こんにちは~。
屋根・雨漏りの調査員、神谷昭範です。
屋根雨漏り調査を行ったときに、ときどきある事例です。
築10年未満の木造住宅でした。
台風のときに、窓廻りから雨漏りしたとのことで調査を行いました。 (西尾にて)
雨水浸入経路を特定するために、小屋裏に入りました。
建物の仕様としては、2階は天井がありますが、屋根断熱となっていました。
上記写真をよく見ますと、垂木間に白い発泡系断熱材が充填されています。
その断熱材に茶色の染みがあります。
一見、雨漏りだと思います。
しかし、屋根勾配・分布を考えると雨漏りによる染みとするには不自然でした。
天井を見ますと、ところどころに水滴が滴下した形跡が見られました。
この水痕は今回の雨漏りとは関係ないものでした。
結露を証明するための温湿度測定までは行いませんでしたが、以下の状況から結露と判断しました。
1.天井及び屋根断熱材下面に防湿層がありません。
2.屋根断熱材上面に通気層がありません。
3.野地板は合板で、ルーフィングはアスファルト系でした。
4.水滴は一部分に集中しているのではなく、規則的に広範囲で発生していました。
温暖地域では、「夏をもって旨とすべし」の考え方で、土壁・土葺きの木造建築が多く行われてきました。
10年以上前まで、断熱・防湿・気密の施工があいまいな物件もあると聞いています。
昔のように、断熱材がなく、すかすかの住宅であれば、結露は発生しないのですが、この物件のように、中途半端に断熱材が入っているために、結露が発生します。
この物件で不幸中の幸いは、屋根断熱なのに、軒天換気孔を設置してありました。
そのため、天井から上がってくる湿気がある程度、外部へ排出されたいたと思われます。
また、暖房であたためられた熱が小屋裏へ伝わっても外気の流入により、温度上昇が軽減されていました。
屋根断熱仕様のため、断熱ラインを考えると小屋裏空間は室内となります。
小屋裏に軒天換気孔があることは断熱ラインに孔が開いていることになり、全く省エネではありませんけど・・・。
そのため、冬季、大量の結露が発生するまでには至らず、木部の腐朽劣化も免れたのではと思われます。 (#⌒∇⌒#)ゞ
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