先月、東京の石川商店さまの葺き替えの現場(神奈川県横浜市内)で、偶然見つかった弊社の古瓦をお願いして分けていただきました。
築70年以上で、第2次世界大戦(太平洋戦争)を経験し、生き残った瓦です。
瓦の刻印に屋号のやまほん、地名の三州・郄茺に神谷清九郎製の文字が刻まれています。
(弊社の旧社名:神谷清九郎商店)
棟に使う冠瓦に記されていました。
表・裏ともカケ・ひび割れ等なく著しい劣化はありません。
まだまだ現役で使える瓦です。
同じ現場での桟瓦です。
裏面に同じ刻印がありました。
下側に2つの剣と呼ばれる桟木に引っ掛ける突起がでています。
関東地方は土葺きではなく、70年以上前から引っ掛け桟葺きでした。(関東大震災以降だと思います。)
瓦は釉薬瓦ではなく、いぶし瓦(表裏同じ色)でした。
雪止瓦です。
赤丸は雪を引っ掛けるための輪(でっぱり)となっています。
70年以上前でも、輪の中をくり貫く(中空部分)技術があったのだと驚きました。
桟瓦の寸法を測定しました。
働き幅245?、働き長さ198?となっていました。(68枚/坪の大きさ)
桟瓦の重量は2.373kg/枚でした。
これから計算すると、161kg/坪の重量の瓦(70年前)でした。
現在の瓦53枚/坪の重量は138kg/坪となっていますので、現在の瓦は約15%の軽量化が進んでいることが確認できました。
70年以上の間、雨や風、台風、雪、日射、紫外線、暑さ、寒さ、戦争、地震など厳しい屋根環境を耐え抜き、まだ現役で普通の家を守っていた瓦屋根はあらためてすごいなぁと思いました。
また、貴重な70年以上前の瓦及びその情報をいただいた石川商店さまには本当に感謝申し上げます。
神清からのお願い
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