雨漏りと小屋裏換気
先日、雨漏りの調査で伺ったお宅で、気になる補修が施されていました。
3階建ての鉄骨ALC造で、3階窓上からの雨漏りでした。
3階窓上を見てみるとその上には、小屋裏換気用の妻換気ガラリがあるだけでした。
その上には、軒の出のある切妻屋根となっていました。
通常、あまり雨漏りしないタイプの構造となっていました。
別の業者が入っているのですが、止まらないので、相談がありました。
小屋裏を点検口から覗いてみました。
すると、妻換気ガラリ用の開口部にシーリングが施されていました。
雨漏りしたと言ったら、別の業者が換気孔をシーリングでふさいだそうです。
結果、換気孔をふさいでも、雨漏りは止まっていませんでした。
意味のないシーリング補修と言えます。
雨漏りが怖いので、換気孔をふさいでしまう話を聞きます。
雨漏りと「換気孔をふさぐこと」は、どちらが家にリスクがあるのでしょうか?
「換気孔をふさぐこと」は小屋裏の結露リスクを高めることになります。
「換気孔をふさぐこと」は小屋裏の結露リスクを高めることになります。
実際に、そのお宅の小屋裏をよく観察してみました。
鉄骨の母屋(もや)と野地合板の接点が気になりました。
よーく見てみますと、
野地合板に黒染みが発生していました。
野地合板を留めているビスの位置とは関係なしに、黒染みが合板の繊維方向へ伸びていました。
これは、雨染みではなく、結露水による染み痕の可能性が高いと思われます。
この屋根は、雨漏りを気にするために、結露しやすい屋根になってしまったと言えます。
結果、このシーリングは雨漏りを止めず、結露リスクを高めるという最悪な補修でした。
雨漏り補修は家全体を考えることが大事です!
このお宅の雨漏りは、1、2年に1回の北からの強風雨で発生する雨漏りでした。
雨漏りは嫌ですが、この程度では、家が劣化することは考えにくいです。
しかし、小屋裏換気孔をふさいでしまうと、冬に、野地合板と母屋の間で、結露が発生します。
こちらはほかっておくと野地合板の劣化につながる可能性があります。
そう考えると雨漏りが止まらなくても、換気孔をふさぐという選択肢はないと考えます。
お客様にわかりやすく説明すれば、雨漏り修繕をせずに、様子をみてもらう選択肢もありだと思います。
結果、小屋裏結露が少し起こっていることを説明して、その業者さんに補修してもらうように話をしました。
また、雨漏りの補修は足場設置が必要となるため、外壁塗装を行う次の大規模改修まで、先送りすることになりました。
ポイントまとめ
・雨漏り補修は、家全体を考えて行うことが大事!
・雨漏り補修のために、通気・換気を阻害してはダメ!
・雨漏りの頻度と補修の費用対効果を考える場合もあり!
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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