小屋裏の水痕。雨漏り?結露?
パミール屋根からの雨漏り?
築15年程度のパミール屋根の現場でした。
もともと、パミール屋根のメンテナンス方法でご相談をいただいていました。
パミール屋根とはスレート屋根の1つです。
10年程度で表面がボロボロになるという粗悪な屋根材です!
上の写真のように、どんどんスレートの表面がはがれるという問題になっている屋根材です!
パミール屋根に関して、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
この冬、少し積雪があったときに、お客様が小屋裏を見ると野地合板の裏面がびっちょりと濡れていていたそうです。
お客様は雨漏りではないかと、工務店や屋根材製造メーカーに調査してもらったそうですが、明確な回答はなかったようです。
ただ、パミールのボロボロなので、コロニアルグラッサへ葺き替えするメンテナンスを行うことに!
でも、お客様は水の原因がスッキリせず、心配が消えないので、弊社へ調査のご依頼をいただきました!
小屋裏の調査
春先なのに、水たまり!
小屋裏に入ってみると春先なのに、天井断熱材の上に、水たまりがありました。
こちらは、屋根の北面でした。
野地合板の軒先側には、白いカビが発生していました。
南面の野地合板は健全でした!
上の写真は、野地合板南面です。
水痕やカビなどは全くなく、健全な状態でした。
寄棟の現象もチェック!
上の写真は、北西面の隅棟部です。
北面側は水痕やカビがあります。
一方、西面は健全な状態でした。
隅木は白くカビが発生していました!
ここまで確認して、この水たまりは雨漏りではなく、結露の可能性が高いと判断しました。
なぜ結露したのか? 原因は、施工ミスでした!
お客様の話では、
・軒天の小屋裏換気は設置されている。
・棟換気は、図面上にはあったが、実際には設置されていなかった。半年前に設置してもらった。
とのことでした。
棟換気について
調査した時点では、棟換気は設置されていました。
施工ミス①:新築時に設置されているはずの棟換気が設置されていなかった!
軒天換気について
お客様は、工務店さんから「軒天換気はぐるり全周設置してあります。」と説明を受けていたそうです。
しかし、私の経験からすると、軒天換気はない!!と判断しました。
簡単な見分け方としては、小屋裏で懐中電灯を消してみるとわかります。
軒先側を撮影して、このように真っ暗であれば、軒先換気はない!!と言えます。
そこで、お客様に屋根の葺き替えをする前に、工務店さんにしっかりと軒天換気の有無を調べてもらった方がいいですとアドバイスしました。
後日、お客様から教えていただいたのですが、軒先換気孔はなかったそうです!
外から見える軒天換気部材はついているが、その中には換気孔を設けない施工がされていたのです。
施工ミス②:新築時に軒天部材は設置されていたが、換気孔がなかった!
屋根換気・結露の情報が少ない!まだまだ、認知されていない!
この物件では、お客様がパミールのはがれ問題から端を発し、屋根に興味を持ち、ご自分で勉強されたので、原因までたどり着いたと言えます。
結果、小屋裏の水たまりはパミールからの雨漏りではなく、結露でした!
工務店さんや屋根材メーカーが小屋裏に入っているにも関わらず、換気孔の有無も気付かない状況でした。
これは、屋根の不具合が結構多いという情報が伝わっていないためだと思います。
この冬だけでも、数多くの結露に関するご相談をいただいています。
屋根のメンテナンスは高額な費用が発生しますので、新築時、屋根は長寿命な仕様とされることをおススメします!
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
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私たちは、日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。今後のご参考にさせて頂きますのでご協力よろしくお願いいたします。