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雨漏りでカビが発生。雨漏り・カビ修理はどうすればいいの?
「カビ」というと、お風呂の「クロカビ」や食パンに生える「アオカビ」をイメージされる方が多いと思います。
それ以外にも、実は、住宅の屋根・壁・床下などでもカビは発生します。
昨年の台風15号(令和元年房総半島台風)では、屋根に大きな被害が発生しました。
その後、台風が続き、雨漏りも大きな問題となりました。
室内へ雨漏りが頻繁に発生すると、室内の天井・壁・床などに雨染みができ、やがて、「カビ」が生育することもあります。
雨漏り調査・修理を行っていると、ときどき、お客様からご質問いただきます。
雨漏りでカビが発生することありますか?
雨漏りするとカビ臭くなりますか?
カビはどうすればいいですか?
これから、梅雨時期を迎え、湿気が多くじとじとする季節です。
この記事では、雨漏りとカビ発生の関係と、雨漏り・カビ修理の方法についてご紹介します。
「カビ」とは?
「カビ」はどこにでもいる。
カビは、本来、土の中に存在していて、植物などに寄生しています。
成長すると胞子を空気中に飛ばし、建材や家の中、食品などあらゆるものに付着しているものです。
建築学会では、室内に浮遊するカビ濃度を規定しています。
つまり、室内中にも浮いているのです。
ときどき、お客様が過敏になって、工務店さんへ、
「カビがゼロか検査してほしい。」と要望されている現場に、遭遇します。
その度に、カビはどこでもいますので、検査は意味がないことをお伝えしています。
「カビ」が生育する条件とは?
カビの胞子が着いた後、そこで生育するかどうか、その部分の環境で異なります。
成長するのに、必要なのは、4つの条件(栄養・酸素・温度・水分)となっています。
栄養源とは、人や動植物の老廃物、建材に含まれる有機物、プラスチック、ほこりなどあらゆるものとなります。
酸素は、地球上にはありますし、温度は20~35℃が適温で、これも日本では、ほとんど適温内となります。
カビが生育する条件は、相対湿度に左右されることとなります。75%以上、さらには、90%以上で成長が進むと言われています。
上の図は、温度・湿度によるカビ成長速度を示してものです。
内容はむずかしいので、温度20~35℃、相対湿度70~%以上のイメージをつかんでいただければと思います。
雨漏りによるカビの発生事例。
天井に発生したカビ
真上の2階外壁・戸袋(とぶくろ)からの雨漏りが1階天井に、たびたび発生した現場です。
雨を受ける形となっている戸袋からの雨漏りは、ひんぱんに発生します。
その度に濡れる天井部分は、クロカビが生育していました。
壁に発生したカビ
真上にある屋上の排水口からの雨漏りでした。
下の階の壁のクロスがはがれるほど、ひんぱんに雨漏りが発生していました。
クロスやボードには、クロカビが全体的に生育しています。
木材に発生したカビ
屋根からの雨漏りで、たるきに発生した現場です。
この部分からひんぱんに雨漏りしていたと思われます。
キノコが生えていたら、要注意!
カビはキノコや酵母(こうぼ)と同じ仲間の「真菌(しんきん)」に分類される微生物です。
一方で、細菌やウイルスとは、まったく異なる分類です。
腐朽菌は、木材の強度を低下させる。
カビの仲間のなかで、キノコなどは、腐朽菌(ふきゅうきん)と呼ばれる木材の強度を低下させる家にとっては、怖い菌があります。
そのため、家の中でキノコを見かけたら、要注意です。
この野地板の強度は、かなり低下しています。
白色腐朽菌による劣化
木材が上の写真のように、白色に変色していると腐朽が進んでいるとお考えください。
褐色腐朽菌による劣化
木材が上の写真のように、褐色でブロック状に細かくひび割れしていると腐朽が進んでいるとお考えください。
カビで表面が汚れたり、カビ臭がしているだけなら、被害は少ないですが、木材が腐朽すると家の耐震性・耐風性に影響するので、要注意となります。
雨漏りでカビが発生したときの修理方法
雨漏り修理して、カビの水分供給源を断つ。
雨漏りによるカビが発生した場合、まずは、雨漏り修理をして、カビの水分供給源をなくしてください。
上の写真は、窓回りから浸入して、壁の合板が濡れてカビが発生したところです。
室内側のカビ対策を先に行っても、水分が外から浸入して来ては、再び、カビが発生する可能性が高いです。
雨漏り以外にも、結露水が水分供給源の場合もあります。
雨漏りと結露を一対と考えた修理方法を行ってください。
カビ周辺を乾燥しやすいようにする。
合板の内側が雨漏りで濡れる場合もあります。
断熱材や防湿シートを取り除いて、乾燥させることでカビを無くすことができます。
扇風機などで、風を当てることで早く乾燥します。
木材の含水率が18%以下まで、乾燥させることが必要です。
しっかり乾燥する前に、断熱材・防湿シートを戻してしまうと、カビの生育が復活する恐れがあります。
カビ臭がある場合、除菌する。
カビ臭がある場合は、除菌の薬剤を使用することが有効です。
カビに効く殺菌剤は、次亜塩素酸ナトリウム、塩素系漂白剤、消毒用エタノール、逆性せっけん、醸造用アルコールなどを水で薄めて使用します。
柱・梁などの構造材の場合も除菌して、カビをふき取ることが効きます。
材料表面の美観を修繕する。
カビで汚れた内装材などは、最後に、内装のクロスを張替えして、美観を修繕します。
ここで、大事なことは、まず、雨漏り修理を確実に行う必要があります。
カビを乾燥させ、内装をきれいにしても、また、雨漏りが再発しては、カビも生育してしまいます。
カビは水分を断ち、乾燥させることで、撃退できます。
カビはどこにでも、空気中にもあります。
雨漏り修理をして、水分を断ち、乾燥させることで、カビの生育を防ぐことができます。
雨漏り修理をしっかり行う業者へ依頼することが重要です。
住宅は使用年数が長いので、長期にわたって、カビを生育させないことは、除菌剤よりも、雨漏りの防止と木材を乾燥させるための通気・換気が必須だとお考えください。
愛知県で、雨漏り・カビ修理を検討している場合、弊社にお問合せください。
神清からのお願い
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