目次
古い日本瓦屋根棟部は耐風・耐震改修が必要なの?
2018年の大阪、2019年の千葉と巨大台風の上陸で、屋根に大きな被害が発生しました。
その内、約7割が古い日本瓦屋根の被害です。
特に、棟部は多くの被害が発生しました。
上の写真は、大阪での台風被害の建物で、古い日本瓦屋根の棟部が飛散していました。
耐風改修の費用対効果を考えますと、以下の順番で耐風改修を検討されることをオススメします。
①2階棟部
②2階平部
③1階棟部
④1階平部
もちろん、予算があり屋根全体の耐風改修を行えば、今後の自然災害にも安心です。
古い日本瓦屋根棟部の3つの耐風改修・耐震改修方法とは?
古い日本瓦屋根棟部の耐風改修・耐震改修は、大きく分けて3つの方法があります。
- 松:古い棟部を解体して、のし瓦積み工法で復旧
- 竹:古い棟部を解体して、冠瓦1本伏せ工法で復旧
- 梅:古い棟部をそのままで、外付け棟補強金物工法で補強
竹の古い棟部を解体して、冠瓦1本伏せ工法で復旧することが基本だとお考えください。
しかし、予算によっては、もっとも安価となる梅の古い棟部をそのままで、外付け棟補強金物工法で補強することをオススメします。
古い日本瓦屋根棟部の外付け棟補強工法による耐風改修・耐震改修は大丈夫?
瓦屋根標準設計施工ガイドラインに定められた棟の回転式耐震試験で合格しています。
阪神淡路大震災でも脱落しない強度があるかどうかを確認する試験です。
のし積み瓦工法を評価する上で、のし積みが3段以上の場合、耐風力よりも耐震力が上回るため、耐震試験での合格が必要となります。
つまり、外付け棟補強工法は耐震・耐風改修の両方において、効果があることが確認されています。
古い日本瓦屋根棟部の外付け棟補強金物工法による耐風改修・耐震改修事例
耐風改修・耐震改修事例をご紹介します。
古い日本瓦屋根棟部
日本瓦屋根の棟部で、緑色の緊結線が見えるものは旧工法の仕様となっていて、耐風性能・耐震性能が乏しいです。
巨大台風では、緑色の緊結線が切れ、棟の瓦が飛散してしまいます。
巨大地震では、棟の葺き土・しっくいが崩壊して、棟の瓦が脱落します。
棟補強金物で土台を屋根下地に留め付け
アルミ製補強アングルをのし瓦の一番下を抑えるように屋根下地へ留め付けします。
①瓦の桟山(さんやま/瓦の頂点部分)位置で、アルミアングルに孔を開けます。
②アルミアングルの孔を通して、瓦の桟山に孔を開けます。(瓦の桟山は雨が入りにくくなっています。)
③留め付けるパッキン付きビスのねじ部分にシーリング材を塗布します。
④パッキン付きビスで補強アングルを屋根下地へビス留めします。(補強アングルとともに、棟際の桟瓦も屋根下地へ留め付けられます。
3枚に1枚以下のピッチで補強アングルを屋根下地へ固定します。
⑤棟の左右を補強アングルで固定します。
⑥左右の補強アングルからステンレス線で冠瓦を留め付けます。(冠瓦が補強アングルを介して、屋根下地に固定されます。)
⑦棟際の桟瓦、棟ののし瓦・冠瓦同士を接着剤で接着します。(棟部が一体化された状態で、屋根下地に固定されます。)
隅棟も同様に外付け棟補強金物工法で固定します。
古い日本瓦屋根棟部の外付け棟補強金物工法による耐風改修・耐震改修のビフォー・アフター
工事前
工事後
見た目にも特別な違和感なく、耐風改修・耐震改修することができます。
一般的な住宅であれば、1日で改修工事を終えることができます。
まとめ:古い日本瓦屋根棟部を外付け棟補強金物工法で耐風改修・耐震改修した事例をご紹介しました。
2018年の大阪、2019年の千葉と巨大台風の上陸で、屋根に大きな被害が発生しました。
耐風改修の費用対効果を考えますと、以下の順番で耐風改修を検討されることをオススメします。
①2階棟部
②2階平部
③1階棟部
④1階平部
耐震改修の費用対効果を考えますと、以下の順番で耐震改修を検討されることをオススメします。
①2階棟部
②1階棟部
③2階平部
④1階平部
耐風・耐震の両面を考えますと、①2階棟部はもっとも改修が必要な場所と言えます。
もちろん、予算があり屋根全体の耐風改修・耐震改修を行えば、今後の自然災害にも安心です。
古い日本瓦屋根棟部の耐風改修・耐震改修は、大きく分けて3つの方法があります。
- 松:古い棟部を解体して、のし瓦積み工法で復旧
- 竹:古い棟部を解体して、冠瓦1本伏せ工法で復旧
- 梅:古い棟部をそのままで、外付け棟補強金物工法で補強
費用がもっとも安価な外付け棟補強金物工法で、1日で耐風改修・耐震改修を終えました。
見た目にも、大きな違和感はありません。
瓦屋根の耐風改修・耐震改修に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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