築20年程度のF形瓦屋根 耐風診断・接着工法による耐風改修

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の屋根・雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経ホームビルダー/日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

  • F形瓦屋根にお住まいの人。
  • 台風による被害を心配している人。
  • F形瓦屋根のメンテナンスが気になっている人。
  • 巨大台風により被害を受けた人。

この記事で伝えたいこと

最近の異常気象による自然災害は心配ですね。

巨大台風が大阪、千葉に上陸して、築20年程度のF形瓦屋根では少し被害が発生しました。

築10年程度のF形瓦屋根は防災瓦となっているため、被害はほとんどありません。一方で、築20年程度ですと、非防災タイプのF形瓦となっているため、耐風性能が劣っています。

そこで、F形瓦屋根の耐風診断と簡易な接着工法による耐風改修をご紹介します。

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工事の概要

屋根材:F形瓦屋根(非防災タイプ)の耐風診断・接着工法による耐風改修

旧工法(くぎ1本留め)⇒ 耐風・耐震工法となる接着工法で耐風改修

価格:平部1㎡当たり=約3,000円(足場、下地補強抜き)

工期:2日間

築年数:20年

 

築20年以上F形瓦屋根の耐風診断 接着工法で耐風改修

台風による飛来物の被害が発生し、F形瓦屋根の補修依頼がありました。

平部の瓦が数枚破損していたので、差し替えの補修をしました。

約20年程度、F形瓦屋根は非防災タイプの全数くぎ1本留めとなっていました。

耐風診断すると、平部は非防災タイプの全数くぎ1本留めで旧工法となります。

ケラバ部は2点留めとなっていて、留め付け不足となっていました。

棟部はパッキン付きくぎとなっていて、これも旧工法となるため、補強が必要となります。

そこで、耐風性能の補うために簡易な接着工法による耐風改修を行いました。

築20年程度のF形瓦屋根は、非防災タイプが多く、耐風性能が劣っている可能性がありますので、耐風診断を行うことをオススメします。

 

台風被害を補修

F形瓦平部が飛来物により破損したと補修の依頼がありました。

破損した瓦を取り除いて、差し替えの準備を行いました。

F形瓦は非防災タイプとなっていて、F形瓦は全数くぎ1本留めとなっていました。

20年以上前では標準の工法ですが、現在では旧工法となっています。

破損したF形瓦を差し替えして補修しました。

併せて、耐風診断を行いました。

耐風診断結果

F形瓦屋根の耐風診断結果は以下の通りです。

平部

F形瓦(非防災タイプ)はくぎ2本留めを求められていますので、くぎ1本留めでは耐風性能が劣っています。

棟部

F形瓦棟部はパッキン付きくぎとなっていて、くぎは旧工法です。

パッキン付きビスが求められています。

ケラバ部

けらば部は2本留めとなっていて、3点留めが基本となっていますので、1本不足していました。

診断結果から、平部、棟部、けらば部の耐風改修が必要と判定されました。

 

耐風改修の手順

1.旧工法の平部を接着工法で補強

全数くぎ留めされている平部の上下の重なり部分にコーキングを行うことで、耐風性能は大幅に向上します。(くぎ留めされていない瓦の上下重なりにコーキングしても効果はありません。)

 

2.けらば部の瓦を3点で固定します。

けらば部の瓦を3点留めすることで、補強できます。

3.棟部の瓦をビス留め補強します。

くぎ留めされている横にパッキン付きネジで補強します。

 

耐風改修のビフォー・アフター

工事前

工事後

築20年程度のF形瓦(非防災タイプ)の旧工法は、全数くぎ1本留めの場合もあります。

この場合は、葺き替えや葺き直しすることなく、接着工法で安価に耐風改修することができます。

古いF形瓦屋根が気になる人は、まずは、耐風診断からどうぞ。

 

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