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雨漏りの原因がわかりにくかった事例です。
築年数は40年程度経過した、木造住宅の事例です。
しっかりした材料・造りをされた住宅で、かつ、お施主様の手入れ・維持管理もよく行われているようで、とても築40年とは思えないお宅でした。
お客様に伺うと
ルーフバルコニー付近から雨漏りしていると思うけど、長年、直らなくて困っている!
建設当時、大工さんからは、「雨漏りのリスクがあるから下屋根に後付けのバルコニーがいいよ。」と言われたが、デザインの問題から高級感のあるルーフバルコニーをお客様が採用したそうです。
結果、建設当初から雨漏りが発生して、お客様は後悔されたそうです。
そんなに風が吹いていない雨でも雨漏りする。
伺った前日は、それほど風のない雨だったのですが、雨漏りしていました。
点検口を除いて、赤外線サーモグラフィを撮影すると水分による温度低下が見られました。
赤外線サーモグラフィを使用した調査を行いました。
そこで、ルーフバルコニー部分を撮影しました。
外壁に水分の浸入を示す温度異常は観察されませんでした。
ルーフバルコニーの内壁も確認しましたが、水分による温度異常はありませんでした。
ルーフバルコニーの壁は問題ありませんでした。
外壁の付属物を散水調査しました。
そこで、外壁の付属物に散水を行いました。
付属物の貫通孔からの雨水浸入を疑いました。
しかし、何カ所か散水を行いましたが、雨漏り箇所に変化は起きませんでした。
こうなると頭の中はパニックになります!
どこか見落としていないか。
いろいろな条件を何度も何度も検討して、可能性のある浸入経路を想像します。
想定していなかったルートが思い付きました。
すると1か所浸入ルートが浮上してきました。
ルーフバルコニーの手すりの角度に違和感を感じました。
測定してみると1°だけ、逆勾配になっていて、手すり内に浸入すると躯体側に逆流する構造になっていました。
そこで、手すりに散水してみるとビンゴ!
雨漏り箇所に反応がありました。
数カ所で温度低下を示しました。
少し経過して目視でも観察してみると、
目視でも水滴を確認できました。
数社の業者さんが雨漏り補修を試みたが雨漏りは止まらなかった。
この物件は、数社業者さんが試みたが雨漏りを止めることができなかった難解な雨漏りでした。
雨漏りを止めるには、外壁の全面塗装しかないと業者に言われて、2年前に塗装していました。
それでも、結果、雨漏りは止まらなかった。
雨漏りは補修する前に、しっかりと調査しましょう!
雨漏り浸入ルートを的確にみつけることで、必要な修繕方法を施すことができます。
手すりが原因の場合は、外壁の再塗装は効果がありません。
雨漏り修繕の場合、しっかりと調査できる所に依頼することをお奨めいたします。
築年数が経過した家は、全体的に劣化している場合が多いです。
しかし、全体を修繕したら雨漏りが直るとも限らないのです。
雨漏り補修、まずは調査から!
雨漏りに関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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