目次
雨樋の役割
雨樋は屋根からの雨水による雨漏りを防ぐ役割があります。
建物の屋根面に降った雨水を集めて、地面の雨水桝へと排水する一連の経路を担っています。
雨樋がないと、屋根に降った雨水は屋根から外壁へ伝わって、外壁を流れる雨水の量が多くなってしまいます。
また、軒先(屋根の先端)から直接、地面に落ちる場合は、地面で跳ね返ることで、建物の基礎や土台を濡らすこともあります。
雨樋を設置することで、屋根面からの雨水が外壁にかからないようにすることができます。
外壁が雨で濡れることが少なくなれば、外壁のシーリング材の劣化や外壁のヒビ割れなどからの雨漏りを防止することができます。
雨樋の種類と値段
雨樋の種類と値段の目安を紹介します。
【形状】
- 丸型
昔からある断面が半円形の雨樋です。
築20年前以上の和風住宅は丸型がほとんどです。
- 角型
断面が四角形になっている雨樋です。
デザイン的にスッキリしているので、洋風住宅で採用されています。
- 意匠型
デザイン性を重視した形状となっており、先端側を高くすることで樋と屋根の一体感のあるデザインが多く、高価な雨樋です。
- 内樋型
屋根と屋根の間に配置された内樋と呼ばれる雨樋です。
外部から軒樋が見えないため、スッキリしたデザインとなりますが内樋が詰まったり劣化したりすると雨漏りリスクが高いです。
各屋根形状に合わせて寸法・仕様となります。
【素材】
- 塩化ビニール樹脂
- 被覆鋼板
- ガルバリウム鋼板
- 銅
- ステンレス・アルミニウム
塩化ビニール樹脂は軽量で施工性がよく、安価なため広く使用されています。
ガルバリウム鋼板は鋼板でありながらメッキ層で保護され、錆びにくくなっています。
金属製の樋の中では安価となります。
銅製の雨樋は社寺仏閣などの日本建築でよく使用されています。
銅は鋼板に比べて非常に高価となります。
【値段】
雨樋の主な種類の価格の目安を紹介します。
丸型 | 角型 | |
---|---|---|
塩化ビニール製 | 2,000~3,000円/m | 2,500~3,500円/m |
ガルバリウム鋼板製 | 3,500~4,000円/m | 4,500~5,000円/m |
銅製 | 7,000~8,000円/m | 9,000~10,000円/m |
※足場費用は含まれていません。
雨樋修理が必要な症状
雨樋には早めに対処しないと雨樋が壊れたり雨漏りの原因となったりする症状があります。
- ゴミや落ち葉の詰まり
- つなぎ目のズレ
- ヒビ割れ・歪み
- 雨樋を支える金具のサビ・折れ
以下で簡単に紹介します。
①ゴミや落ち葉の詰まり
屋根に落ちた落ち葉や土ぼこり、ゴミなどは軒樋に入ってしまうことが多いです。
繊維状のものと土ぼこりが相まって、縦樋の落ちし口でふたをするような形で詰まってしまいます。
落とし口をふさいでしまうと軒樋からオーバーフローして、雨水が外壁を流れるようになるため、雨漏りリスクが高くなります。
②つなぎ目のズレ
樋と樋のつなぎ目がズレて隙間が発生することがあります。
つなぎ目から水滴が滴下するため、想定外の所に落ちて雨音が発生することがあります。
近隣から雨音がうるさいと苦情になったことをときどきお聞きします。
③ヒビ割れ・歪み
樋のヒビ割れも水滴が滴下する原因となります。
また、経年劣化で軒樋に歪みが発生することがあります。
縦樋へ流れる水勾配以上に歪みが発生すると縦樋へ排水できず、軒樋に雨水が溜まりオーバーフローしてしまうことがあります。
④雨樋を支える金具のサビ・折れ
雨樋を支える金具のサビ・折れによって、雨樋が変形したり、強風でバタつきが発生したりします。
雨樋は金具で固定されていますので、金具が損傷した場合は早期に修理が必要です。
雨樋修理に必要な費用
雨樋修理に必要な費用の相場を紹介します。
雨樋のメンテナンス内容 | 概要・内容 | 費用 |
---|---|---|
雨樋の掃除・DIY | 1階屋根の雨樋を自分で掃除する。 必ず下からはしご・脚立などを使用してください。※落下に注意してください。 | 0円(自分の時間だけ) |
雨樋の掃除・業者 | 屋根屋さんに掃除を依頼して、雨樋の詰まりを掃除する。 | 2~3万円 |
雨樋の部分修理 | 足場を設置せずに、部分補修する。 | 5~10万円 |
雨樋の塗装 | 外壁・屋根などに併せて、雨樋を塗装する。 | 5~10万円 |
雨樋の部分修理(一面部のみ) | 外壁の1面部分だけについている雨樋を、足場を設置して、交換する。 | 15~20万円 |
雨樋の全体交換 | 住宅の雨樋全体を交換する。足場全面に設置する。 | 25~60万円 |
※足場費用は含まれていません。
DIYで雨樋の掃除を行うことができれば、費用は0円です。
しかし、屋根の先端での作業となるため、危険な作業となりますので、専門業者に依頼することをオススメします。
2階以上の雨樋修理では足場が必要となります。
雨樋修理に併せて、屋根・外壁メンテナンスを行うことで足場代を軽減することもご検討ください。
雨樋修理に必要な期間
雨樋修理に必要な期間を紹介します。
雨樋修理内容 | 期間 |
---|---|
雨樋の掃除 | 数時間~1日程度 |
雨樋の部分交換 | 数時間~1日程度 |
雨樋の全体交換 | 1~3日程度 |
上記は足場設置の期間を含んでいません。
足場設置する場合は、プラス2~4日程度とお考えください。
雨樋修理の作業期間は数日と長くかかるものではありません。
しかし、部品の調達には時間がかかりますので、余裕を見て依頼されることをオススメします。
雨樋修理のDIYは可能?
