瓦屋根の耐風性能を調べる試験です!
大きい公共の建物などは構造計算が必要とされます。
また、その屋根では耐火野地(木製の野地ではない)を使用されることが多くあります。
この場合、その屋根の仕様に対して、それぞれ、瓦屋根の耐風圧性能が求められます。
三河窯業試験場での瓦用耐風試験
三河窯業試験場において、瓦用耐風試験機で試験を行いました。
上の写真は瓦用耐風試験機の全景です。
試験用の屋根を試験機の下側に、実際の仕様で施工します。
瓦には、1枚1枚の瓦の真ん中に孔を開けボルトを留め付けます。
ボルトに試験機のワイヤーを繋げて真上に引っ張ります。
瓦9枚を同時に引っ張って、その屋根の仕様における耐力を測定します。
試験用の屋根の作成方法
試験体の作成を簡単に説明します。
青矢印の垂木(たるき)の上に、今回使用する黒矢印の耐火野地(厚み18mm)を留め付けます。
その上に、瓦を留め付けるための赤矢印の瓦桟木(今回は樹脂製)を留め付けます。
ここまでは、実際に施工する屋根の下地となるように、作成します。
瓦の留め付けをします!
この下地の上に、瓦を留め付けます。
使用する瓦、くぎ、ビス等も同じもので行います。
今回は瓦の留め付けは瓦桟木だけに留め付ける仕様となっているため、45mmの短いビス(ねじ)を使用しました。
耐風圧試験の概要
瓦の施工が終わると試験機の治具やワイヤー、変位センサーなどを取り付けてます。
試験機のワイヤー(青い部分で試験体と連結)は曲げ破壊試験につながれます。
目標荷重分だけ瓦を引っ張るために下側に引っ張ります。
瓦に付いた変位センサーの変位量が赤丸部分で表示されます。
試験体は真上に引っ張り上げられます。
上に荷重がかかると瓦同士に隙間ができます。
50mm以上変位すると不合格となります。
設定した荷重まで引き上げると、いったん、荷重は0まで引き下げます。
これを1回のサイクルとして、150回繰り返し荷重を付加します。
試験体が破壊することなく、150回繰り返してもとに戻れば合格となります。
設定する荷重は、地域・屋根高さ・屋根の部位などによって、計算で求めます。
実際に試験を行いました!
実際に、耐火野地・ホールレスの仕様で試験を行いました。
ホールレス仕様で樹脂桟木の場合は、白丸のように桟木の撓みが大きくなります。
しかし、荷重がセロになると元に戻ります。
150回繰り返して、耐火野地・ホールレス仕様で合格しました。
瓦屋根の性能試験は他にもあります!
このように、瓦の素材の評価だけではなく、施工状態での耐風性能、防水性能、耐震性能も日頃から試験して評価しています。
また、大型物件などでは、今回のように、それぞれの仕様で性能評価も行っています。
今後も瓦屋根を安全・安心・長寿命に使用していただけますように日々努力して参ります。
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
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