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パミール屋根のタッカー・くぎがさびている カバー工法は危険です
この記事は、「スレート屋根で、運悪くパミールが施工されている」「パミールのメンテナンスを考えている」という方向けに書かれています。
ほとんどの方は、築10年を過ぎて、スレート屋根を塗装しようとしたら、「パミールだから塗装できない」と言われて、はじめて、パミールの存在を知ったのではないでしょうか?
この記事では、パミール屋根のタッカー・くぎがさびている原因をご紹介します。
製造メーカーがすすめるカバー工法でいいのか?ご参考にしていただければと思います。
パミール屋根のタッカー・くぎはさびている
築10年過ぎのパミール屋根を葺き替えした現場の写真です。
パミールとは?
パミールとは、スレート屋根の中の1つ商品です。
製造元は、ニチハ(株)(サイディング最大手のメーカー)で、その屋根材商品だったのですが、すでに、10年前に廃盤品となっています。
パミール自体にの表面のはがれ・層状はく離が発生して、塗装することができず、大きな問題となっています。
パミール自体の表面のはがれに関しては、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
タッカー・くぎがさびている
上の写真をみると、タッカー(パミール下の防水シートを留めているホッチキスの針のようなもの)がさびています。
10年程度で、くぎの頭もさびています。
これは、屋根屋の常識では、あり得ないことなんです。
暴露している鉄くぎでも、10年ではこれほどひどくさびないです。
タッカーのさびは、スレートと防水シートの間に、水分・湿気が溜まっていることを示します。
他のスレート屋根ではタッカーはさびているの?
カラーベストでは?
他のスレート屋根で、現在も生産されている唯一の商品、カラーベスト(旧クボタ鉄工)では、ほとんどタッカーのさびを見たことがありません。
カラーベストは乾式製法と呼ばれる独自の製造方式で、スレート自体がパミールに比べて、水を吸う力は半分以下となっています。
雨がスレート屋根の中へ浸入しても、カラーベスト屋根では、日射があたれば、乾燥するので、タッカー・くぎはほとんどさびていません。
他の湿式製法のスレートでは?
現在は廃盤となっていますが、パミールと同じ湿式製法(紙すきの造り方)で生産されていたフルベスト(旧松下電工)があります。
フルベストは湿式製法のため、スレート自体が水を吸う力は高く、パミールと同程度あります。
その葺き替え現場の写真を示します。
築25年経過したフルベストの屋根です。
くぎ・タッカーともにさびはありません。
フルベストをはがしてみても、
フルベストの下のタッカーにも、さびは見られません。
タッカーの材質が違うのかと、この現場写真の中で、タッカーがさびている部分を探しました。
軒先の雨水が溜まりやすい部分のタッカーはさびていました。
つまり、タッカーはさびる材質ですが、軒先以外の部分では、さびる状態ではなかったと言えます。
パミールは特別な屋根材なのです。
パミール屋根をカバー工法していいの?
特別な屋根材であるパミールをカバー工法して大丈夫なのでしょうか?
上の写真はスレート屋根を横から見たものです。
黒いものが、防水シートで、その下には野地板があります。
防水シートとスレートの間には、5mm弱の空間が所々あります。
そこにタッカーが留め付けられていて、パミールはそのタッカーがさびるほど、水分を含んでいるのです。
カバー工法はスレートの上に防水シートをはり、その上に新しい屋根材をカバーして、パミールを野地板と新しい防水シートの間に閉じ込めてしまいます。
パミールの吸い込んでいる水分は、新旧の防水シートで包まれ、乾くことができません。
その水分はくぎ穴を伝わり、野地板へ浸入する可能性もあります。
パミール屋根のカバー工法はやめた方がいいのでは、ないでしょうか?
まとめ:パミール屋根は葺き替えをおススメします。
臭い物に蓋(ふた)をすることせず、葺き替えをおススメします。
後、30年は持たせたい屋根と考えると、30年持つ工法を選択されることをおススメします。
メーカーの責任範囲となる後10年持てばいいという考え方のカバー工法はやめておきましょう!
パミール屋根でお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
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