雨樋修理のDIYの可能性は低いとお考えください。
1階屋根の雨樋でも高所作業となり、はしご・脚立を使うことになるので、落下の危険があります。
2階屋根以上では、足場が必要ですので絶対にやめておきましょう。
軒樋はスムーズに雨水が流れるように繊細な角度の調整が必要で、DIYとしては難易度が高いです。
屋根全体の軒樋が縦樋の落とし口へ向かって正しい水勾配で設置しなければならないからです。
DIYは1階屋根の掃除程度にしておきましょう。
雨樋修理はどこに頼むべき?
雨樋修理が可能な業者を紹介します。
- 家を建てた施工業者
- 大手ハウスメーカー
- 工務店
- ホームセンター
- リフォーム業者
- 塗装業者
- 屋根や雨樋の修理の専門業者
建築関係の業者であれば、どこでも対応できます。
費用を抑えたい方は、中間マージンが発生しない屋根・雨樋の修理専門業者に依頼しましょう。
大手ハウスメーカーなどはオリジナルの雨樋などを設置している可能性もあります。
部分交換を伴う場合はハウスメーカーに依頼することになる場合もあります。
雨樋の修理業者の選び方や費用相場について詳しくはこちらの記事で解説しています。
火災保険で雨樋修理ができる可能性について
火災保険を使って雨樋修理ができる場合は、雨樋の不具合が「強風・積雪・雹などの自然災害によるもの」であることが必要です。
経年劣化による雨樋の変形などは火災保険が使えない可能性が高いです。
雨樋の不具合は気が付かないことが多いので、自然災害なのか、経年劣化なのか一般の方ではわからないと思います。
修理業者に言われて、火災保険の申請を行っても必ず保険金が受け取れるとは限りませんので、ご注意ください。
台風などが直撃した場合は、翌日に雨樋を点検されることをオススメします。
台風による被害の有無を確認することで、火災保険で雨樋修理ができる可能性が高まります。
被害が無くても写真を撮影しておくことで、将来の自然災害の証拠となりますのでオススメします。
雨樋はメンテナンスが重要です
雨樋は破損してしまったり、歪んだりするため、定期的なメンテナンスが重要です。
不具合が発生した場合は、放置せずに修理しましょう。
とくに、枯れ葉などによる雨樋の詰まりはオーバーフローや雨漏りの原因となるため、雨樋の詰まりが起こらないように定期的な掃除を心がけましょう。
また、雨樋の掃除メンテナンスを負担と感じる方は、「落ち葉よけシート」を設置することも有効です。
軒樋の中に入れて落ち葉やゴミ等を入りにくくして、掃除メンテナンスを軽減することができます。
網状の落ち葉よけではなくて、シートの凹凸を利用して雨水を流し、落ち葉・ゴミ等は入れないというものです。
落ち葉よけシートについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
落ち葉よけシートをDIYで試しに設置してみました!(雨樋用)
【まとめ】雨樋は状態を定期的にチェックしておこう
雨樋には早めに対処しないと雨樋が壊れたり雨漏りの原因となったりする症状があります。
- ゴミや落ち葉の詰まり
- つなぎ目のズレ
- ヒビ割れ・歪み
- 雨樋を支える金具のサビ・折れ
不具合が発生した場合は、早めに修理することをオススメします。
台風などが直撃した場合は、翌日に雨樋を点検されることをオススメします。
台風による被害の有無を確認し、写真を撮影しておくことで、火災保険で雨樋修理ができる可能性が高まります。
また、雨樋の詰まりを定期的に掃除することも必要ですので、降雨時に雨樋から水漏れしていないかチェックしておきましょう。
屋根・雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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