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瓦屋根のメンテナンス! 耐震化リフォームをお勧めいたします!
みなさま。こんにちは。
屋根から人の笑顔を作りたい!!!
神清(かみせい)のDr.神谷です。
東日本大震災から5年が経過しました。
大震災では、大きな揺れにより、瓦屋根に多くの被害が発生しました。
今日は、同業者の社長さんから耐震工法について、ご助言いただいたのでタイムリーに改めて被害原因について考えてみたいと思います。
2011年3月の衛生写真
黄色のマークはブルーシートがかかっている屋根です。
この狭いエリアで約110棟の瓦屋根に被害が発生しました。
瓦屋根の被害は棟部
その被害の多くは下写真のような棟での被害でした。
瓦屋根の棟部(一番上の部分)が大きな揺れで倒壊しました。
さらに限定すると、ほとんどが築20年以上の日本瓦屋根の棟部でした。
日本瓦屋根・棟部の被害の原因は?
この原因について調べました。
上図は瓦棟部の断面図です。
棟部は瓦を葺き土で固めた工法となっています。
2003年以前によく行われていました。
現在では、旧工法と呼ばれている工法で、その代表例が大回し工法(上図のように、冠瓦とのし瓦だけを銅線で大きく回して縛っている工法)です。
冠瓦・のし瓦が建物の棟木などの躯体と連結されておらず、葺き土だけの密着による形状保持であるため、大きな揺れで土と瓦の密着面が剥がれ脱落したというものです。
現在の日本瓦屋根の工法は?
現在の瓦屋根は、耐震性が実証されているガイドライン工法で施工されています。
旧工法との大きな違いは、棟部の中に補強金物が入っていて、建物躯体と冠瓦・のし瓦が連結されていることです!
補強金物
赤丸が補強金物です。
冠瓦を留め付ける垂木を固定する役割があります。
補強金物が入ることで、瓦棟部と建物躯体とが連結します。
のし瓦同士の相互緊結
棟をまたいだ左右ののし瓦同士を1枚毎銅線で連結させます。
冠瓦を躯体に連結
冠瓦は1枚毎に建物躯体に連結している垂木にねじ留めします。
これで、ガイドライン工法の棟部が完成となります。
この巨大地震に対する耐震性は実大振動実験で実証済みです。
耐震化リフォームのすすめ
関東から関西までの大地震が発生していない地域では、旧工法の瓦屋根がまだ数多く施工されています。
住宅の点検時などに確認されることをお奨めいたします。
地上から棟部を見るだけで、簡単に旧工法かどうか見分けることができます。
冠瓦とのし瓦の外側を銅線がぐるぐると巻いている線が見える場合は旧工法である大回し工法となります。
2003年以前屋根では、もうすぐ15年以上経過したことになりますので、部分補修として、棟部の耐震化をお奨めいたします。
耐震金物を外付けする比較的安価な補修方法も愛知県さんとの共同研究で開発されていますので、興味のある方は瓦専門工事店さんなどにご連絡ください。
まとめ:日本瓦屋根の棟部を耐震化リフォームしましょう!
東日本大震災の被害が発生した瓦屋根の多くは、築20年以上の旧工法の棟部でした。
現在はガイドライン工法で、巨大地震に耐えうる仕様となっています。
築20年以上の日本瓦屋根にお住まいの方は、是非、耐震化リフォームを行ってください!
このブログを読んでいただいた方は、とりあえず、すぐに自宅の屋根を見てください。
これも何かの縁で思い立ったら吉日ですよ〜。
何かありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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