屋根における結露発生のメカニズム!少しむずかしいですが、イメージだけでもいかがですか?

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こんにちは~。
屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。

屋根における結露発生に関して、今日は結露発生する仕組みをご紹介いたします。

 

前回の事例写真の続きとして、結露について基本的な部分からご説明いたします。
グラフが出てくるため、読みたくなくなると思いますがなんとなくイメージをつかんでいただければ十分です。

 

空気中には多かれ少なかれ、水蒸気が含まれています。

ある限定された空間に水蒸気を加えていくとやがて一杯となりそれ以上は入らなくなります。
この状態を飽和といいます。

含み得る最大の水蒸気量は温度に依存し、温度が高くなるにつれて2次曲線的に増加します。

結露111

 

上図で結露発生のメカニズムを示します。

縦軸は絶対湿度(kg/kg’)、横軸は温度(℃)となっています。
絶対湿度とは、一般に存在する空気中の水蒸気の重量割合(全て水分を含まない空気・1kgに対する)を示しています。

ななめの曲線Aは相対湿度100%(飽和曲線)、70、50はそれぞれ、相対湿度70%、50%を示しています。

普段生活で使用している湿度という言葉は、相対湿度のことで、湿度○○%と言っています。
相対湿度とは、ある温度の空気中に含みうる最大限の水分量(飽和)に比べて、どの程度の水分を含んでいるかを示す値です。
水蒸気(湿気)の移動は、絶対湿度の大きい方から小さい方へ移動します。
相対湿度の大小ではありませんので、ご注意ください。

 

 

未飽和の空間の点

B(温度25℃、湿度70%)の

温度が下げていくと、点Bから点Cに向かっていきます。相対湿度は徐々に大きくなります。

 

やがて、点Cで100%に達します。このときの温度(19℃)を露点温度と呼びます。

それ以下の温度では、全部が水蒸気として、存在することができず、一部が水滴となります。この現象が結露になります。(点D)

 

想像しやすいものとして、冬期の暖房時の窓ガラスの結露のように、室内の温度が高く外気が冷えていて窓ガラスの内表面温度が露点温度以下となる場合に発生する結露を冬型結露といいます。

 

強い日射を受け高温となった外壁下地材中の水分が冷房で冷えた室内側に移動し防湿層裏で凝縮する結露や、夏期に高温高湿の外気が冷えた床下地盤に接して発生する結露などを夏型結露といいます。

建築では、冬型・夏型の結露を分けて考え、その対策を検討しています。
昨日の屋根での事例写真も夏型・冬型に分けて対策を検討する必要があります。

夏型結露は外気側が高く室内側が低い場合に発生する結露であり、屋根の事象では昨日の事例写真の番号でいいますと②ルーフィング上、③野地合板の外側、⑤野地合板を留めるクギの頭部、⑦屋根材を留めるクギの頭部が該当します。

 

冬型結露は暖房時に室内温が高く外気温が低い場合に発生する結露であり、屋根の事象では、①屋根材の表面、②屋根材の裏面、③ルーフィングの裏面、④野地合板の室内側、⑥・⑧釘周りが該当します。

これらの対策については、別途、ご紹介いたします。

 

最後に、屋根において結露(水滴)発生しなければいいのか?という疑問もあると思います。
屋根下地に使われる野地合板は、結露が生じる条件下でも表面に水滴を確認できないこともあります。
これは、多孔質の合板が水分を吸収して、合板の内部に拡散させるためです。

 

そこで、相対湿度と合板の含水率の関係を示します。

 

結露112

 

木材は一般に、含水率が30%以上になると腐朽が進行すると言われています。

<pcolor=”#ff0000″>合板の含水率は周辺の相対湿度が90%を超えると急激に増大します。

<pcolor=”#0000ff”>(青色矢印)

 

相対湿度が98%付近になると含水率は30%に達します。

 

従って、野地合板を腐らせないようにするには、結露の発生源を抑えるのはもとより、合板の含水率が30%より小さくなるような環境を保つことが重要になります。 (#⌒∇⌒#)ゞ

 

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