片流れ屋根のリスクってなに?
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
片流れ屋根は近年とても採用率が多くなっています。
デザイン・コスト・太陽光パネル設置などのメリットがあります。
しかし、屋根の耐久性に関してはいくつかのリスクがありますのでご紹介いたします。
①漏水リスク
(1)水上側軒先の雨仕舞の不良
風雨をもっとも受けやすい屋根面の一番高い位置で、野地板と破風板の取り合い部ができます。
野地板から破風側に伝い水が流れた場合、小屋裏に入りやすい構造になっています。
対策としては、野地板と破風板との防水層の一体化や水切り形状で伝い水を防ぐ必要があります。
(2)水上側軒の出と壁との取合い部
風雨のもっとも受けやすい部分で軒の出と壁の取合い部ができます。
軒天からの伝い水が壁との取合い部へ浸入しやすい構造になっています。
また、軒天に小屋裏換気孔がある場合もあります。
対策としては、雨仕舞を考慮に入れた設計が必要となります。
また、取り合い部のシーリング切れをメンテナンスする必要があります。
(3)けらばからの浸水(屋根面の流れ長さの延長)
単純に考えると切妻屋根の2倍の流れ長さとなり、けらばの軒先部では捨て水切りに流れる水量も2倍となります。
対策としては、けらばの捨て水切りの形状を変更して、排水量を多くすることや土・埃が捨て水切り内に溜まらない構造とすることがあります。(シール材付きケラバ水切り)
また、けらばの下葺き材の強化(増し張りなど)も必要となります。
②結露発生リスク
(1)北側斜線を考慮した北面屋根
北面片流れ屋根の場合、屋根勾配を6寸以上にすると冬至頃は1日中、屋根面が日陰となります。
壁や室内から小屋裏に入った湿気が北面野地合板に吸湿されやすく高含水傾向となり、結露が発生します。
(2)太陽光パネル設置の南面片流れ屋根
南面片流れ屋根の場合、太陽光パネル設置部分と太陽光パネルが設置されていない部分では、野地の温度差が大きくなります。
太陽光パネルが設置されていない部分の野地は高温となり乾燥して湿気を放出し、その湿気は太陽光パネル設置部分の下で1日中日陰となっている野地部分へ移動します。
そのため、パネル下の野地は高含水傾向となり、結露発生リスクとなります。
結露対策
対策としては、どちらも小屋裏換気を十分に確保することが必要です。
また、野地面通気と透湿性のある下葺き材を使用して、野地上から排湿することも有効です。
まとめ:片流れ屋根は雨漏りと結露の両方のリスクがあります!
片流れ屋根の新築時の雨漏り事例は大変多くなっています!
今後、経年での雨漏りや結露事例が増えることが予想されます!
耐久性・メンテナンスコストも配慮されたデザイン性の優れた片流れ屋根の参考になれば幸いです。 (#⌒∇⌒#)ゞ
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