こんにちは~。
屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。
東日本大震災・熊本地震において、多くの瓦屋根に被害がありました。
これらの瓦屋根の被害は棟部(屋根の頂点部分)が崩れることで発生しました。
棟部は旧工法の仕様となっていました。
写真は棟部の瓦が崩れています。
この部分の施工断面図を示します。
上図の一番上の瓦が冠瓦です。
その下に左右に均等に3段並んでいる瓦がのし瓦です。
その真ん中部分の点々は土を示しています。
この棟部の瓦は土の密着力で形を維持しています。
躯体(家)には留め付けられていません。
この棟部の構造は、風雨時でも雨水浸入しないように土で瓦と瓦の隙間を塞いでいて、止水する機能があります。
止水材が土であるため、経年での劣化はなく長期に渡り効果が持続します。
実際、東日本大震災で被害があった瓦屋根は20年以上経過したものが数多くありました。
ほとんどメンテナンスがされていないと思われます。
しかし、この棟部構造は躯体に留め付けられていないため、地震に弱い構造になっています。
土本体もしくは土と瓦の間に衝撃・振動によるひび割れが発生すると土と瓦の密着力がなくなり、倒壊します。
一方で、現在の新築・瓦屋根では耐震性のあるガイドライン工法が広く普及しています。
日本全体で考えますと既築において、旧工法の瓦屋根が多く存在しています。
これらの屋根は大地震を経験する前に、耐震性のあるガイドライン工法などにメンテナンス(補修)されることがお奨めいたします。
<pcolor=”#ff0000″>特に、住宅の定期点検時に瓦屋根の棟部を目視点検していただき、旧工法かどうか、チェックしてください。
チャックのポイントとしては、上写真のように、冠瓦とその下ののし瓦が銅線などで縛ってありますと旧工法と言えます。
この銅線は、地面から肉眼や双眼鏡、カメラのズームなどで簡単に確認できます。
ガイドライン工法については、後日、説明をいたします。
日本瓦の屋根にお住まいの方は特にご確認ください。
旧工法である可能性が高いと思われます。
よくわからない場合は、写真などをお送りいただければ、判断できると思います。
通常のメンテナンスの一環として、ガイドライン工法に修繕されれば、さらに長寿命な屋根になると思います。
大地震が来て崩れてから補修を行うよりは、かなり安価に修繕できますよ~。 (#⌒∇⌒#)ゞ
神清からのお願い
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