目次
片流れ屋根とは?特徴と人気の理由を解説
片流れ屋根とは、一枚の屋根面が一方向に傾斜している屋根形状のことで、片屋根ともいいます。
特徴としては、総二階などの箱型住宅で近年多く採用されています。
人気の理由として、以下の3つがあります。
- 建築コストを下げられます!
- 太陽光発電をたくさん取り付けられます!
- デザインが格好いい!
箱型住宅は陸屋根・屋上防水が一般的でしたが、片流れ屋根とすることで、屋上防水ではなく、傾斜屋根にできます。
陸屋根・屋上防水に比べて、建築コストを下げることができます。
さらに、傾斜屋根がシャープなイメージを与えるので、デザイン的にもスタイリッシュな住宅となります。
南向きの片流れ屋根にすることで、同じ敷地面積の切妻屋根よりも2倍以上太陽光パネルを設置でき、発電量を増やすことができます。
人気の片流れ屋根のメリットについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
片流れ屋根のメリット・デメリット。心配な雨漏り対策もご紹介します!
片流れ屋根がダサいと言われる5つの理由-採用して後悔する事例
片流れ屋根にしてダサいと感じ、後悔につながる理由を紹介します。
片流れ屋根で起こりがちなダサい失敗例を示します。
- 雨漏りのリスクが高い
- 屋根や外壁が劣化しやすい
- 強風や台風への耐性が低い
- 換気が不十分になりがち
- 結露が発生しやすい
それぞれの事例について、次章から詳しく解説していきます。
片流れ屋根はダサい?理由その1:雨漏りのリスクが高い
片流れ屋根はダサい?理由その1として、雨漏りのリスクが高いことがあります。
以下の要因により、他の屋根形状に比べて雨漏りリスクが高いです。
- 風雨が吹き込みする屋根と壁の接合部が多く、雨水が浸入しやすい設計になっています。
- 棟部では、野地板と破風板の間を雨水が伝い(伝い水)、内部に浸入するリスクが高いといえます。
- 切妻屋根と比較して、けらば部分が2倍の長さになるため、軒先・角に流れる雨水量が増加し、雨漏りのリスクが倍増しています。
片流れ屋根は棟部・けらば部・軒先部と屋根の周辺で、雨漏りリスクが高くなっています。
片流れ屋根はダサい?理由その2:屋根や外壁が劣化しやすい
片流れ屋根はダサい?理由その2として、屋根や外壁が劣化しやすいことがあります。
以下の要因により、屋根や外壁が劣化しやすいケースがあります。
- 一方向に傾斜した屋根のため、水下の軒先では雨水が集中し、雨どいからオーバーフローしやすい構造です。
- 集中する雨水の影響で、屋根材や外壁の劣化が進行しやすくなります。
- 棟部では、屋根と外壁の取合部が鈍角で開いているので、その取合部には日射・紫外線が当たり、劣化が進行します。
棟部の屋根や外壁の取合部はもっとも高い位置となり、風雨も強く当たるので、劣化部は頻繁なメンテナンスが求められます。
長期にわたってメンテナンス費用がかかりやすい屋根形状です。
片流れ屋根はダサい?理由その3:強風や台風への耐性が低い
片流れ屋根はダサい?理由その3として、強風や台風への耐性が低いことがあります。
以下の構造的な弱点により、風雨や台風に弱い屋根形状です。
- もっとも高い位置にある棟部の軒天と外壁は鈍角となって開いているので、風を受けやすく、風圧による被害が大きくなる可能性があります。
- 軒の出がないデザインも多く採用されており、屋根と壁の取合部が直接雨風や紫外線にさらされるため、取合部のシーリングの劣化が早まります。
巨大台風などでは、軒天が破壊され屋根下地の下側から強風であおられて屋根面が破壊される現象が見られます。
片流れ屋根の棟部の軒天は破壊されるリスクが高いので、片流れ屋根は屋根面からの被害が多くなっています。
片流れ屋根はダサい?理由その4:換気が不十分になりがち
片流れ屋根はダサい?理由その4として、換気が不十分になりがちなことがあります。
以下の要因により、換気不足となりやすいです。
- 片流れ屋根は緩い勾配が多く、小屋裏における温度差での換気効率は低下します。
- 小屋裏空間での空気の流れが滞留しやすく、効率的な換気が難しい構造となっています。
- 軒天換気において、雨水浸入を防ぐためには閉鎖したく、換気のためには開口したいという矛盾が生じています。
- その結果、湿気がこもりやすく、小屋裏・壁内環境に悪影響を及ぼす可能性があるります。
片流れ屋根は傾斜天井が採用されやすく屋根断熱仕様となるため、屋根の通気・換気は必須となります。
換気不足は屋根の耐久性を著しく低下させるリスクと言えます。
片流れ屋根はダサい?理由その5:結露が発生しやすい
片流れ屋根はダサい?理由その5として、結露が発生しやすいことがあります。
以下の要因により、結露発生が発生しやすくなっています。
- 「北面片流れ屋根」は日照時間が短く、屋根面が冷えやすいため結露が起きやすい傾向にあります。
- 日中でも温度が上がらない場合、湿気が野地合板に吸着しやすくなります。
- 湿気が長期間にわたり蓄積すると野地合板が腐敗し、構造全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 軒の出のない屋根形状では、雨水浸入リスクから効率的な軒天換気を設置しずらく、小屋裏・通気層で結露が発生しやすいです。
屋根面において結露が発生すると、屋根材の保持力が低下するので屋根材が飛散するリスクが高まります。
片流れ屋根がダサくならないようにするポイント:雨漏り対策
片流れ屋根がダサくならないようにするポイントとして、雨漏り対策があります。
以下の対策で、雨漏りリスクを軽減できます。
- 棟部に透湿ルーフィングを使用して、野地板と破風板の隙間を防水することができます。
- けらば水切りを改良した「シール材付きけらば水切り」が活用できます。
- シール材(クッション性のある止水材)が屋根材と密着して、土ほこりや雨水のオーバーフローを防げ、大量の雨でも雨漏りリスクが軽減します。
片流れ屋根特有の雨水浸入しやすい箇所は、他の屋根形状では行わない対策も必要です。
屋根材の種類によっても対策は異なりますので、あらかじめ、屋根業者に確認しておきましょう。
片流れ屋根がダサくならないようにするポイント:換気対策
片流れ屋根がダサくならないようにするポイントとして、換気対策があります。
以下の対策で、換気不足に対応できます。
- 換気棟を多く設置しましょう。
- 軒の出を持たせましょう。
- 軒先部・棟部で通気層に連通させましょう。
片流れ屋根・軒ゼロ・緩勾配・屋根断熱・立平葺きの仕様は、屋根面での結露リスクが非常に高くなります。
丁寧な換気対策が必須ですので、設計・施工に十分な配慮をしてもらいましょう。
片流れ屋根の雨漏りや湿気対策について詳しくはこちらの記事で解説しています。
片流れ屋根のメリット・デメリット。心配な雨漏り対策もご紹介します!
【まとめ】片流れ屋根をダサくさせないなら神清にご相談を!
片流れ屋根は雨漏り・結露リスクの高い屋根形状です。
デザイン性やイニシャルコストを下げることも重要ですが、屋根面が劣化すると補修するのに、大きな費用が発生してしまいます。
建設前にしっかりとポイントを押えた設計・施工を依頼し、安心した片流れ屋根で生活しましょう。
失敗しないためには、屋根プロのアドバイスやサポートが欠かせません。
片流れ屋根についての疑問や不安があれば、ぜひ神清にご相談ください!
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