しくじり先生③ ガーターバンク工法

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こんにちは〜。

屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。

 

しくじり先生第3段は「ガーターバンク工法」です。

 

 

屋根の施工において、画期的な施工方法だと言えます。

屋根を施工するときには、通常ルーフィング(白く見える防水紙)を野地板の上に施工して雨漏りを防ぎます。

しかし、そのルーフィング(防水紙)に釘やビス、ステープル(ホッチキスの大きいもの)などで何千個の孔を開けて屋根材を施工しています。

防水紙に孔を開けると防水ではないんじゃないという素朴な意見から生まれた施工方法です。

 

ガーターバンク工法と言って、屋根材から浸入した水が流れる部分には防水紙に孔を1個も開けずに施工する方法です。

つまり、当たり前の防水工法だと思います。

 

簡単にガーターバンク工法を説明します。

 

 

?野地板に縦桟を施工します。

 

?縦桟の上にルーフィングを施工します。

 

 

?ルーフィングを留めるステープルは縦桟の上で仮留めます。

 

 

?縦桟の位置で、キャップを留め付けルーフィング(防水紙)を固定します。

 

 

?縦桟の上で瓦桟木を留め付けます。

 

 

つまり縦桟の上にしか釘・ビス・ステープルがありません。

防水紙に孔が開いているのは縦桟の上だけです。

縦桟の上は野地板よりも高い位置にあるため、雨水は流れません。

 

 

雨水は青い⇒部分を流れます。

溝という意味で英語でガーター部分です。

縦桟の部分は赤丸で山部分で水は流れません。

土手という意味で英語でバンク部分です。

防水紙に溝と土手をつくる工法でガーターバンク工法です。

 

法名も含めてヒットするのでは?と思いました。

 

 

しかし、実際には普及しませんでした。

 

なぜなら、

 

その当時は屋根の高耐久を誰も望んでいなかったためです。

防水紙にたくさん孔を開けることに誰も違和感を感じていなかったためです。

屋根の野地劣化が多く発生していることがあまり知られていなかったためです。

 

つまり、時代より一歩、二歩早い提案だったといえます。

 

それから8年以上が経過して、この考え方に近い通気下地構法(ホールレス工法)が業界では認知されつつあります。(まだ、数多くは採用されていませんが。)

 

建築分野では、材料の保証が他の商品に比べて圧倒的に長いため、新商品が採用されるには時間がかかる業界といえます。

10年単位でヒット商品を作り出すという体制が必要だと言えます。

 

 

教訓

 

時代より一歩、二歩早い提案は無駄ではない。

10年後を目標にあきらめるな〜!

時代より0.1歩、0.2歩早い提案を売り込め〜!!

 

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