瓦屋根の古い日本瓦屋根棟部の外付耐震簡易補強工法の耐震試験は合格でした!
粘土瓦の既存棟(旧工法・築20年以上)は、巨大地震の場合に倒壊などの被害が発生することがわかりました。
そこで本来は住宅の定期メンテナンス時に、耐震工法である、いわゆるガイドライン工法で耐震化する必要があります。
しかし、費用・施工日数がある程度かかるためなのか?なかなか実行されていません。
そこで、既存棟に外付け金物を設置する棟耐震簡易補強工法を考案しました。
その耐震試験の結果をご紹介いたします。
試験場所:あいち産業科学技術総合センター 常滑窯業技術センター 三河窯業試験場
試験内容:耐震性能試験(地震により瓦がずり落ちたり、浮き上がったり、落下することがないように、施工した瓦屋根の地震に対する性能を評価する試験です。)
試験方法:(瓦屋根標準設計・施工ガイドラインに準拠)
約2mの試験体を回転板に取り付け、90度傾け回転させます(鉛直回転法)。
横軸の回転速度は棟部に加速度が生じない3rpm程度とします。
試験の合否は10回転の加力で冠瓦、のし瓦が脱落、浮き上がり、異常なずれが見られない場合、水平加速度1Gに対応した地震力に対する耐力があると判定します。
●試験体架台の作成①(旧工法)
架台へ旧工法である大回し工法により瓦屋根の棟を施工しました。
棟はのし瓦5段、冠瓦(ス丸)の仕様としました。
旧工法(大回し工法)は冠瓦・のし瓦・土は銅線で結ばれていますが、建物(躯体)には連結していません。
●試験体架台の作成②(棟耐震簡易補強工法)
旧工法試験架台に外付け金物を取り付け、棟耐震簡易補強工法による試験体架台を作成しました。
棟際の桟瓦の山部に孔を開けます。
冠瓦と外付け金物を棟の両側で引っ張り合うように緊結して完成です。
●試験結果(棟耐震簡易補強工法)
棟耐震簡易補強工法による耐震性能試験を行いました。
試験体を耐震性能試験装置に設置します。
下写真のように試験体を垂直に起こし、その後、10回転させました。
試験後、崩れ・傾き等もなく、ガイドライン試験に合格しました。
1G(阪神大震災程度)に対応した地震力に対する耐力があると判定されました。
既存棟を解体することなく、外付け金物を設置することで、安価・短期間に雨漏りの心配もなく補強できることを確認しました。
実際の現場において、このように設置することができます。
棟の耐震工法は他にもあります。
南海トラフ巨大地震が発生すると心配されていますので、定期点検時に、是非、棟耐震補強のメンテナンスを行ってくださいね~! (#⌒∇⌒#)ゞ
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