図解 屋根に関するQ&A
よく聞かれる屋根への質問にわかりやすくお答えしています。
「夏の2階部屋はとても暑いけど、屋根材によっても違いはあるの?」とお施主さまから質問をいただきました。
Q:屋根構造(空気層有・無)の夏季温度の違いはどれぐらい? ~Q086~
A:空気層有(粘土瓦)と空気層無(化粧スレート)では、小屋裏温度が7℃以上異なります。暑いと言われる化粧スレートでは、小屋裏温度(2階の天井上)が57℃と高温になっています。一方、空気層有の粘土瓦では、50℃を下回っています。屋根材の表面温度では、化粧スレート(ブラック色)は約75~80℃と高温になっています。素手でさわると焼けどしてしまう温度ですね。
空気層があるだけで、7℃以上、小屋裏温度(天井から上)が違っているので、大きな差となっています。
これらの測定は弊社実験棟で測定を行いました。
↑空気層有vs空気層無の小屋裏温度比較(実験棟:(株)神清内 愛知県半田市)
屋根の様々な部分の温度・湿度を測定しています。
センサーとその配線だけでも、大量ですね。
10年以上前から様々な屋根材・施工法・部材などの測定を行ってきました。
数名の大学教授からご指導いただいております。
化粧スレートと粘土瓦の温度差はどうして生まれるのでしょうか?
屋根面における日射の伝わり方を簡単な図で説明します。
↑日射の伝わり方(屋根面)
①屋根材に日射が入り込む。
②屋根材の表面で反射する。(表面色の反射率が影響:黒5%程度 いぶし15%程度)
③屋根材内を伝導する。
④空気層無:屋根材裏面から野地板に熱伝導(大)(空気層がないので直接)
空気層有:屋根材裏面から野地板に熱放射(小)(空気層があるので間接)
屋根材裏面から空気層内に対流(小)
⑤野地板内を伝導する。
⑥野地板裏面から小屋裏内へ。
大雑把に言うと空気層有・無の温度差は④によるものです。
空気は断熱性能が高いですし、空気層無の屋根材は熱伝導で直接熱を伝えるために家がとても暑いということです。
年々ひどくなる猛暑・熱中症対策として、屋根構造を空気層有にすることは、ますます重要となってきますよ~。ご検討くださいね~!!
図解 屋根に関するQ&Aでは、よく聞かれる屋根の質問にお答えしています。
屋根のご相談等がありましたら、ご連絡くださいね。
神清からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
お客様の率直な感想をいただくため「役にたった」「役に立たなかった」ボタンを設置しました。
私たちは、日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。今後のご参考にさせて頂きますのでご協力よろしくお願いいたします。