調査の概要
新築の玄関土間からの雨漏り
工期:1日間
築年数:新築
玄関土間からの原因不明な雨漏り 雨漏り調査で浸入場所を特定
新築の玄関土間からの雨漏り調査を行いました。
玄関には屋根があり、壁などに通常の雨が掛かる状態ではありませんでした。
工務店さんは、「風を伴わない雨でも、雨漏りするので原因がわからない。散水調査も行ったけど、全くわからなかった。」とお話がありました。
原因をつぶすために瓦屋根には養生シートが貼ってありました。
小屋裏・床下を調査しましたが、雨水が浸入した形跡はありませんでした。
こうなると「土間から湧き出る?」という話がときどきです。
状況からそれもあり得ない状況だったので、いろいろな仮説を立てて調査しました。
かなり時間はかかりましたが、やっと雨漏りの原因を特定しました。
簡単にご紹介します。
調査手順
雨漏り現象
玄関土間に雨染みの痕がありました。(赤丸部分)
気が付くとここに水溜まりができているそうです。
真上を確認すると玄関上には下屋根が1mほど出ていて、玄関脇の壁にはかなりの強風雨以外は雨掛かりしない状態でした。
赤丸部分は、工務店さんが原因箇所を特定したいと瓦屋根部分に養生シートを貼ってありました。
「養生シートを貼ってから水溜まりが減った?」という屋根が原因と疑わせる話もあり、情報を整理する必要がありました。
雨漏り調査
屋根が原因か確認するために、小屋裏に入りました。
⇒部分の下方で、雨漏りしていることになります。
しかし、小屋裏には雨水の浸入形跡はなく屋根の可能性は低いと判断しました。
続いて、土間から湧き出るとのことで、床下を調査しました。
⇒の向こう側から水が湧き出るとのことでしたが、床下にも違和感はありませんでした。
何かヒントを探さないといけないと思い、玄関屋根上の入隅へ散水してみました。
玄関上のコーキングしてある入隅部に散水をしました。⇒漏水なし
工務店さんからは、「そんなことはすでに行っているけど、原因がわからない」と不満な感じ抱いていると感じました。
壁や屋根、コーキングを見ても劣化はありませんし、違和感も感じません。
私は霊能力者ではないので、建物の何か異常を発見しないと原因特定には至りません。
そんなとき、散水した水が土台水切りの上に溜まり、若干、玄関側に移動するのを確認しました。
これかと思い、土台水切りに散水しましたが、少し動く程度で玄関土間までは移動しませんでした。
水切りの裏面をみると、さらなるヒントがありました。
土台水切りの裏面は小動物が入らないように通気孔が開いていました。
水切りの先端が折り返しとなっているため、水切りの内側に水が通るルートがあることを確認しました。
そこで、土台水切りの出隅部分に散水を行いました。
距離的には、2.5m程度離れている場所から散水をしました。
散水して15分が経過する頃に、やっと出てきました。
土台水切りの奥から水が出てきました。
さらに散水を続けると、
土間の水痕に近い状況まで拡がりました。
厳密には雨漏りではない。
この現象は、室内には入っていないので厳密には雨漏りではありませんでした。
しかし、新築でこのような水溜まりに気付いてしまうとお客様は心配になってしまいますね。
見た目では、土台水切りに傾斜は感じられませんでした。
裏面のわずかな傾斜で水が横移動して、土間から湧き出ているように見える現象を引き起こしたと思われます。
なかなか直らない雨漏りにも、必ず原因があります。
しっかりと雨漏り調査することが、雨漏りを直す近道となります。
屋根・雨漏りに関して、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
神清からのお願い
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