瓦屋根の耐風性能を調べる試験として、ガイドライン試験(通称)が定められています。 

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瓦の施工法に対して、どの程度、耐風性能があるかを調べる試験方法として、瓦の引き上げ試験があります。簡単にご説明いたします。

耐風5

 

あいち産業科学技術総合センターの三河窯業試験場にある耐風圧性能試験装置において、瓦屋根標準設計・施工ガイドラインの試験方法に基づいて行います。

 

施工する地域を想定して、所定の荷重Nで9枚の瓦中央に同時に野地板面に対して垂直に加力します。

 

耐風1

荷重値と瓦の水下先端の鉛直変位を計測します。150回繰り返しを行います。

瓦が浮き上がらず所定の加力が継続でき、除荷時に各瓦が元の位置に復元すること、変位は50mm以内であることが求められます。

 

また、破壊試験として、瓦が破壊するまで加力を行います。

 

垂木・野地板・瓦桟木・瓦・緊結材の種類・組み合わせ方により、試験結果が異なります。

また、瓦は現在、防災瓦が主流になっています。

施工時に上下の瓦同士がかみ合うフック状の構造を有し、従来の瓦に比べて耐風性や耐震性が向上しています。

 

耐風2

 

赤丸の部分がかみ合い、右下の瓦の釘の効果で、②の力がかかっても瓦は浮きません。

防災瓦を採用するかしないかで、試験結果が異なります。

150回繰り返し試験の結果は以下のものです。

耐風6

このグラフから瓦の浮き上がりがなく所定の荷重が継続して加力され、除荷するとほぼ元の位置に復元していることが確認でき、ガイドラインの判定基準に従い、設定した風圧力に対して耐力を有していると判定されます。

破壊試験は以下のものです。

耐風7

破壊荷重のより少し小さい荷重で急激に変位が増大します。

1枚もしくは複数枚の瓦や緊結材周辺で破壊が起きています。

耐風8

 

試験は上写真のように破壊により、瓦が浮き上がった状態でとまります。

破壊自体は一瞬で起きますので、この状態で、どこの部分が破壊したのか観察します。

瓦の割れや緊結材の引き抜けなどが破壊原因になります。

 

昔は台風で瓦が飛散することもありましたが、現在では、何度も耐風性能試験を行い、各地域に適した工法・仕様を各種類の瓦ごとに決め、安全な瓦・屋根を提供しています。  (#⌒∇⌒#)ゞ

 

 

 

 

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