目次
- 新築で人気の片流れ屋根とは?
- 新築で片流れ屋根が選ばれる理由と特徴とは?
- 新築で片流れ屋根を採用する際の注意点をチェック!
- 新築で片流れ屋根を採用する際の注意点①:雨漏りのリスク
- 新築で片流れ屋根を採用する際の注意点②:換気しにくい
- 新築で片流れ屋根を採用する際の注意点③:結露が発生しやすい
- 新築で片流れ屋根を採用する際の注意点④:風雨の影響を受けやすい
- 新築で片流れ屋根を採用する際の注意点⑤:大量の雨が流れ落ちる
- 新築の片流れ屋根で後悔しない【雨漏り対策】
- 新築の片流れ屋根で後悔しない【換気不足対策】
- 新築の片流れ屋根で後悔しない【結露対策】
- 新築の片流れ屋根で後悔しない【劣化・雨量対策】
- 【まとめ】片流れ屋根で理想の新築を実現するためにはプロに相談!
新築で人気の片流れ屋根とは?
新築で人気の片流れ屋根とは、一枚の屋根面が一方向に傾斜している屋根形状のことです。
片流れ屋根はシンプルでスタイリッシュな印象となるため、そのデザインが人気で、近年は採用が増えています。
新築で片流れ屋根が選ばれる理由と特徴とは?
新築で片流れ屋根が選ばれる理由と特徴を紹介します。
片流れ屋根が選ばれる理由として、以下のメリットがあるからです。
- 太陽光パネルの設置に適しています
- 建築コストを下げられます
- デザインが格好いいです
- メンテナンス費用を抑えられます
- 天井を高くできます
片流れ屋根は総二階の箱型住宅の屋根として、採用されています。
箱型住宅の屋根としては陸屋根(屋上防水)が一般的ですが、それと比較して、建築コストやメンテナンス費用を抑えられることがあります。
また、傾斜天井とすることで、天井を高くすることもできます。
特徴として、南向きの片流れ屋根は太陽光パネルの設置に適しており、北向きの片流れ屋根は北側斜線制限のある住宅の屋根として採用されています。
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点をチェック!
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点を紹介します。
- 雨漏りのリスクがあります
- 換気しにくい構造です
- 結露が発生する可能性があります
- 風雨の影響を受けやすい可能性があります
- 大量の雨が流れ落ちます
次の章から詳しく解説していきます。
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点①:雨漏りのリスク
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点➀として、雨漏りのリスクがあります。
片流れ屋根の棟部(屋根の頂部)は外壁に対して、鈍角(90°~180°)となっています。
風雨を受けやすい構造となっており、野地板と破風板の取合部、軒天と外壁の取合部から室内側へ雨水浸入するリスクが高いです。
片流れ屋根の流れ方向の長さは同じ敷地面積の切妻屋根の2倍となります。
屋根のけらば部(屋根の両端部)は雨水が浸入しやすい構造となっており、水下側では2倍の雨量が流れるため、けらばからの雨漏りリスクが高くなります。
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点②:換気しにくい
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点②として、換気しにくいです。
換気しにくい理由としては以下があります。
- 片流れ屋根は風力による換気能力が低いです
- 緩勾配の片流れ屋根は温度差による換気能力が低いです
- 片流れ屋根の棟部は雨水浸入リスクが高いので、単純な換気口を設けにくいです
- 屋根断熱の場合、通気層(流れ方向)が2倍となり、通気が阻害されやすくなります
- 軒ゼロの片流れ屋根も多く、軒先・けらばにおいて軒天換気口が設置できません
片流れ屋根は他の屋根形状に比べて、構造的に換気能力が低いことに加えて、雨漏りリスクが高いので、換気口をふさぎたいというバイアスがかかります。
しかし、換気がしっかりできない屋根では、屋根面に結露が発生し、屋根の劣化が起きるケースが見られます。
結露について、次章で詳しく解説しています。
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点③:結露が発生しやすい
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点③として、結露が発生しやすいです。
結露が発生した事例要因を紹介します。
- 北向きの片流れ屋根で、小屋裏換気不足となっていた
- 屋根断熱仕様で棟部において、換気口へ連通していなかった
- 屋根断熱と天井断熱が併用されていたが、それぞれに換気口が設置されていなかった
- 棟部に換気部材は設置されていたが、それをカバーした棟板金が閉ざされていた
北面に向かって傾斜している北向きの片流れ屋根では、冬季、屋根面への日当たりが不足して結露が起こることがあります。
