工事の概要
屋根材:日本瓦屋根(J形瓦)青色(青緑/せいろく)
旧工法(土葺き・留め付けなし)⇒ F形Uタイプ防災瓦ガイドライン工法(耐風・耐震工法)で葺き替え
価格:1㎡当たり=約20,000円(足場、下地補強抜き)
工期:7日間
築年数:約40年
青色の瓦屋根の耐風診断・耐風改修 F形Uタイプ防災瓦で葺き替え
台風による被害と雨漏りが心配で、古い青色の瓦屋根の耐風診断の依頼がありました。
青色の瓦屋根が流行った時期があり、その多くは30~40年経過しています。
耐風診断した結果、平部(ひらぶ)は旧工法(土葺き工法/どぶき)で、棟部(むねぶ/屋根の頂部)も旧工法(大回し工法/おおまわし)となっていて、耐風性能・耐風性能が乏しい屋根でした。
軒先部(のきさきぶ/屋根の先端)とけらぶ部(屋根の両端)も留め付けが少なく、強風で飛散する可能性のある工法となっていました。
天井上の小屋裏に入って、点検したところ、雨漏り箇所はありませんでした。
「屋根を軽くしたい」、「将来のメンテナンス費を抑えたい」とのご要望があり、古い瓦・葺き土を撤去して、新しくF形防災瓦で葺き替えするご提案をしました。
青色の瓦屋根の葺き替えをご紹介します。
耐風診断を実施
30~40年前に流行った青色の瓦屋根でした。軒先部は所々銅線で緊結しているだけの旧工法となっていました。
棟部は銅線でのし瓦と冠瓦と葺き土を巻いているだけの旧工法となっていました。
けらば部は1か所だけ銅線で緊結している仕様となっていました。
銅線同士を連結させるためにワイヤーが這わせてありますが、耐震性の向上にはほとんど効果はありません。
小屋裏に入ってみると、野地板はバラ板となっていて、隙間も2㎝程度開いていました。
くぎが一本も出ておらず、土葺き工法だと確認できました。
瓦屋根全体の耐風性能・耐震性能が乏しい仕様であるという診断結果をお伝えして、お客様のご要望に沿う形で、F形防災瓦への葺き替えする耐風改修を行いました。
耐風改修の手順
1.既存の瓦をめくる
瓦の下は葺き土があり、土葺き工法となっています。瓦が建物に留め付けられていない状態でした。
分別回収するため、まず、瓦をめくりました。
2.瓦の下地をめくる
瓦をめくると、葺き土がでてきます。
葺き土・杉皮などの下地をめくります。
杉皮の下に小屋裏から見えた黒い防水シートが全面に施工されていました。
3.新しい屋根下地を設置
野地合板を垂木に留め付けします。
その上に新しい防水シート(改質アスファルトルーフィング)を張りました。
水抜きテープを流して、その上に瓦桟木を設置しました。
谷部には、ステンレス製の谷板金を使用しています。
所々、屋根に不陸があるため、調整材を瓦桟木の下に入れて高さを調整します。
4.F形Uタイプ防災瓦を設置
軒先部・ケラバ部とも瓦1枚につき、くぎ・ネジなどで3点留めします。
斜めにカットした勝手瓦(かってかわら)も全数留め付けます。
棟際の半端瓦(はんぱかわら)もくぎ孔を開けて留め付けます。
棟部は、棟補強金物を建物に留め付け、芯木で連結させます。
防水のために芯木と桟瓦(さんかわら)の間になんばんしっくいを入れて隙間をなくします。
芯木に冠瓦をパッキン付きネジで留め付けして、耐風・耐震性能の高い瓦屋根の完成です。
耐風改修のビフォー・アフター
工事前
工事後
旧工法の瓦屋根を全面葺き替えすることで、耐風・耐震仕様の屋根に生まれかわります。
古い日本瓦屋根が気になる人は、まずは、耐風診断からどうぞ。
神清からのお願い
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