメント製)
- 樹脂繊維セメント屋根材(樹脂セメント製)のメリット・デメリット
- 樹脂繊維セメント屋根材(樹脂セメント製)のメンテナンス性
- ニーズ別おすすめの屋根材の種類
- 【まとめ】
屋根材の種類と価格相場-瓦(焼成品)
瓦(焼成品)は古くから使用されている屋根材で、重厚感があるデザインが人気です。
また、もっとも耐久性(60年以上)がある屋根となり、長く使いたい建物や屋根のメンテナンス費用を抑えたい人に適しています。
瓦(焼成品)での新築の価格は1㎡あたり8,000~12,000円程度が目安となります。
和瓦(日本瓦)のイメージが強いですが、現在では、洋風の建物にマッチする洋瓦も多く販売されています。
瓦(焼成品)のメリット・デメリット
瓦(焼成品)のメリット・デメリットについて紹介します。
【メリット】
- 耐久性が高い(60年以上)
- メンテナンス費用が安価
- 色落ちしない
- 防音性に優れる
瓦(焼成品)はトータルのメンテナンス費用が安価で、35年以上の屋根とした場合、新築時+メンテナンス費用の合計が最も安価な屋根材となります。
【デメリット】
- 初期費用が高額
- 重量がある
- 建物に負荷がかかる
- 自然災害で被害が及ぶ可能性がある
和瓦(日本瓦)の古い工法の屋根では瓦の留め付け不足のため、巨大地震・巨大台風などの自然災害で被害を見かけることがあります。
瓦(焼成品)のメンテナンス性
瓦(焼成品)のメンテナンス性について紹介します。
【現在の瓦屋根】
- 劣化部分がほとんどないため、メンテナンスは点検がメイン
- 大規模メンテナンスは60~年で葺き替え
- 葺き替えの価格は1㎡あたり16,000~円が目安
現在の瓦屋根は劣化する部分がなく、メンテナンスとしては定期点検を行うことになります。
30年以上経過して雨漏りが仮に発生したときは、雨漏りした周辺の瓦を部分的にめくって、その下の防水シートを補修し、その瓦で復旧する部分修理を行います。
瓦屋根は、「日本建築学会 建築工事標準仕様書JASS12屋根工事」において、屋根全体をメンテナンスする大規模改修は60年程度で葺き替えと定められています。
【築20年以上の古い瓦屋根】
- 旧工法(瓦の留め付け量が少ない)のため、現在の留め付け仕様での補修(葺き直し)が必要
- 葺き直しの価格は1㎡あたり12,000~円が目安
旧工法の瓦屋根は、定期メンテナンスの一環として、現在の仕様での葺き直しが必要です。
瓦について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根材の種類と価格相場-スレート(セメント製)
スレートは工事費用が安く、もっとも安価な屋根となります。
新築時の初期費用を安価にしたい人に適しています。
新築の価格は6,000円/㎡が目安となります。
スレートは首都圏・大阪圏などの大都市で、多く採用されています。
スレート(セメント製)のメリット・デメリット
スレート(セメント製)のメリット・デメリットについて紹介します。
【メリット】
- 初期費用を抑えられる
- シンプルなデザイン
- 施工業者が多い
- 軽い屋根材である
新築時の屋根にかかる費用を抑えることができます。
【デメリット】
- 塗装メンテナンスが必要
- ひび割れしやすい
- 色褪せ・コケ・藻が発生する可能性がある
- 2004年以前の商品はアスベストが入っている
2004年以前のスレートはアスベスト入りのため、メンテナンス費用が割高となります。
スレート(セメント製)のメンテナンス性
スレート(セメント製)のメンテナンス性について紹介します。
- 5年に1回の業者点検が推奨されている
- 10~15年で塗装メンテナンスが行われる
- 30年で大規模改修(葺き替え・カバー工法)
- 葺き替え・カバー工法の価格は1㎡あたり12,000~円が目安
スレート(セメント製)は塗装メンテナンスが必要で、かつ屋根の耐用年数が30年となっているため、頻繁に屋根のメンテナンスを行う屋根材です。
新築時の費用が安価でも、30年以上の屋根トータルコストは高額な屋根材です。
スレートについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根材の種類と価格相場-アスファルトシングル
アスファルトシングルは、柔らかい屋根材なので割れにくいのが特徴です。
スレートと同時に初期費用を安価にしたい人に適しています。
