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石綿スレート屋根葺き替えはアスベスト飛散防止対策が必須です!
化粧スレート屋根の葺き替え現場がありました。
築年数から判断して、アスベスト含有建材のため、アスベスト飛散防止対策を講じて、葺き替えを行いました。
石綿スレートって?
最近では、化粧スレート屋根と呼んでいますが、昔は石綿スレートと呼ばれていました!
剥がした化粧スレートの裏面に、ちょうど商品札が張り付いたままのものがあり、記念撮影で、パッシャと撮りました。
商品札をよく見ますと、
名称:石綿スレート
成分含有量:石綿(10〜20%)
重量比で20%とですので、石綿はワタのように軽いので、体積比で考えてみるとものすごい量の石綿が含有されていることに・・・想像しただけで、鳥肌になります。
さらに注意事項を見ますと
多量に粉塵を吸入すると、健康をそこなうおそれがありますから、下記の注意事項を守ってください。
1.粉塵が発散する屋内の取り扱い場所・・・換気装置を設けてください。
2.取り扱い中は、必要に応じて防塵マスクを着用してください。
3.取り扱い後は、うがい及び手洗いを実行してください。
4.作業着に付着した場合は、よく落としてください。
5.一定の場所を定めて貯蔵してください。
となっています。
十分にアスベストによる健康被害を理解している文章になっています。
しかし、防塵マスクの着用について、必要に応じてと作業者に判断させているところが恐ろしいです!
この注意事項は施工時のものです。
この危険な屋根材を葺き替えするときは、さらなる注意が必要となります。
法令では、解体時には湿潤化作業が必須となっています!
しかし実際には、ほとんどの現場で対策をせずに葺き替え工事を行っています!
とても恐ろしや、恐ろしや!
アスベスト飛散防止対策 (太陽光パネル設置時)
太陽光パネルをスレート屋根に取り付ける際には、スレート屋根にあなを開けて、取付金具を設置します。
そのときにアスベスト入りの粉じんが飛散するため、その対策を求められています。
あなを開ける際には湿潤化が法令でもとめられていますので、その対策としては湿潤化しながら粉じんを飛散させることなくあなをあけるDHドリルがあります。
DHドリルの有無でどのぐらい飛散を防止できるか比較した動画がありますので紹介します。
DHドリルに関してはこちらをご覧ください。
アスベスト飛散防止対策とは?
そこで、アスベスト飛散防止対策を実施した屋根の葺き替えを行った現場をご紹介いたします。
アスベスト飛散防止対策の概略は、簡単に言うと掃除機で吸引しながら釘を引き抜くというものです。
作業者をよく見ますと、RL3というアスベスト対応マスクを着用し
ます。(自分の身は自分で守ることが必要です!)
棟部の長い釘を抜くときはより飛散するリスクが高くなるため、2人作業で、確実に掃除機で吸いながら行います。
掃除機もアスベスト混入品対応のULPAフィルター付を使用します。
スレート釘は専用の吸引口付釘抜きを使用します。
スレートは一枚ずつ手ばらしで割らずに降ろします。
割ると破断面からアスベストが飛散するため、手ばらしすることになっています。
屋根から降ろしたスレートは飛散防止用フレコンに丁寧に入れて封印して廃棄する。
アスベスト対策は必須となっています!
このように安全対策を実施しながら解体・葺き替えすることが法令により定められています。
ご自宅やご近所でスレート屋根の葺き替え・解体・カバー工法などが行われる場合はちゃんとアスベスト対策されているのか?ご注意ください。
その他、現場で気になったところ!
また、以前ご紹介した踏み割れ以外にもスレート屋根の経年による問題点もいくつか見られました。
★隅棟から漏水
土埃の侵入も悪影響を及ぼしていますが、水切りの形状にも問題があります。
オーバーフローして下葺き材用を流れていることがわかります。
大量の土と水の形跡が全長に渡って見られます。
★トップライト廻りからのオーバーフロー
トップライト廻りの水切りから、土と水のオーバーフロー痕が見られます。
トップライトの上端で溜まった雨水が水切りを超えて下葺き材上に流れ込んでいます。
★スレートとルーフィングの貼り付き
化粧スレートは直接ルーフィング上に施工してあるため、高温となりスレート裏面にルーフィングが張り付いていました。
そのため、スレートを剥がすとルーフィングが一緒に破れてしまいます。
化粧スレートは踏み割れが多く発生するために、マニュアルの補修方法では差し替えてくださいとなっています。
しかし、実際には化粧スレートを引き抜くと貼り付いているルーフィングが破れますので、差し替えると雨漏りの危険性が高くなると言えます!
まとめ:石綿スレート葺き替え時の飛散防止対策の必要性が確認できました!
この現場で、スレート裏面に石綿スレートと表示されたものを見て、あらためて法令順守した作業を行わなければならないと強く思いました。
アスベスト(石綿)で発症するのか?しないのか?はその人が吸い込んだ量には関係ないそうです。
少量でも吸引することは大きな健康リスクとなりますので、ご自宅がスレート屋根の方は十分にご注意ください。
ちなみに、現在、大学や研究機関、自治体ではアスベスト含有建材は実験などしたくても持ち込みがNGとなっています。
知っている人からすると、それほど厄介な屋根材ということなんですよ!
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