調査の概要
築10年以上のブロック張りベランダからの雨漏り調査
工期:1日間
築年数:築10年以上 木造
ベランダからの雨漏り しっかり調査して2か所の原因を特定
「塗装メンテナンスしたのに、ベランダから雨漏りしている」とご相談をいただきました。
伺ってみると、ベランダの外壁のみデザインのブロック張りとなっていました。
ベランダは雨漏りが多い場所です。
まず、ベランダの床の防水層に劣化、不具合があると雨漏りします。
それ以外にも、2階サッシ廻り、笠木、外壁との取り合いなどたくさんあります。
そのため、雨漏り調査せずに修理を行うと再発して、なかなか直らない雨漏りになることが多いです。
また、原因が複数個所ある場合もあります。
しっかりと調査して2か所の原因を特定した事例をご紹介します。
調査手順
調査前
ベランダの防水層を確認しました。
シート防水でメンテナンスは行われていませんでしたが、劣化して孔が開いている箇所はありませんでした。
ベランダの内壁、サッシ廻りの外壁は塗装サイディングです。
ベランダの軒天を赤外線サーモグラフィ調査で確認しました。
雨水による温度低下を示している場所はなく、見た目もはっきりとした雨染みはありませんでした。
散水調査
ベランダの排水ドレン、防水層を散水しましたが漏水はありませんでした。
続いて、ベランダの外壁部分を散水しました。
ベランダの外壁部は意匠として、サイディングの上にブロック張りとなっていました。
このようなタイル張り・ブロック張りはメンテナンスが難しく、雨漏りしやすいデザインと言えます。
間もなく、ベランダ下面の軒天から漏水が確認できました。
外側表面を伝わっているのではなく、軒天の中側からポタポタと滴下していました。
ベランダの外壁はサイディングの表面に意匠としてブロックが接着剤で固定されていました。
ブロックだけではなく、タイルでも同じようなデザイン張りがあります。
赤色の⇒はブロックのヒビ割れを指しています。
このような仕様では、経年で表面に貼ったブロックやタイルが割れることが多いです。
これはもともとブロックに異常がある訳ではなく、その下地のサイディングが経年で動くことでブロックを割ってしまうのです。
白色の⇒はサイディングが動いたことで発生した隙間です。
その動きに影響されてブロックがヒビ割れしたのです。
この部分から漏水していました。
1箇所から漏水したからOKではありません。
別の浸入口がある可能性も探します。
すると、ベランダの笠木部分が気になりました。
バルコニーの外壁に水がかからないように養生しながら、散水を行いました。
すると、こちらも漏水しました。
白丸の部分から水滴が落下しました。
雨漏りしている状態によっては、浸入箇所が複数ある場合も考えられます。
これを、雨漏り調査なしで雨漏り補修する業者に依頼したと仮定すると、こんな流れになったのでないでしょうか?
⓵防水層のヒビ割れを補修してウレタン防水⇒雨漏りは直らない。
②外壁のブロックのヒビ割れをコーキング修理⇒雨漏りは直らない。
③笠木まわりをコーキング修理⇒雨漏りは直らない。
結果、費用を払って、直らない雨漏りの建物の出来上がりです。
目視と経験だけでは雨漏りを止めることは難しい場合もあります。
まとめ:ベランダ雨漏りはむずかしいので、業者選びをしっかりしましょう!
ベランダからの雨漏りの原因は複数ある場合もあり、むずかしいです。
しっかりと雨漏り調査する業者に修理依頼することをオススメします。
- 安いけど、目視と勘だけでコーキングする業者
- 100%雨漏りを直せる自信があるPRする業者
- 全面塗装すれば直るという業者
上記のような業者では、直らないこともありますのでご注意ください。
屋根・雨漏りに関して、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
神清からのお願い
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