既存・中古住宅調査において、雨漏りの有無はとても重要なポイントです。
ホームインスペクションのマニュアルや国交省既存住宅インスペクション・ガイドラインでは、雨漏りの有無は、小屋裏点検口より覗ける範囲を目視で確認することになっています。
しかし、実際に、小屋裏点検口から見える範囲だけでは、十分な調査とは言えません。
その一例をご紹介いたします。
そもそも小屋裏は真っ暗な場合も多くあり、点検が難しい場所と言える。
小屋裏を懐中電灯で除くとこのような感じ・・・
トトロのまっくろくろすけが出て来そうな雰囲気・・・
薄暗く、足場の踏み場も少ないため、上って奥の方までなかなか確認できないのが実情。
フラッシュで撮影すると少しは奥まで写るかな・・・
結果、この小屋裏点検調査では、この写真や目視から雨漏りは無いという判定。
正直、不安は少しあります。
雨漏りしている場所を小屋裏の中で探すのは比較的簡単ですが、雨漏りの有無を判断するのは、慎重になります。
そこで、弊社では赤外線サーモグラフィーの撮影を併せて行うこともあります。
小屋裏を撮影した熱画像はこんな感じ・・・
この物件では、赤丸の部分である軒先側にはっきりとした温度変化が見られました。通常よりも温度差の大きい反応だったため、再度、この部分をしっかりと観察しました。
すると、母屋の影となる部分に雨漏り(赤丸部分)を発見しました。
軒天付近まで侵入すると、はっきりと雨染みを確認できました。
その結果、この物件は雨漏りがあり、現在も進行しているとの報告になりました。
この現場では、赤外線サーモグラフィーを見なければ、おそらく、雨漏りを発見できなかったと思います。
雨漏り調査の場合は、雨漏りしている場所から推察して、小屋裏を観察するため、雨漏り浸入箇所を見つけることができます。
一方、中古住宅調査における雨漏りの有無を調査する場合は、より慎重に、全体的に観察を行うことが正確な調査へ繋がります。
さらに、その調査道具の1つとして、赤外線サーモグラフィーも大変有効と言えます。
★注意★ 赤外線サーモグラフィーは万能ではありません。あくまでも、表面温度を撮影する機器です。雨漏りの有無の判定は専門業者にご依頼ください。
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