こんにちは~。
屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。
実験棟で測定した結果から、屋根・小屋裏の温熱環境に対して太陽光パネル設置が与える影響についてご紹介いたします。
上のグラフは2009.12〜2010.1に行った実験での野地合板含水率測定結果(南面)です。
①太陽光パネル有が高含水率になりました。
実験は西日本工業大学・小野研究室に依頼しました。
以下、詳しくご説明いたします。
実験棟は愛知県半田市(神清内)にあり、室内は共通(仕切り無し)、天井から屋根を3つに区切ってあります。
境界の壁内には断熱材400㎜が入っています。
この屋根では、基準通りの小屋裏換気が設置されていました。
同条件の屋根
・
(屋根材:化粧スレート)において、片方だけ
の小屋裏温度・湿度、野地合板温度・湿度、野地合板含水率を測定して、影響を調べました。
2週間
に太陽光パネルを設置して、その後、取り外しました。
太陽光パネル設置前、
と
は同程度の野地合板含水率(南面)となっています。
グラフの
の部分です。
含水率20%以下で、健全な状態です。(含水率28%以上が続く場合は木材腐朽の危険となる数字です。)
12月21日に、太陽光パネルを設置しました。
すると、
の野地合板含水率が急に跳ね上がりました。
100%に近いところまで達しています。
一方、
はほとんど変化ありません。
2週間、
は高含水率が続き、1月7日にパネルを取り外したところ、徐々に含水率が低下しました。
このメカニズムを上図で説明いたします。
太陽光パネルの下部・野地合板は日陰となるため、日射による温度上昇は大きくありません。
一方、屋根の軒先・棟、北面は日射があたるため、野地合板が暖められ温度上昇します。
野地合板に含まれていた湿気は小屋裏内へ放湿されます。
放湿された湿気はパネル下部の野地合板・低温部に吸湿されます。
この野地合板の部分的な温度差により、野地合板での吸放湿が繰り返され、パネル下の野地合板の含水率が上昇するというものです。
野地合板における日射のあたり方の違いによる日陰部分の野地合板が腐朽する現象は、寄棟の北面野地合板が腐朽する現象と同じです。
長寿命で健全な屋根が基本ベースにあり、はじめて、発電効率やゼロエネルギー住宅や投資回収シミュレーションなどが成り立ちます。
少なくとも、既築で設置する場合は、必ず小屋裏換気が設置されているか調べてください。
設置されていない場合は、太陽光パネル設置と同時に、小屋裏換気設置も行われることをお奨めいたいます。 (#⌒∇⌒#)ゞ
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創業1868年(慶応4年)三州瓦製造・販売・工事
住宅調査・雨漏り調査
株
神清(かみせい)
神谷 昭範(かみや あきのり)です
【趣味】旅行、野球観戦、自転車、スイーツ食べ
【資格】
ホームインスペクター
住管協ホームインスペクター
住宅メンテナンス診断士
(株)神清ホームページ:
フリーダイヤル:0120-951-890
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