新築の価格は6,000円/㎡が目安となります。
スレートの違いは、柔らかいので踏み割れリスクがないことです。
アスファルトシングルのメリット・デメリット
アスファルトシングルのメリット・デメリットについて紹介します。
【メリット】
- 初期費用が安価
- 割れにくく錆びない
- 軽い
- カーブした面にも設置可能
金属屋根の次に軽い屋根材となります。
屋根材の不具合となる踏み割れ・サビに対して、発生しにくいメリットがあります。
【デメリット】
- 破損しやすい(破れやすい)
- 表面の砂粒が落ちる
- 強い風が吹くと飛ばされやすい
- メンテナンスが頻繁に必要
アスファルトシングルのグレードにもよりますが、安価なアスファルトシングルは破れやすいので強い風が吹くと飛散しやすいです。
アスファルトシングルのメンテナンス性
アスファルトシングルのメンテナンス性について紹介します。
- シングルの重なり部で浮きなどが発生したら専門業者による補修が必要
- 15~30年を目安に大規模改修(カバー工法や葺き替え)が必要(グレードによる年数のバラつき大)
- 工事費用は一般的に1㎡あたり12,000~円が目安
アスファルトシングルは破れやすいので、重なり部で浮きなどが発生していたら、強風で飛散する前に専門業者による補修が必要です。
破れにくいグレードの高いアスファルトシングルを選ぶことで、大規模改修までの期間を長くすることができます。
アスファルトシングルについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
北米で人気の屋根材! アスファルトシングルのメリットとデメリットを解説
屋根材の種類と価格相場-ガルバリウム鋼板
縦葺き、横葺き、折板など多数の種類があり、価格相場の範囲が大きくなっています。
金属屋根材で薄く軽いため、とにかく屋根を軽くしたい人に適しています。
新築の価格は7,000~10,000円/㎡が目安となります。
とくに、屋根のカバー工法で多く採用されている断熱材付のガルバリウム鋼板屋根材は高額となっています。
ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット
ガルバリウム鋼板のメリット・デメリットについて紹介します。
【メリット】
- 破損しにくい
- 平部の防水性が高い
- 緩やかな傾斜でも取り付け可能
- 軽い
屋根材の中でもっとも軽い屋根材です。
縦葺き・折板などは、0.5寸~と緩い傾斜の屋根にも設置可能となっています。
【デメリット】
- 設置費用が割高(瓦よりも高価)
- サビが発生しやすい(トタンよりは改善されているが塗装メンテナンスが必要)
- 雨音がうるさい
- 強風による飛散のリスクがある
トタン屋根よりはサビにくく改善されていますが、鋼板なのでやがてサビてしまいます。
ガルバリウム鋼板のメンテナンス性
ガルバリウム鋼板のメンテナンス性について紹介します。
- 10~15年で塗装メンテナンスが必要
- 大規模メンテナンスとしては、30~40年でカバー工法・葺き替えを行う
- カバー工法・葺き替えの価格は1㎡あたり12,000~円が目安
ガルバリウム鋼板屋根は「日本建築学会 建築工事標準仕様書JASS12屋根工事」において、定期的な塗装メンテナンス(10年ごと)を行う条件で、築40年程度まで大規模改修の時期を遅らすことができると定められています。
ガルバリウム鋼板屋根材について詳しくはこちらの記事で解説しています。
ガルバリウム鋼板屋根の特徴とは?メリットやデメリット・費用を解説
屋根材の種類と価格相場-石付金属屋根
石付金属屋根は瓦のようなデザインをもった軽量な屋根材です。
色が焼き付けられた石粒で表面を覆っているので、退色が目立ちにくく、省メンテナンスがいい人に適しています。
新築の価格は9,000~13,000円/㎡が目安となり、瓦よりは高くなります。
石粒によってガルバリウム鋼板のデメリットである雨音を軽減しています。
石付金属屋根のメリット・デメリット
石付金属屋根のメリット・デメリットについて紹介します。
【メリット】
- 重量感のある見た目
- 退色・雨音が気にならない
- ひび割れの心配がない
- 軽い
形状が瓦のように成形されているので、見た目に重量感があるデザインとなっています。
【デメリット】
- 初期費用は高額(瓦より高い)
- 表面の石粒が落ちやすい
- へこみやすい
- 海外製品なため長期保証は当てにならない可能性
