屋根の雨漏り調査・・・実は結露でした。(屋根断熱の設計施工ミス)

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屋根の雨漏り調査をしたら、結露だったという場合もたまに、もあります。

みなさま。こんにちは。

屋根から人の笑顔を作りたい!!!

神清(かみせい)のDr.神谷です。

屋根の雨漏り調査を行っていると、ときどき出会う事例です。

雨漏りと間違える程大量な結露水が発生する場合は、天井と屋根の空間(小屋裏・こやうら)において、断熱材の施工不備、小屋裏換気の施工不備などがある場合と言えます。

簡単に事例を紹介!

築10年未満の木造住宅でした。台風のときに、窓廻りから雨漏りしたとのことで調査を行いました。

伺ってみると、それとは別の天井に、クロスのはがれも発生していました。

建物の屋根壁は、傾斜屋根で、屋根材は瓦、壁はサイディングとなっていました。

小屋裏に入ってみると

雨漏りの原因を調べるために、小屋裏に入りました。

入ってみると、すぐに、違和感を感じました。

2階の部屋は水平天井がありましたが、断熱方法は天井での断熱ではなく、屋根での断熱となっていました。

上記写真をよく見ますと、垂木間に白い発泡系断熱材が充填されています。

屋根の野地板の下側で断熱材が施工されている屋根断熱の仕様でした。

その断熱材に茶色の染みがあり、一見、雨漏り?だと思います。

2階水平天井の上には、一列となって屋根から滴下した水痕もありました。

この天井上部分には断熱材がありませんでした。(天井断熱仕様ではない)

さらに、軒天・棟からは明かりが見えたので、軒天・棟換気孔があることもわかりました。

ここまでの情報から、雨漏りではなく、断熱施工の不備による屋根面での結露だとわかりました。

違和感とは?

小屋裏に入って、すぐに感じた違和感を説明します。

この住宅では赤線が断熱材ラインとなっています。

そのため、赤線の内側は断熱面から考えると室内側となります。

例えば、2階のエアコンで暖房した場合、暖房の熱は天井から上の小屋裏部分にも伝わります。

屋根面で断熱されているので、屋根面の断熱材の中外で室内・室外が分かれることになります。

それなのに、軒天換気孔と棟換気孔が設置されていることに、大きな違和感を感じました!

小屋裏は室内扱いとなるので、そこに、換気孔を設置すると窓をあけて、暖房していることと同じになり、部屋が暖かくなりません。

冬寒く、全く省エネにもなりません。

これは大きな設計ミスと言えます。

結露と判断した理由は?

結露を証明するための温湿度測定までは行いませんでしたが、以下の状況から結露と判断しました。

◎水滴は一部分に集中しているのではなく、規則的に広範囲で発生していました。

◎天井及び屋根断熱材下面に防湿層がありません。

◎屋根断熱材上面に通気層がありません。

◎野地板は合板で、ルーフィングはアスファルト系でした。

特に、屋根断熱で防湿層がないことは完全にアウトです!

温暖地域では、「夏をもって旨とすべし」の考え方で、土壁・土葺きの木造建築が多く行われてきました。

10年以上前まで、断熱・防湿・気密の施工があいまいな物件もあると聞いています。

昔のように、断熱材がなく、すかすかの住宅であれば、結露は発生しないのですが、この物件のように、断熱材が入れた場合は、併せて、防湿層をしっかり施工しないと結露が発生します。

この物件では、不幸中の幸いといいますか、設計ミスなのですが、屋根断熱なのに、軒天換気孔を設置してありました。

そのため、天井から上がってくる湿気がある程度、外部へ排出されたいたと思われます。

また、暖房であたためられた熱が小屋裏へ伝わっても外気の流入により、温度上昇が軽減されていました。

そのため、冬季、大量の結露が発生するまでには至らず、木部の腐朽劣化も軽減されたようです。

 

まとめ:屋根は雨漏り以外に、結露が発生することもあります!

雨漏り調査をしていると、結露物件に出会うこともあります。

雨漏りと間違える程の大量の結露が発生する場合は、断熱・防湿の設計・施工不備・換気不足が原因と言えます。

特に、屋根断熱の場合は被害が大きくなりますので、発見したらすぐに補修が必要です!

 

専門用語もあり、わかりにくい所もあったかと思います。

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