また、屋根の換気不足によって、結露が発生します。
換気不足となる要因は様々ですが、設計だけではなく、施工においても細部まで配慮が必要となります。
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点④:風雨の影響を受けやすい
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点④として、風雨の影響を受けやすいです。
片流れ屋根の棟部は軒天と外壁が鈍角となっており、風雨の影響を受けやすい構造と言えます。
巨大台風の強風では、軒天材に破損が生じやすく、その空間から屋根内へ強風が入り込むと屋根面から飛散することがあります。
また、軒天と外壁の取合部はシーリング処理されていますが、棟部では紫外線の影響を受けやすく、劣化が進行しやすくなっています。
シーリングが劣化すると雨漏りリスクが高まるので、放置できず、頻繁なメンテナンスが必要となります。
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点⑤:大量の雨が流れ落ちる
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点⑤として、大量の雨が流れ落ちるリスクがあります。
片流れ屋根・軒先の軒樋へ流れ込む雨量は、同じ敷地面積の切妻屋根の2倍、寄棟屋根の4倍となります。
軒樋へ落ち葉や土ぼこりなどが入り込み、排水能力が低下すると大量のオーバーフローが発生してしまいます。
軒樋からのオーバーフローすると、壁面やサッシまわりへ大量に雨水が流れ落ちるため、雨漏りリスクが高まるので対策が必要です。
片流れ屋根のメリット・デメリットについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
片流れ屋根のメリット・デメリット。心配な雨漏り対策もご紹介します!
新築の片流れ屋根で後悔しない【雨漏り対策】
新築の片流れ屋根で後悔しないための【雨漏り対策】を紹介します。
- 屋根の棟部は透湿ルーフィングを巻く
- けらば水切りを使用する屋根材では、けらば水切りからのオーバーフロー対策を実施する
屋根の棟部では、野地板と破風板の取合部、軒天と外壁の取合部へ透湿ルーフィングを巻くことで、鈍角部からの伝い水による雨水浸入を防ぎます。
けらば水切りからのオーバーフロー対策としては、シール材付きけらば水切りを使用することで、雨量が増えた場合でも対応できます。
新築の片流れ屋根で後悔しない【換気不足対策】
新築の片流れ屋根で後悔しないための【換気不足対策】を紹介します。
小屋裏換気を多くするには、以下のような方法があります。
- 換気棟を多く設置する
- 軒の出を持たせて、軒天換気を全周に設置する
- 妻壁(つまかべ/建物の短辺方向の外壁面、または棟に直角な外壁面)での妻換気と併用する
換気棟を設置する方法としては、軒の出がある場合は以下となります。
軒の出がない場合は以下となります。
屋根の形状・仕様、屋根材の種類によって、仕様の組み合わせは様々ですので、屋根全体として細部まで検討してください。
新築の片流れ屋根で後悔しない【結露対策】
新築の片流れ屋根で後悔しないための【結露対策】を紹介します。
北面片流れ屋根の野地板結露・劣化防止には、野地面通気(屋根材と野地板の間の通気)+透湿ルーフィングが有効です。
また、屋根面への湿気流入を防ぐ方法として、断熱材の下面に防湿シートを設置することも有効です。
併せて、しっかりと通気・換気できる仕様にすることが結露対策となります。
新築の片流れ屋根で後悔しない【劣化・雨量対策】
新築の片流れ屋根で後悔しないための【劣化・雨量対策】を紹介します。
劣化対策としては、外壁のシーリングを耐候性の高いものとすることがあります。
雨量対策としては、片流れ屋根の雨樋は排水量が必要となるので、排水能力に余裕のある雨樋を選ぶことがあります。
また、雨樋が詰まらないように掃除や落ち葉よけ対策も必要です。
雨樋のサイズ選びについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の詰まりや掃除、落ち葉対策について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根屋が教える!雨樋詰まりの正しい掃除方法と必要な道具。対策方法も伝授します!
【まとめ】片流れ屋根で理想の新築を実現するためにはプロに相談!
新築で片流れ屋根を採用する際の注意点を5つ紹介しました。
とくに、雨漏りと結露は建物の寿命に影響を与えるので、しっかりとした配慮が必要です。
また、4つの具体的な対策も紹介しました。
片流れ屋根にはいくつか注意点がありますが、プロの施工業者に相談しながら対策することで納得のいく住まいづくりができます。
当社は屋根の専門家として、多くの片流れ屋根施工実績がありますので、お悩みやご質問があれば、ぜひお気軽にご相談ください!
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