知らない人は絶対損してる!『昔の雑誌からわかる消えた屋根材ガイド』
こんにちは~。
屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。
先日、屋根補修現場の屋根材がどのようなものか?問い合わせがあり、昔の屋根業界雑誌を見て調べました。
結局、不明なセメント系屋根材
その業界雑誌は日本屋根経済新聞が発行した「屋根Selection’89」です。
今から28年前、1989年のいろいろな屋根材(瓦、セメント、金属屋根・・・)の紹介がされています。
住宅の平均寿命は30年程度ですから、まだ、現役の屋根材として使用されていてもおかしくありません。
問い合わせいただいた屋根材は写真からセメント系屋根材だったので、この雑誌の中に同じものがあるか調べましたが、結局、わかりませんでした。
屋根材が不明となると部分補修がむずかしくなり、多くの場合、大規模な葺き替え工事となります。
衝撃の名前
28年前の屋根材がどんなものか?と見ていると衝撃の名前がありました。
「石綿セメント系」と堂々と名乗っています。
現在でいう化粧スレート屋根材ですが、10年前まで石綿(アスベスト)入りでした。
28年前では、「石綿・セメント・特殊鉱物質を主原料に・・・。高品質、高均一性・・・」と石綿によって、高品質であることをPRしています。
今思うと発がん性物質を高品質の売りにするという恐ろしい表現となっています。
もちろん、この「アーバニー」は廃版であり、太陽光パネル設置もNGの屋根と聞いています。
大クレーム商品
続いて、目が止まったのが、大クレーム商品となり、お施主様がたいへん被害を受けた「かわらU」です。
「かわらU」という名前ですが、粘土瓦ではありません。
これも石綿セメント系で、すでに廃版です。
主に、金属屋根、化粧スレート屋根が錆び・褪色などの劣化が著しい状態となったため、古い屋根材の上にカバーする形で施工できることが売りでした。
しかし、「かわらU」自体も劣化が著しく、大クレームとなったそうです。
お施主様にとっては、石綿入り屋根材の上に石綿入り屋根材をカバーするという悪夢のような話です。
「かわらU」という粘土瓦を連想させるような名前で、さらに、お施主様を混乱させるという悪名高き屋根材です。
金属屋根から石綿セメント系へ
最近ではセメント系屋根を金属屋根に葺き替えすることがあります。
しかし、昔は逆だったようです。
劣化した金属屋根を石綿セメント系屋根に葺き替えできますとPRしています。
これも最悪の提案ですね。
もちろん、「ニューウェーブ」も廃版です。
石綿が使用禁止になっただけではなく、このセメント系屋根材自体もありません。
「金属屋根のようなペンキの塗り替えが不要です。」と書いてありますが、セメント系自体も塗装商品であり、再塗装が必要なのですが、この頃はわかっていなかったようですね。
INAXさんが屋根材を
びっくりしたのが、タイル・衛生陶器のINAXさんが屋根材を販売していたようです。
「釉薬セメント瓦」というこれもわかりにくい名前です。
分類は厚形スレートの仲間でした。
まとめ
昔の屋根雑誌を見ると数多くの屋根材が消えています。
特に、セメント・スレート系は廃版となっています。
ほとんどが耐久性に問題が発生して、大クレームとなっています。
長寿命住宅をご検討の方は参考にしてくださいね~!
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