太陽光パネルを屋根に取り付ける場合、雨漏りの心配があります。
そこで、取付金具の止水性を確認する試験があります。
上写真は止水性試験の様子です。
施工する屋根(屋根材)の上に太陽光取付金具を設置します。(青丸)
取付金具は赤丸のビス(ねじ)で屋根下地と緊結されています。
ビスは屋根材・下葺き材(防水材)等を貫通していますので、ビス孔から漏水が発生する可能性があります。
そこで、金具を設置した状態で、水圧をかけたときに、屋根下地に漏水するか調べる止水性試験を行います。
手順は以下の通りです。
①屋根材上に通常の手順通り、取付金具を設置します。
②その周辺に水筒を立てます。屋根材と水筒の境は漏水しないようにシーリングを行います。
③水筒に250mmの高さまで水を入れます。
④この状態で、24時間保持して、屋根材裏・屋根下地に漏水があるか?調べます。
屋根材裏面のビス孔からこのように漏水がなければ合格となります。
他の屋根材用の取付金具でも同様に行います。
上写真は、畜産波板用の取付金具を試験している様子です。
24時間後に漏水がなく合格となりました。
太陽光パネルメーカーは漏水が心配であるため、この試験はかなり過酷な条件だと思います。
屋根用の下葺き材の釘穴シール性を確認する試験では、水筒高さ30mmで行っています。
取付金具はその約8倍の水圧をかけて漏水の有無を確認しています。これをクリアするために、シールパッキン、シーリングおよびブチルテープで完全に密閉することで止水しています。
しかし、それでも以下の問題が指摘されています。
①太陽光業界として、統一された試験方法が確立されていない。
250mmの水筒高さも妥当かどうかわからない。
②シールパッキン、シーリング、ブチルテープによる止水性は太陽光の耐用年数間に維持することができるのか?(経年劣化しても止水性があるのか?)
③風によるパネルや外部からの建物の振動などの外力に対して、止水性は維持できるのか?
これらの指摘に対する止水性能の耐久性試験はまだ、確立されていません。
今後、既存物件を調査することで、検証が進むことを期待します。
また、シール材に頼らない構造的な止水方法(留め付け部に水が流れない)が普及していくことを期待します。 (#⌒∇⌒#)ゞ
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