化粧(石綿)スレートの葺き替え現場、法令通りの対策はこんな感じです!
アスベスト含有成形板の屋根材である化粧スレート現場での屋根めくりでの注意点を現場写真をもとにご紹介いたします。
化粧スレートの屋根を剥がす場合は、石綿障害予防規則、大気汚染防止法、建設リサイクル法、廃棄物処理法など法令が関係してきます。
特に、石綿障害予防規則を遵守することで、お施主様、近隣の住居人、作業者のアスベストによる発症リスクを軽減することができます。
写真で紹介!
大まかな規則について、写真でご説明いたします。
①防じんシートその他の資材を使用して、工事現場に覆いをすること。
上記写真のように、屋根面より1m程度高い位置まで防じんシートで覆い、周辺へのアスベスト飛散防止をはかることが必要です。
②作業者は保護具を着用すること。
防じんマスク・防護服・防護手袋・ゴーグルなどを着用して作業しなければなりません。
防じんマスクは発じんの少ない場合は、粒子捕集効率95%以上(RL2またはRS2)の使用可となっていますが、実際の作業環境の石綿濃度は不明であるため、99%以上(RL3またはRS3)のグレードの高い防じんマスクを使用することが望ましいとされています。
③粉じんの飛散を防止するため、散水その他の方法により作業場所を湿潤すること。
青丸のように、じょうろを使用して釘孔廻りを散水して湿潤化しながら、スレート釘を抜く必要があります。
スレート釘を抜く瞬間にアスベストが飛散するため、スレート釘を抜く前に、あらかじめ釘孔廻り湿潤化する必要があります。
しかし、屋根は傾き(勾配)があるため、散水による足がすべり、滑落することを注意する必要があります。
また、屋根の葺き替えの場合、その後も野地板などを使用するため、浸水にも注意が必要です。
④アスベスト含有成形板を破断しない方法で除去すること。
手ばらしで剥がしたスレートが破断しないようにきれいにまとめて重ねることが必要です。
乱雑に置きますと踏み割れを起こし、破断面からアスベストが飛散しやすくなりますので、注意してください。
⑤原形のままプラスチックシートに梱包して、揚重機等を使用して慎重に屋根から降ろすこと。
赤丸のように、プラスチックシートに原形のまま入れて、飛散防止する必要があります。
産業廃棄物として運搬する車の荷台へも飛散防止に注意して積み込みしてください。
以上、簡単ですが現場写真をもとにアスベスト含有成形板の屋根めくりの注意点をまとめました。
まとめ:とにかく、アスベストの吸引にご注意ください!
最近、TVCMでも石綿健康被害救済制度に関する広報がよく見られます。
また、2012年に中皮腫(石綿特有のがん)で死去された作家 藤本義一さんをモデルにしたポスターも掲示されています。
(石綿を吸ってしまった場所、未だ判らずとのことです。)
ご自宅や周辺で化粧スレートが施工されている場合は、屋根めくり・解体等が行われる際に、現状では、あまり法令順守して作業が行われていませんので、アスベスト飛散にご注意ください。
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