こんにちは~。
屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。
ヨーロッパにおける住宅の平均寿命は長く、長寿命住宅・先進国のヨーロッパ(イギリス・ドイツ)の屋根を写真でご紹介いたします。
ヨーロッパの屋根の中でも多く採用されている野地板(合板)の無い屋根についてご紹介いたします。
上の写真はイギリスの屋根です。
急勾配の屋根で、瓦桟木(日本の垂木程度の太さ)を踏み台として、順々に上へ施工していきます。
緑色のシートは透湿性のあるルーフィングです。湿気を通過させ排湿しますが、防水性はあり雨水は浸入させません。
断熱材は天井上に設置しています。
イギリスは冬が寒いため、厚みあるの断熱材で室内と縁切りして、天井上は外気扱いとなります。
野地合板がないため、屋根面での透湿抵抗は低い状態です。
室内からの湿気は、透湿ルーフィングを通過して、屋根材(瓦)の隙間から排湿されるため、小屋裏での結露の心配はありません。
上の写真はドイツの屋根です。
急勾配ではないのですが、縦桟木・瓦桟木を施工しながら、踏み台として使い、上へと施工しています。
黒色のシートも透湿性のあるルーフィングです。
こちらも野地合板がないため、小屋裏での結露の心配はありません。
ヨーロッパでは、透湿性の高い合板を野地板として、使用することを禁じています。
(日本では野地板は構造用合板が多く採用されています。)
野地板を使用する場合は、無垢板(バラ板)を使用することになっています。(合板を壁には使用してもいいそうです。)
上の写真は日本の昔のトントン葺きです。
ルーフィングが主流になる前に、行われていた仕様です。
垂木の上に、バラ板(間隔有り)、その上にトントン葺き(薄い樹木を並べたもの)となっています。
この仕様であれば、ヨーロッパと同様に湿気は排出でき、雨水の浸入も防ぐことができます。
室内から湿気が小屋裏に入っても、結露の心配もなく、小屋裏での腐朽がないため、長寿命な屋根であったと言えます。
現在、日本では、耐震基準において、屋根面での存在床倍率は、構造用合板の方が高い率となっているため構造用合板が主流となっています。
また、耐震性に加えて、省エネ(高断熱・高気密)が求められています。
高断熱・高気密においては、施工をしっかり行わないと結露・腐朽のリスクが高まります。
<pcolor=”#ff0000″>構造用合板では、透湿抵抗が高いために、湿気の排出が期待できません。
小屋裏換気などとの組み合わせが必須となります。
今後、ヨーロッパの野地無し構法などが参考となり、長寿命と耐震性・経済性の両方に対応した日本の屋根へとさらに進化していくことが期待されます。 (#⌒∇⌒#)ゞ
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