形状に凹凸があるので、物が当たったり、力が加わると変形しやすいです。
石付金属屋根のメンテナンス性
石付金属屋根のメンテナンス性について紹介します。
- 塗装メンテナンスは不要
- 大規模なメンテナンスとしては、30年を目安に葺き替えが必要
- 葺き替え費用の目安は1㎡あたり20,000円から
石付金属屋根の大規模改修は葺き替えとなります。
古い石付金属屋根を撤去し、処分する費用が割高となります。
石粒がついているため、金属部分のリサイクルができず、また、成形されているので、嵩も増えてしまうからです。
石付金属屋根について詳しくはこちらの記事で解説しています。
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屋根材の種類と価格相場-樹脂繊維セメント屋根材(樹脂セメント製)
樹脂繊維セメント屋根材は瓦のようなデザインで、塗装が施された軽量なものです。
瓦のようなデザインで、重量が軽い建物(屋根)に分類する屋根材にしたい人に適しています。
新築の価格は12,000円/㎡が目安で、瓦より高くなります。
瓦のような形状で重量は半分となっています。
樹脂繊維セメント屋根材(樹脂セメント製)のメリット・デメリット
樹脂繊維セメント屋根材(樹脂セメント製)のメリット・デメリットについて紹介します。
【メリット】
- 瓦のような美しいデザイン
- ひび割れしにくい強さ
- 優れた遮音性
- 屋根の軽量化に貢献
【デメリット】
- 初期費用が高額
- 寒冷地では凍害による剥離やひび割れのリスク
- 塗装品のため、時間の経過とともに色が褪せる可能性
- 瓦よりもメンテナンス費用がかかる
本格販売されてからまだ期間が短いので、製品の実際の屋根での耐久性に不安があります。(寒冷地では凍害などの不具合が発生しています。)
樹脂繊維セメント屋根材(樹脂セメント製)のメンテナンス性
樹脂繊維セメント屋根材(樹脂セメント製)のメンテナンス性について紹介します。
- 色の変化は見られるが、塗装メンテナンスは基本的に不要と考えられる
- 大規模なメンテナンスとしては、30年を目安に葺き替えが必要
- 葺き替えの費用は1㎡あたり20,00円からが目安
高耐久塗料で塗装されているので、褪色は発生しても塗装メンテナンスは不要と考えれています。
葺き替えの費用は、瓦より少し割高となります。
樹脂繊維セメント屋根材について詳しくはこちらの記事で解説しています。
ニーズ別おすすめの屋根材の種類
ニーズに対応したオススメの屋根材を紹介します。
ニーズ | オススメの屋根材 |
---|---|
初期費用をなるべく抑えたい | スレート、アスファルトシングル |
長く使えて、メンテナンス費も節約したい | 瓦 |
軽量化して建物への負担を軽くしたい | ガルバリウム鋼板 |
色あせしにくく、省メンテナンスが理想 | アスファルトシングル(高グレード)、石付金属屋根 |
瓦のデザインは好きだけど、軽い素材がいい | 樹脂繊維セメント屋根材 |
- 初期費用を抑えたい場合:スレート・アスファルトシングル
- 長く使えてメンテナンス費用を抑えたい場合:瓦
- とにかく屋根を軽くしたい場合…ガルバリウム鋼板
- 色あせを防ぎ、省メンテナンスにしたい場合…石付き金属屋根
- 瓦のデザインを好みつつ、軽量な屋根材を求める場合…樹脂繊維セメント屋根
屋根材を選ぶポイントをどこにするのかで、オススメの屋根材が変わってきます。
最優先ニーズで選ぶのか、総合的に選ぶのか、経済性で選ぶのか、難しいところだと思います。
住宅ローンを払っている35年間の屋根にかける費用を最も少なくするコストパフォーマンスが高い屋根材は瓦です。
塗装メンテナンスは不要で、30年後の大規模改修費用を抑えたいなら、アスファルトシングル(高グレード)となります。
【まとめ】
6種類の屋根材について価格・特徴を紹介しました。
新築の価格を抑えたいなら、スレート・アスファルトシングルがオススメです。
35年以上での屋根にかかる費用を抑えたいなら、耐久性とメンテナンス性に優れている瓦がオススメです。
屋根工事は材工価格となるため、良心的な価格で質の高いサービスを求める方は屋根の専門業者を選ぶことがおすすめです。
屋根材選びに迷ったら、屋根に詳しい専門業者に相談しましょう。
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