こんにちは~。
屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。
屋根のあまり知られていない実態(土・埃による漏水リスク)をご紹介いたします。
先日、スレート屋根・ケラバ部における土・埃の堆積に伴い、雨水が浸入し、野地板の劣化事例が驚くほど多く発生していることをご紹介いたしました。
(スレート屋根 ケラバ雨水浸入 劣化 http://ameblo.jp/capuriclub/entry-12074577353.html )
今回は、瓦屋根の場合についてご紹介いたします。
瓦屋根も20〜40年前は瓦桟木を直接野地板に留め付ける地域もありました。
その場合、経年で瓦桟木に土・埃が堆積します。
瓦から浸入した雨水が瓦桟木で滞留するため、漏水のリスクとなります。
(また、土葺の地域もありますが、土・埃とは異なりますので、ここでは除外いたします。)
そこで、最近の物件がどうなっているのかを調べました。
築10年の瓦屋根を観察しました。瓦は平板瓦、下葺き材は改質アスファルトルーフィング、瓦桟木は水抜き加工付15×30mmでした。
土・埃などの堆積は見られませんでした。
<pcolor=”#ff0000″>赤丸
の部分は水抜き加工部分です。
土等の堆積・つまりも見られませんでした。
強風雨時、瓦裏に雨水が浸入してもこの状態であれば排水可能です。
また、雨水浸入や結露による木材の腐朽もありません。(瓦の通気効果)
次は、縦桟木が使用されている現場です。
上の写真は、築15年の瓦屋根です。瓦はJ形瓦、下葺き材はアスファルトルーフィング、瓦桟木は15×30mm、縦桟木は2×30mmでした。
土・埃の堆積は見られませんでした。
<pcolor=”#ff0000″>赤丸
の部分は瓦桟木のアップです。
下方に縦桟木があるため、ルーフィングとの間に隙間が見られます。
土・埃の堆積はなく、排水機能はしっかあります。
また、雨水浸入や結露による木材の腐朽もありません。(瓦の通気効果)
瓦屋根(J形マニュアル)においては、瓦桟木の留め付けには、雨水が滞留しないように配慮することと明記されています。
また、地域によっては、降灰や積雪に対応するために、縦桟木の寸法を9×30mm以上と高さを高くして、降灰・積雪が瓦内に侵入しても堆積せず、排出できるように工夫がされています。(下写真)
<pcolor=”#ff0000″>一方、スレート屋根のように、地域に関係なく標準施工ですと、土埃が多い地域では、ケラバの土・埃の堆積が原因となる、野地合板の腐朽劣化が発生していると想像できます。
さらに、その上に太陽光パネル設置を行った場合は要注意です。
将来、野地合板の腐朽による太陽光パネル落下事故が発生する可能性もありますので、しっかりとした配慮・対策が必要です。
瓦の素材自体は1100℃以上の高温で焼成されているため、住宅資材の中でも、抜群に耐久性が高い部材となっています。
それに加え、下葺き材・瓦桟木・縦桟木・釘等を耐久性の高い仕様にすることで、長期にも見ても安全・安心で、維持管理費を考えますと安価な屋根となります。 (#⌒∇⌒#)ゞ
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