こんにちは~。
屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。
前回、瓦屋根の旧工法の見分け方についてご説明しました。
地上から瓦屋根の頂部(棟部)を目視、双眼鏡、カメラのズーム等で観察し、冠瓦とのし瓦を縛っている銅線が見えたら、旧工法の可能性があります。
定期点検時に
ご確認くださいというものでした。
今回は、旧工法の可能性がある場合に、その後の対処の方法をご説明いたします。
旧工法かを判断できるのは、瓦の専門工事業者さん・瓦メーカーです。
(板金工事業者さん・リフォーム業者さん・塗装業者さんではなかなか判断できません。)
確認してもらい、旧工法ですと耐震性のある工法(ガイドライン工法など)に修繕するための見積をとり、ご都合のいい時に、メンテナンスされることをお奨めいたします。
そこで、ガイドライン工法についてご説明たします。
ガイドライン工法とは、簡単に言いますと阪神大震災の揺れに耐えうる棟かどうか評価する耐震試験に合格した工法です。(
耐震試験に合格している工法は数十種類あり、地域を考慮した仕様も多数あります。)
基本的な考え方は以下になります。
①躯体(家)に補強金具(棟芯材)を設置する。
補強金具を水平方向で連結させる。
②桟瓦(切断した瓦も含む)は銅線・ビス・釘・接着剤などを使用して、躯体に全数留め付ける。
棟部(冠瓦・のし瓦)の土台部分を躯体にしっかり固定することが重要です。
③のし瓦とのし瓦は左右で銅線などで緊結する。
④冠瓦を全数、補強金具(棟芯材)にビス・銅線等で留め付ける。
以上により、躯体に冠瓦(1枚ごと)が連結しながら留め付けられます。
地震時には、冠瓦と躯体が連結して揺れるため、脱落を防ぎます。
耐震工法は他にもいろいろな仕様がありますが、基本的には上記要素が必要です。
<pcolor=”#ff0000″>一方、瓦の表面をシーリング材だけで接着(ラバーロック工法など)する業者さんがいますが、ご注意ください。
躯体との緊結を行わずに、瓦表面のみを連結をしても、地震時に落下する恐れがあります。
瓦工事業者さんは補強金具を入れ込む修繕を問題なく行えますが、異業種の方は、行えないためにシーリング・しっくい修理だけとなります。
ちなみに、震災時に発生したのですが、躯体と緊結せず、のし瓦と冠瓦をセメントで一体化しただけのものが、塊のまま、脱落した事例がありました。
また、元来、瓦同士の間には隙間があります。
瓦から入った雨はその隙間から排出される構造になっています。
そのため、不用意に隙間をシーリングしますとかえって、雨漏りの原因にもなります。
安価な簡易耐震工法などもいろいろとありますので、旧工法の瓦屋根にお住まいの方には、ぜひ、定期メンテナンスの一環として、瓦屋根の耐震メンテナンスもご検討ください。 (#⌒∇⌒#)ゞ
神清からのお願い
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