工事の概要
屋根材:セメント屋根材 けらばから雨漏り⇒部分補修 野地・たるき補強
工期:2日間
築年数:約20年
目次
セメント屋根材雨漏り補修 急勾配・けらばからの雨漏りで家の木材がくさっていました。
急勾配屋根2階のけらば付近から雨漏りしているとお客様から相談をいただきました。
まずは小屋裏を確認しました。
まずは雨漏り調査と行きたい所ですが、急勾配の屋根は上ることができません。
そこで、小屋裏から雨染みを確認しました。
するとけらば側の木材が腐朽して、ボロボロになっていました。
なかなかここまで小屋裏で腐朽するのはめずらしいです。
すぐにでも屋根に上って、状況を確認したい所でしたが、急勾配のためできません。
しっかりと足場を設置して、屋根材をはがしながら原因を特定して補修することにしました。
腐朽の状態からけらば側からの雨漏りルートが1つあることは想定できましたが、屋根形状が複雑だったので、他のルートがある可能性も頭の中に入れて補修を行いました。
工事の手順(セメント屋根材の雨漏り補修)
工事前の状態
けらば瓦をはずしたところです。
20年前のセメント屋根材の仕様なのでしょうがないと思いますが、今の平板瓦の仕様とは全く違います。
けらばの立上り破風板なし、捨て水切りなし、シーラーなしの何にもない仕様なので、雨漏りしてしまいますね。
1.セメント屋根材をはがす
セメント屋根材をはがしてみると縦桟もありませんでした。
さすがに防水シート(ルーフィング)は入っていたのですが、それをめくってみると野地合板が白くなって腐っていました。
当然ですが、小屋裏から見るより野地合板は屋外側の方が劣化しています。雨漏りしたときに、小屋裏面の野地合板がキレイだから大丈夫と判断するのは、やめた方がいいでしょう!
2.防水シート、野地合板をはがす
防水シート、腐った野地合板をはがしてみると屋根の大事な木材までくさっていました。
急勾配の屋根は雨水が流れるスピードが増すので、雨漏りした場合の範囲も広いように感じました。
3.大事な木材を補強する
くさった木材に添え木をあてて、補強しました。
屋根材をはがしただけでは、木材の腐り具合まではわかりません。
必ず防水シートの下をチェックすることが重要となります!
4.新しい野地合板、防水シートを設置
くさった野地合板を交換して、新しい野地合板、防水シートを設置しました。
5.なるべく現在の仕様に近い状態で復旧する
縦桟が入っていなかったので、代わりのものを入れて代用しました。
セメント屋根材から漏水した水を速やかに排水できるよう、現在の仕様に近づけました。
セメント屋根材はほとんどの種類が廃盤になっているので、数枚でも補充することができません。
そのため、補修中に割ってしまうことが最悪となります。
けらばに木材を入れたかったのですが、屋根材が割れるリスクもあり断念しました。
しかし、雨漏りを止めるために、捨て水切りとシーラー、防水シートの立ち上げの3点を改良して復旧しました。
けらば瓦を留め付けて完成です。
まとめ:セメント屋根材・けらばから雨漏り。築15年以上では仕様が古いので可能性大です。
セメント屋根材のけらばからの雨漏り補修工事をご紹介しました。
セメント屋根材をはがしてみると野地合板、家の木材もくさっていました。
当然ですが、雨が浸入するのは屋外側なので、小屋裏から見る野地合板よりも屋外側の野地合板は劣化しています。
木材がくさっているか確認しないまま、補修するのは、「臭い物にふたをする」ではないでしょうか!
セメント屋根材の雨漏りは本来部分補修できるのですが、廃盤品が多いのでメンテナンス計画がむずかしいと思います。
ズバリ、あと何年住むのか?で判断しましょう!
長く住む予定ではないなら、部分補修でOKだと思います。
屋根に関してお悩みやご質問等あれば、お気軽にお問い合わせください。
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