旧工法(きゅうこうほう)ってなに?
旧工法(きゅうこうほう)とは、日本瓦屋根ののし積み棟における昔の工法のことです。
棟瓦(むねかわら)、のし瓦、葺き土(ふきつち)を緊結線(きんけつせん)で結ぶことで、耐風性能を高めた工法でした。
阪神大震災以降、巨大地震において、棟瓦が倒壊する被害が発生したため、現在では、耐震性の高いガイドライン工法へ移行しています。
旧工法には、いくつかの種類があります。
大回し工法(おおまわしこうほう)
棟の緊結方法の1つで、のし瓦2~3段と棟瓦とを一緒にくくる工法のことをいいます。
棟瓦1枚に対して、1本の緊結線でくくります。
上の写真は、実際の施工写真です。
緊結線には銅線が使用されている場合が多いです。
千鳥緊結(ちどりきんけつ)
一本の銅線を大面のし瓦の上に千鳥にはわし、のし瓦、棟瓦を葺いた後にぬうように緊結する工法のことです。
上の写真は、実際の施工写真です。
緊結線が棟の横面に✖のように見えるものです。
碇緊結(いかりきんけつ)
瓦の破片に銅線をくくり、その破片を葺き土の中に埋め込み、棟瓦等の緊結をする方法のことをいいます。
「アンカー止め」・「瓦とんぼ」とも呼ばれることがあります。
これらの旧工法は、棟瓦と建物が直接、連結せず、葺き土を介して、緊結線で固定されています。
そのため、強風には重みで耐えることができます。
しかし、巨大地震では、建物と連結していないので、倒壊する可能性が高いと言われています。
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